悠霞 栞

文の投稿してる人間。Nolaと同時投稿してます。 文書くのたのしいいいいい!!!

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マガジン

  • [短編小説]存在記録

    パライバトルと神が呼称する世界の、人間が暮らす世界、死後の人間の価値を定め良き者を保管するもの、要らないものを捨て消滅させるもの。 それらが紡ぐ話とは

  • 超短編&詩

    私の作った超短編小説と詩のまとめ

  • 醜悪なもの

    創作短編小説「醜悪なもの」計5話まとめ

  • 頭悪い感想

    鑑賞直後とかの感想まとめ

最近の記事

[存在記録#5]:代役は幾らでも

記録。己の存在を犠牲に、灰色のあの子は頑張っていた。だからある日気になった。もし、選別する子が居たらどのように灰色のあの子は変化するのだろうか。  だから、私は選別者と名を付けて存在を書き足した。私が気にしていたのは沼芥と呼ばれた灰色のあの子、記録手と私が名づけた子。純真だった記録手がどう歪み、どう変化するのかを見ていた。それ故に要らぬ変化を遂げた選別者はもう不要だった。新しい選別者はもっと無慈悲に、もっと規則に従順な子を作ろう。あれらには代わりがきくから。  ――だから驚い

    • [存在記録#4]:埒が明かない。それは誰の所為

       沼芥は飽きた。選別者は飽きた。終わらない世界、終わらない仕事。終わらない役目。飽き飽きだ。一体神は何を思って我らにこの役目を背負わせた?この仕事はなぜ終わらない?    沼芥は止めていた思考を散り散りの意識をかき集めて、頭の中の嘆きを隅に追いやって考える。なぜこの世界は何処までも広がっているのだろう。そもそも終わりはあるのか。この世界、己の居る空からものが落ちてくるこの世界に果てはあるのか。どれだけ取り込んでも窮屈にならないこの場所は何なのだろう。  __これいじょうはいけ

      • [超短編]明かり窓

         暗いくらい部屋。光の一つもなく。ただそこにじっとしているだけの者。  閉じて、排除して、世界に取り残された感覚を味わって何も映らない目を閉じた。  そうして幾年過ごしていくと、ふと気づいた。誰かが私の暗闇を壊そうとしている。やめて、壊さないで、此処は私の安心できる居場所だから、一人にしておいて。そんな願いも空しく。 「こんにちは」  眩しい、眩しい光を連れて窓が開く。ああ酷く刺激が強い。

        • [存在記録#3]ある人間の話

          人は言った。かの革命家は死後真面な世界に行かないと。ある少女は事故で亡くなった友を思い墓参りをした。死が当たり前に在って、けれども一度きりのそれの後に何があるかを知る者は生者で居ない。だから皆、死後の世界を好きに想像する。きっと私は天国に行く。きっとあいつは地獄に行く。きっと、きっと。そうして空想し、夢を見て、自己満足に人生を歩み。満たされたり、満たされずに死ぬ。知らないから、期待が膨らむ。悪い方にもいい方にも。神はきっと人間を愛している。でなければ創造などしない。そう言った

        [存在記録#5]:代役は幾らでも

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        記事

          [超短編]帰雁

          それらは綺麗に飛んでいた。そうして南から北へ飛んでいく。帰っていく彼等を見上げて、ああなんて綺麗なんだと考える。夕焼けの空、集団をなした雁が飛び去って行く。また来年。その頃には彼らの子が飛んでいるのだろうか。ぼうっと私は空を見上げて来年の自分を思い描いていた。

          [超短編]帰雁

          [#2]:思考をした、それは希望につながり、疑念に、憎悪に

          次に落ちてきたのは希望に満ちた青年。青年は困惑した。意義を、正義を、大義を掲げ真っ当に生きてきた。だから己はきっと天国に行ける。だから一つ目の怪物の前でも怯む事無くその目を見つめた。だというのに、己は数々の試練を突破し清い魂だったはずなのに。なぜ、いま塵芥と混ぜ合わされているのだ。不快だ、不愉快だ。何が駄目だった。なぜ私は天国に居ないのだ。明らかにここは地獄ではないか! 「やだ!やだぁ!!」 あんなに苦しんで人生を歩んだのに。あんなに人々に希望を与えたのに!こんな仕打ちはあん

          [#2]:思考をした、それは希望につながり、疑念に、憎悪に

          [#1]繰り返される残酷

           私は死んだ。パライバトルと呼ばれる人々の世界で私は事故で死んでしまった。そうして、私は終わったと思っていた、筈だが目の前には見たこともないような様相の何かが居た。首の上に浮かぶ一つ目をギョロリと動かし、手を私に伸ばし触れたと認識した途端目の前の何かは浮いていた瞳をパッと消失させると私は下へ大きな力で引き寄せられる。  次に景色を目にした時そこは灰色の世界で、とても静かだった。足を動かすと私の立っている地面から水音が鳴る。音につられて下を見るとおぞましいもので溢れていた。生き

          [#1]繰り返される残酷

          [超短編]惜暮

           暮れていく、薄暗くなっていく。その景色がとてもきれいでこの数刻が、この一瞬がずっと見て居たいと思う。  然し同時にこれが一瞬であるからこそ、一時の美しさであるからこそと思う。そうして今日も空を見る。

          [超短編]惜暮

          [超短編]消散

           消える。散る。消えた。散った。私の花。私の宝。  行かないで。消えないで。その言葉も空しく、大切な花は消えた。

          [超短編]消散

          [超短編]愨誠

           慎重に、確実に。そして相対する者へ誠実に。相手を傷つけず、思いやりを持って、思慮深く行動する。  そうして私は理想の自分に近づくのだ。

          [超短編]愨誠

          [超短編]白白

           黒が明るくなっていく。明るく、明るくなって、真っ白になる。  それはもう黒であったと認識しない。  それはもう過去に意味はない。  だけれどそれは、己から見た時のみである。よそから見れば黒であることなど一目瞭然である。

          [超短編]白白

          [超短編]独占

          あげない、あげない。絶対に私のもの、私だけの宝物。 その輝きは、美しさは、愛らしさは私だけが知っていればいいの。誰にもあげないわ。

          [超短編]独占

          [超短編]星空

          キラキラ、きらきら。暗闇の中輝いている、煌めいている。日頃の疲れが吹き飛んでいくほどその光景は美しく。 静かで暗いこの場所を空が唯一照らすこの一瞬がかけがえのない私の思い出となる。

          [超短編]星空

          [超短編]群青

          小さな、小さな青。淡くて、澄んでいる。 小さなその青は集まり、集団を形成し、濃く透明度が下がって。やがて群青となる。

          [超短編]群青

          [超短編]屑糸

           切れ端の屑。捨てられる運命。悔しい。悔しい。必要とされない己。  屑。屑。塵屑。  ああもう、嫌になる。捨てられる余り糸と己が酷く似ていて息が苦しくなった。

          [超短編]屑糸

          [超短編]ロードクロサイト

           ゆらゆらとはっきり見えず。とろとろとした愛情に。ふわふわとした夢に。桃色のそれらに夕焼けのオレンジが差す。とろんと混ざって、ほとんどがはっきり見えない。きらりと偶然見えた透明なそれは今までのと比べて透き通っているからか、輝いていた。

          [超短編]ロードクロサイト