いつものかヨソか
9月の2泊3日「サイコロきっぷ」で博多から大分、福岡各地を巡ってきた。ハプニングがありつつも、JR九州、西鉄電車、福岡市地下鉄など地元とは違うユニークさと奇抜さ、使いやすさを持った列車達。見る者を楽しませる「巨匠」の底力を感じられた。でも結局、関西に帰ってきた時には安心感で逆に地元の良さを再認識させられる旅にもなった。
私鉄王国
京都、大阪、神戸という三大都市を抱えて、新快速という「化け物」と称される速さのドル箱列車を筆頭に、“大阪の大動脈”御堂筋線などの地下鉄網、阪急、阪神、京阪、南海、近鉄の五大私鉄、モノレールや新交通システム、第三セクターまで大小様々ある。私鉄の規模の大きさから「私鉄王国・関西」などと称されたりもする。
シンプルでも
会社ごとに切磋琢磨していくと個性が出て、良くも悪くも大きな刺激になっていく。それに良い意味でシンプルデザインで飽きなかったり、むしろ、通勤系列車が好みだったりする。中にはシンプルさやコスパの良いもの、既存のデザインに快適さや実験的な新要素を足したり、リノベの良さで「ブルーリボン賞」「グッドデザイン賞」など栄えあるものを獲っているなんてこともあるから、いつものでも侮れない。
見慣れた列車を見て
帰りの新幹線、JR神戸線の東姫路駅付近で茶色の普通列車を目撃、新大阪駅で降りて在来線ホームにやってきたときに聴こえてくる聴き慣れた自動放送、見慣れた紺とオレンジの電車を見ると、地元に戻ってきた安心感から結局慣れた鉄道が好きなんだと思ってしまう。
ヨソだから興奮
そうは言っても、乗れる機会が限られる「ヨソの列車」は興奮するものだし、関西との比較というのも楽しい。JR九州の奇抜なデザインもそうだし、個人的に図鑑で見まくって、母方の親戚が運転士をしていたことを聞いた西鉄電車も乗れて嬉しかった。
「ヨソ」が良いとき
慣れたところか「ヨソ」が良いかは時と場合、デザインの個性によりけりなところはあるし、詳しくないとどうしてもありきたりに見えてしまう。僕の場合は図鑑で見た列車は今や過去問わず多くが憧れではある。新快速や阪急、大阪メトロといった慣れたものでも、改めて乗ると幼い頃や青春時代の思い出などで好きが過熱するし、新快速の特急クラスのハイスピード性能や「グッドデザイン・ロングライフデザイン賞」で評価された「阪急マルーン」は「ヨソ」から見れば羨ましい憧れ。おまけに10両、高頻度運転の御堂筋線に度肝を抜かれたり「あ、あれが中津行きか!」と漫才の光景を目にできて興奮する。もし僕が関西人じゃなかったらそうなることだろう。
でもやっぱり、どちらにせよ良さも悪さも知り尽くしたオタクだし、音楽も付け足せば楽しみは尽きない。慣れてようがヨソだろうが、結局いいものはいいんだ。
ストリートミュージシャンの投げ銭のような感覚でお気軽にどうぞ。