『シャン・チー/テン・リングスの伝説』感想
お気に入り度:★★★★★ 5 / 5
MCUの中で、いや、アメコミヒーロー映画の中で特に面白かった! カンフー映画とスーパーヒーロー映画を合わせたアクションとともに、熱くて泣ける物語が紡がれていく。ディズニーのファンタジーアニメーション作品を思わせるところもある。
どの登場人物も等身大の魅力に溢れていて好かったが、中でもヒロインのケイティがセックスシンボルではなくあくまでも主人公の友達キャラで、すごく好かった。「明るいが自己評価が低い」という性格も相まって、自分の友達でもあるような身近さを感じられる。そんなケイティが新しい挑戦をして、シャン・チーを含め世界を危機から救うに至る流れは最高だった。
敵役も印象深い。テン・リングス自体は『バットマン ビギンズ』や『アロー』、『デアデビル』でも見たような武闘派集団だが、それを率いるウェンウーはラーズ・アル・グールとは一味違った。強大な力を持ちながらも癒やされない哀しみを抱えていて、単なる邪悪な存在ではない。シャン・チーやケイティと同じように人間味を感じた。
人物描写が好かった一方で、「そこは英語で話さないのに、ここは英語で話すのか」という、『ブラックパンサー』でも見られたような不自然な言語描写があったのは気になった。殆どは中国語の話せないケイティに向けて話しているていになっているものの、中途半端だから気になる。アメリカ人が英語で楽しめない作品をアメリカで作るのは難しいとは思うが……。
『シャン・チー』は一本の作品としてしっかり成立しつつ、他のMCU作品のネタも多分に盛り込んでいて、ひょんな場面でニヤリとさせてくれる。この一作だけで、スーパーヒーローもカンフーも怪獣もクロスオーバーも観れる。自分の好物に溢れていた。
あと、モーリスがとにかく可愛い。顔がないのにあんなに可愛く見えるなんて。調べたら物騒な話もある中国の伝説の生き物ようだけど、それでも可愛い。ぬいぐるみほしい。
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