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映画『ブルーアワーにぶっ飛ばす』

2019年10月に公開した『ブルーアワーにぶっ飛ばす』。 この作品は、この映画で第一回監督作品となる箱田優子監督がメガホンを執った。また、若手作家を見つけ出すプロジェクト『TSUTAYA CREATORS’ PROGRAM』で、2016年審査員特別賞に輝いた。また国内に止まらず、海外映画祭(香港・上海・ドイツ・台北)で大盛況であった。上海映画祭ではアジア新人部門最優秀監督賞と優秀作品に輝いた。
キャストには『海街diary』『red』などで幅広い演技で映画に貢献し続けている夏帆さん。『今までで一番やりたい役に出会えた』とインタビューで答えていた。また、『新聞記者』『怪しい彼女』など韓国と日本で活躍しているシム・ウンギョンさんが、『ブルーアワーにぶっ飛ばす』のダブル主演をつとめている。
~あらすじ~
物語は、30歳の自称売れっ子CMディレクター・砂田(夏帆)は、東京で日々仕事に明け暮れながらも、理解ある優しい夫もいて満ち足りた日々を送っているようにみえるが、口を開けば悪態をつき何かあれば毒づいてばかりで心は完全に荒れていた。ある日、秘密の友達清浦(シム・ウンギョン)と祖母を見舞うために、コンプレックスの原因である故郷に帰る。そこから、自分と向き合い、葛藤をし新しい自分を見つけ出そうとする物語である。
ブルーアワーとは。
一日の始まりと終わりのあいだに一瞬だけおとずれて、空が青色に染まる静寂の時間。日本では、夜明け前の薄明かりの時を『彼(か)は誰(たれ)時』、日が沈み夜になるまでを『黄昏時(誰(た)そ彼(かれ)時)』とも呼ぶ。

『私のことを好きという人あんま好きじゃない』『全然寂しくなくて寂しい』『ダセーの最高じゃないですか。生きてるって感じがして』

出典元 映画.com

私は、どちらかというと物凄く面倒くさい人間だと自覚している。物凄く素直な部分と全く素直になれない部分が、それはそれは分かりやすく出る。まぁ、気分屋とも言えるのかもしれないけど。ずっと素直でいた方が楽しいし、上手くいくことも多いってことは、約32年生きているんだから分かっているのよ。ただ、その時の自分の生活の状況とか周りの状況とかで素直のあり方が変わってきてしまうんだ。良い歳ではあるので、良くないとはわかっているつもりなんだけどな。あ。つもりだからダメなんだよな。うん。

『私のことを好きという人あんまり好きじゃない』というのも、大雑把に言うと素直という解釈に似ていると思っている。少なくとも私もこの感情はあるから。人によって感じかたや言葉の意味は違うかもしれないけれど。私は、いつも自分の良い所がわからない。今年32歳になるというのに、自分の長所が何か言えないんだ。例えば、『あなたのここが優れて、』と言ってもらえたとしても、どこかむず痒い。どう答え良いのか分からなくて話を変えてしまいたくなるし、自分中心の会話になっているのことがどうしていいかわからなくなって。それも同じように話を変えてしまいたくなる。自分のことを相手に知られたくないというわけではないんだけど。何て言えばいいんだろうか・・・分からない。俗に言うと苦手なのよ私。だけど、心底嬉しいの。しかも、好きじゃないってことはないもんね。我ながら面倒くさい人間だな。
なんだか、こういうことを話していると、なんだか私自身の恥ずかしい部分をさらけ出しているような気分になるんだけどね。でも、文章を書く時点でさらけ出しているのと同じだよね。うん。何言ってるんだろう私。話していたら急に恥ずかしくなってきたな(笑)。

出典元 映画.com

先程、『私のことを好きという人あんまり好きじゃない』という以外の、『全然寂しくなくて寂しい』『ダセーの最高じゃないですか。生きてるって感じがして』っていうのも同じ意味のようなものだと思っていて。上手くこの気持ちというか表現ができないんだけど、私が思うにある意味、人間は嘘つきな部分は持ち合わせている。だから、それを隠そうとする。その事については私は悪いことではないと思っていて、まぁ愚痴くらいたまには吐いたり、何処かで発散してもいいんじゃない?とは思うけれども。その嘘というか、その行動は自分を守る為の生き方だった訳だから、確かにダサいけどそれしかその人はやり方を知らなかったんだよね。生き方を。そういう生き方しか知らないから、寂しさを誤魔化して『寂しくなんかないよ』って素振りをする。寂しいくせに本当は。素直に甘えればいいのに。たしかに世間は自分が思っているほど人に興味ないけど、そんなに冷たい人ばかりではない。ふと周りを見れば、職場でお昼を食べる仲間や自分の部署の仲間。趣味の友達とか。長年の友達。家族とか。まぁ、それで状況が変わるか変わらないかは、結局は自分なんだけど甘えることによって何かのきっかけになるかもしれないよね。

出典元 映画.com

この映画の素晴らしいと思ったのは、こういった事を実にリアルに描いていたことだなと強く感じた。歳を重ねたとて、成長できているとか立ち振舞いが上手くなってきたり大人になっていっても中々悩みとか葛藤とかを抱えてしまう。それに加え人間関係もついてくるから、キャパオーバーだよね正直。自分一人ではあまりに抱えきれないよ。それでも、何かで解消していくしかないし、或いは新たな自分を発見したりして成長し、生きていくんだよ。だったら、ちょっとでも好きを人生の一部に入れて楽しく生きていきたいよね。と思わせてくれる映画だった。すごく大好きな映画。届くことはないと思うけれど、出会えたことに本当に感謝したいと思う。本当に製作して頂いてありがとうございました。救われた気分になりました!!ありがとうございます!何度でも言いたい。

出典元 映画.com

ありがとうございました!!!

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