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Osgood-Schlatter病に対する効果的な介入は存在するのか? ~最新の文献から考える介入方法の提示~

運動会で走り終わった後、サッカーで走り回った後、ジャンプを繰り返した後、「膝が痛い」という子供たちがいます。この症状は、少し休めばまた運動することが出来る、もしくは運動をしなければ痛みは減るのですが、また運動後に痛くなることが多いです。


子供たちの膝の痛みの原因として「オスグッド・シュラッター病(OSD)」があります。この疾患は、一般的に成長が終わることで膝の痛みも軽減または消失することが多いです。


しかし、慢性的に膝にストレスが加わり続けると骨の表面が不整になってしまうこともあり、高校生や大学生になっても膝の痛みが残存することもあります。


そこで、今回の記事では子供たちの成長期に多く生じる「オスグッド・シュラッター病(OSD)」について記載していきます。


1.オスグッド・シュラッター病(OSD)とは?

1900年代に脛骨結節の骨端症として最初に報告されています。子供の急激な成長過程と膝蓋腱を通した脛骨結節へのストレスが原因で、膝蓋腱の軟骨付着部と脛骨結節の連続性が部分的に失われている状態です。


OSDは脛骨粗面周囲に局所的な痛みを伴い、腫れや変形、跛行を伴うことがあります。特に、「階段を下りる」「膝を長時間動かさない後」 「膝立ち」「スポーツ活動中」に痛みが生じることが多いです。


OSDの原因は膝蓋腱を介して、脛骨結節へ加わる牽引ストレスが考えられており、スポーツ活動などで、脛骨結節への牽引ストレスが繰り返し生じ、マイクロな損傷が積み重なると、膝蓋腱付着部の分離、周辺組織の炎症、滑液包の腫脹など慢性的な痛みを引き起こす可能性があります。


OSDでは、大腿四頭筋(特に直筋)の硬さが増加することがリスク因子として考えられています。そのため、OSDを疑った場合、必ず大腿四頭筋の伸張性を評価する必要があります。


大腿四頭筋の硬さ以外にも、脛骨結節へ加わるストレスを増大させる要因として、以下のようなリスクが挙げられています。あまり着目されていませんが、OSDのリスクには股関節と足関節の可動域が制限が挙げられています。


いくつかの報告では、OSDでは足と股の可動域が制限されていることもあると報告されています。では、足関節と股関節のどの可動域が制限されているのかを見ていきたいと思います!


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