見出し画像

立ち読み日記2

何年か前から、今の仕事や働き方に対して疑問があった。そんな時、自己啓発本を読むと、まるで友人に愚痴を聞いてもらっているかのような気持ちになることができる。「これって何の解決にもなってないな…」「同じような本ばかり読んでいるな…」と気づいているのだけれども、本屋に入るとついつい同じような書棚の同じような本を手に取って、心の荷物をおろす。仕事帰りの「一杯」といったところ。
今回の立ち読みも、この類である。


私にとって角打ちで一杯やるに等しい立ち読みだけれども、いつも何らかの気づきはある。この本の中にも2つ、印象に残った箇所があった。

1つは『知的生活の方法』の著者、渡部昇一氏の
「最高の時間活用術とは、長生きすることですよ」ということば。
私は何人かの身内を突然死で亡くしている。今朝、目が覚めたということは、実は奇跡に近いと思っている。どれほど大きな夢があり、才能があり、成功を収めている人、または収めようとしている人でも、死は本人の意に反してやってくることがある。そして、いかに素晴らしい業績を残したとしても、死が訪れた瞬間、その本人の人生はそこで終わりだ。
私たちの人生は生きていることを前提にしている。生きている時間が長ければ長いほど、その時間を有効活用する可能性も大きくなる。
死への恐怖ばかり感じていては、とても生きてはいけない。しかし、生きていることは当たり前ではないと、常に心に留めておくことが大切だ。


もう1つは、著者の本田健さんが若いころに教えられたという
「最期に『平凡だったが、大禍ない人生でした』なんていって死ぬんじゃないよ。『いろいろあったが、とにかくおもしろかった』、そう言える人生を歩みなさい」ということば。
大禍ない人生は、もちろん、それはそれでとても有難いことだと思う。また、それを最大の幸福と考える人がいたとしても、それは個人の自由だ。けれども、少なくとも私は、ワクワクドキドキした人生を送りたい。棺桶に入るときには「挑戦したいことはまだまだあるが、それでも十分おもしろい人生だった」と言って死にたい。


今回は、本屋の片隅で自己啓発本片手に、ちょっとしたセルフインタラクションを楽しんだ時間の記録。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?