シェア
悠霞 栞
2024年9月3日 11:16
記録。己の存在を犠牲に、灰色のあの子は頑張っていた。だからある日気になった。もし、選別する子が居たらどのように灰色のあの子は変化するのだろうか。 だから、私は選別者と名を付けて存在を書き足した。私が気にしていたのは沼芥と呼ばれた灰色のあの子、記録手と私が名づけた子。純真だった記録手がどう歪み、どう変化するのかを見ていた。それ故に要らぬ変化を遂げた選別者はもう不要だった。新しい選別者はもっと無慈悲
2024年9月2日 13:25
沼芥は飽きた。選別者は飽きた。終わらない世界、終わらない仕事。終わらない役目。飽き飽きだ。一体神は何を思って我らにこの役目を背負わせた?この仕事はなぜ終わらない? 沼芥は止めていた思考を散り散りの意識をかき集めて、頭の中の嘆きを隅に追いやって考える。なぜこの世界は何処までも広がっているのだろう。そもそも終わりはあるのか。この世界、己の居る空からものが落ちてくるこの世界に果てはあるのか。どれ
2024年8月28日 10:50
人は言った。かの革命家は死後真面な世界に行かないと。ある少女は事故で亡くなった友を思い墓参りをした。死が当たり前に在って、けれども一度きりのそれの後に何があるかを知る者は生者で居ない。だから皆、死後の世界を好きに想像する。きっと私は天国に行く。きっとあいつは地獄に行く。きっと、きっと。そうして空想し、夢を見て、自己満足に人生を歩み。満たされたり、満たされずに死ぬ。知らないから、期待が膨らむ。悪い方
2024年8月13日 01:20
次に落ちてきたのは希望に満ちた青年。青年は困惑した。意義を、正義を、大義を掲げ真っ当に生きてきた。だから己はきっと天国に行ける。だから一つ目の怪物の前でも怯む事無くその目を見つめた。だというのに、己は数々の試練を突破し清い魂だったはずなのに。なぜ、いま塵芥と混ぜ合わされているのだ。不快だ、不愉快だ。何が駄目だった。なぜ私は天国に居ないのだ。明らかにここは地獄ではないか!「やだ!やだぁ!!」あん
2024年7月23日 14:07
私は死んだ。パライバトルと呼ばれる人々の世界で私は事故で死んでしまった。そうして、私は終わったと思っていた、筈だが目の前には見たこともないような様相の何かが居た。首の上に浮かぶ一つ目をギョロリと動かし、手を私に伸ばし触れたと認識した途端目の前の何かは浮いていた瞳をパッと消失させると私は下へ大きな力で引き寄せられる。 次に景色を目にした時そこは灰色の世界で、とても静かだった。足を動かすと私の立っ