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腹横筋を鍛えると 腰痛は改善する?

腰痛は男性・女性共に有病率が高く、一度は経験したことがあると言っても過言ではないと思います。


腰痛の70~90%は、2~6 週間で改善すると報告されていますが、初発の約60~86%は 1 年以内に腰痛を再発し、6~10%は慢性腰痛を発症すると考えられています。


腰痛に対しては多くの介入方法が提案されていますが、最近では、1つの面だけでなく機能面・精神面・環境面と多方面での影響が考えられており、単独の介入ではなく、包括的な介入が重要と考えられています。


とはいっても、セラピストはどうしても機能面に着目して、アプローチすることが多いのが現状だと思います。その中でも、インナーマッスル(腹横筋や内腹斜筋)、下肢の柔軟性や筋力に着目・アプローチすることが多いと思います。


今回の記事では、「腹横筋を鍛えると腰痛は改善する?」と題し、腹横筋に着目して、腰痛との関係性を考えていきたいと思います。


1.腹横筋の解剖

まずは腹横筋の解剖について復習していきます。腹横筋は側腹部の最深層に位置している筋肉です。

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起始:第7~第12肋軟骨内側面、胸腰筋膜、腸骨稜、上前腸骨棘内唇、腸腰筋膜
停止:剣状突起、白線、恥骨稜、
神経支配:肋間神経(Th7-12)、腸骨下腹神経、腸骨鼡経神経
作用:腹部緊張の維持、内臓の支持、強力な呼気、咳、排便の際の腹腔内圧の上昇


腹横筋は前方では腹部筋膜、後方では胸腰筋膜に付着します。この腹横筋の付着形態が機能的に重要になってきます!

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2.腹横筋の機能

深層筋である腹横筋はTypeI線維が多く、脊柱の分節制御に重要な役割を果たしており、腰痛の進行や再発に影響を与える可能性があります。 


解剖学的に腹横筋は単独で体幹の安定性に働くわけではなく、体幹を包み込むコルセットのような構造を形成し、腹腔内圧と椎体の硬さを制御しています。


具体的には、腹横筋が収縮することで腹部筋膜、胸腰筋膜が側方に引かれ、緊張が増大することで腹腔内圧が上昇し、体幹の安定性に関与すると考えられています。

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腹横筋が収縮すると、筋厚の増大が見られ、筋腱移行部の移動距離も増大します。また、腹横筋は上肢・下肢の動きよりも先行的に働くことで、体幹の安定性を高め、動作を行うために重要と考えられています。


しかし、腰痛がある場合、腹横筋の活動や筋腱移行部の動態に変化が生じると報告されています。


例えば...

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