見出し画像

足底腱膜炎?何か違うぞ...

皆さんこんにちは!理学療法士のYoshiki(@PtGekikara)です。


この記事は今までの記事とは異なり、私が実際に経験した症例をもとに、どの様に問診や評価、介入を行ったのかを記載していきたいと思います。


私の経験を皆さんと共有して、少しでもお役に立てればと考えています!


内容に入る前に、まず私が勤めているクリニックについて簡単に説明させて頂きます。


私が勤めているクリニックはドクターから処方箋が来るのですが、新患は必ず評価結果をドクターに報告する必要があります。なので、中途半端なことができないということです。(曖昧な言葉は使えませんし、解剖学以外の名称を使うことはありません)


また、ドクターと意見が合わない場合、解剖学的な要因以外に疾患名や症状を知らなければ、説明することができません。


このような環境にいると、少しずつですが自分の評価精度や問診精度が高まってきている様に感じています。


ということで、私の臨床の一幕を切り取ってお伝えさせて頂きます!


1.足底腱膜炎疑いの症例 ~問診~

いつものように処方箋が回ってきてから、私は問診・理学所見を取りに行きます。今回の診断名は「足底腱膜炎」


まず、足底腱膜炎の症状として思い浮かべるのは

・朝一歩目の疼痛
・長時間の活動での疼痛
・踵骨内側結節での圧痛 etc

などが挙げられます。


足底腱膜炎であればこのような特徴的な症状があると考えながら、問診を開始します。

画像1

私「こんにちは!宜しくお願いします!」

患者「宜しくお願いします!」

私「足のどこが痛いですか?」
(オープンクエッションで確認することが多い)

患者「足の裏が痛いです。」

私「足の踵・土踏まず・足の前のどこら辺が痛いですか?」
(クローズドクエッションにて詳細を確認する)

患者「土踏まず辺りが痛いです」

この時点で、足底腱膜炎ではない可能性が出てきました。足底腱膜炎は踵の痛みを訴えることが多いので、「土踏まずが痛い」という訴えは臨床であまり聞かれません。


ですが、足底腱膜炎の可能性はゼロになったわけではありません。なので、さらに詳しく問診で確認していく必要があります。

私「朝起きて歩き始めの痛みは強いですか?

患者「朝はあまり痛くありません」

私「そうなんですね。では、仕事中や長時間の活動の後に痛みは強くなりますか?

患者「痛くなることはありますが、そこまで強くはありません」


ここまでの問診で足底腱膜炎の特徴的な症状がほとんどないため、私は足底腱膜炎以外の病態である可能性が高いと考え、理学所見に移ります。


2.足底腱膜炎疑いの症例 ~理学所見編~

足底腱膜炎の理学所見として重要なことは

・踵骨内側突起の圧痛(赤色の部分)

画像2

足底腱膜炎では、コラーゲン繊維の変性や血管新生などの慢性炎症の所見を認める場合があります。また、慢性的な伸張ストレスにより腱が肥厚し、踵骨内側突起周辺に疼痛を引き起こします。


・windlass testの陽性

windlass testは母趾、足趾の伸展強制テストであり、足底腱膜の踵骨付着部に伸張ストレスが加わるため疼痛が惹起されます。「独立した足底筋膜炎」では、windlass testは陽性になると記載されています¹⁾。


・エコーで足底腱膜の厚みが4mm以上

画像3

足底腱膜炎の患者では足底腱膜の厚みが増大しており、正常足で足底腱膜の厚みが4mmを越えた報告はありません²⁾。


ですが、今回の症例において3つの特徴的な症状はすべて当てはまりませんでした。


ここで、私は足底腱膜炎以外の病態を考えました。

画像4


「踵骨骨折」「踵骨下脂肪体炎」「内側足底神経の絞扼」...
評価してもどれも当てはまらない💦(評価方法↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓)


もう一度、問診・評価を行うとおそらく疼痛の原因と
考えられるものが見つかりました。

画像5


3.足底腱膜炎疑いの症例 ~発見編~

まずはこちらの画像をご覧ください!

ここから先は

1,309字 / 3画像
twitterでは書ききれない内容をこちらのプラットフォームで見ることが出来ます!1500~2000文字程度で5分で読める内容としています!

マガジン名を変更し、内容もリニューアルしています!リニューアルした記事は値上げしますので、早めの登録がおすすめです! このマガジンでは運…

ありがとうございます(#^.^#)