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週刊!リハマガ! ~整形リハビリの考え方~

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#膝関節

膝蓋下脂肪体由来の痛み ~動きから痛みを捉える~

膝関節には、膝蓋骨上脂肪体、後部脂肪体、膝蓋下脂肪体、大腿前脂肪体が存在します。その中で、膝蓋下脂肪体(以下:IFP)は大腿骨・脛骨・膝蓋骨の間に存在する脂肪体で、膝関節周辺で最も大きな脂肪体になります。 最近では、IFPは大腿骨・脛骨・膝蓋骨の間だけではなく、膝蓋骨の内外側や大腿四頭筋腱の深層にまで存在すると報告されています。この、IFPの膝蓋骨内外側への広がりは意味が存在すると考えられます。 IFPの広がりと、膝関節屈曲-伸展時の膝蓋骨の位置関係を見てみると、IFPが

膝蓋下脂肪体 ~3つの役割~

膝関節周辺には多くの組織が存在します。そのため、評価-介入するうえで組織の解剖・役割を知ることは大切だと思います。 ほとんどの方は知っているかもしれませんが、膝関節に介入するうえで大切になる組織が存在します。それが、膝蓋下脂肪体(IFP)になります。IFPはメジャーな組織なので、知っているという方もいるかもしれませんが、最近報告されているIFPの代謝機能や線維化を予防する介入についてもご存じでしょうか? この記事を読むことで、一歩進んだIFPに対する介入を実施できると思い

変形性膝関節症に対する大腿四頭筋のトレーニング ~どの程度鍛えたらよい?~

変形性膝関節症は日本のみならず、世界の人々が苦しめられている整形外科的疾患と言っても過言ではありません。 KOAの症状はさまざまですが、主に「膝関節の疼痛、下肢筋力低下(四頭筋)、膝関節不安定性、関節のこわばり、身体機能低下」などが挙げられます。 また、KOAは機能面の問題だけでなく、活動量の減少や立ち上がり・歩行能力の低下など、日常生活活動にも影響を与えます。 セラピストはKOAの発症要因を理解し、症状改善や進行予防に努める必要があります。そこで、今回の記事では、”K

medial meniscus extrusion(MME) ~膝痛と膝OAへの関与~

MMEはMMEは、脛骨高原および脛骨関節軟骨からの半月板の部分的または全体的な内側変位として定義されます。最近、変形性膝関節症との関係に着目されています。 MMEは内側半月板後根断裂に続発して生じ、”変形性膝関節症のリスクや膝関節の疼痛に関与する”と考えられています。 今回の記事では、基礎的な半月板の解剖・機能から、MMEの原因や影響、セラピストが出来る介入方法を検討していきたいと思います!まずは基礎的な半月板の解剖と機能について記載していきます。 1.半月板の解剖内側

膝外側部痛と総腓骨神経

膝関節内側部の疼痛は臨床上、よく経験すると思います。では、膝関節外側部の疼痛はいかがでしょうか?私の臨床経験で申し訳ないのですが、以外に外側部に疼痛が出現する場合も多いと感じています。 では、膝関節外側部痛を引き起こする組織として、何が考えられるのかというと、以下のような組織が挙げられると思います。 それぞれの組織が原因となる病態として ・膝窩筋の損傷や機能低下であれば後外側不安定症 ・腸脛靱帯であれば摩擦ストレスによる腸脛靭帯炎 ・外側半月板や靱帯であれば外傷 ・総腓骨

内側半月板後根断裂とは?

日本では膝OAの患者数は一番多く、2530万人いると推定されており、40歳以上の男性では40%、女性は60%と有病率はかなり高いです。 膝OAの危険因子としては年齢や下肢筋力の低下、アライメント異常、肥満などの様々な危険因子が報告されています。最近では、内側半月板後根断裂が変形性膝関節症の重要な因子とされています。 内側半月板後根断裂が生じると、半月板の機能が低下し、膝関節の運動学的な変化や内側コンパートメントの接触圧などが増加するとも報告されています。 半月板には膝関

大腿筋膜張筋と腸脛靭帯は本当に悪者なのか?

大腿筋膜張筋(以下:TFL)と腸脛靭帯(以下:ITB)は臨床において、よく着目される、組織だと思います。よく悪者扱いされる組織ですが、本当にTFLやITBに問題が生じているのでしょうか? 例えば、THA術後などではTFLがパツパツに張って、痛みを訴える方も多くいます。あれは、本当にTFL事態が問題となっているのか、二次的にTFLが問題となる何かが背後にあるのかを考える必要があります。 今回の記事では、TFLとITBの基礎的な解剖と機能について考え、TFLとITBが「本当に

しゃがみ込み出来ますか?

みなさんこんにちは!理学療法士のYoshiki(@PtGekikara)です。 突然ですが皆さんは”しゃがみ込み”は出来ますか? なぜこのようなことを尋ねるかというと、しゃがみ込みは”障害リスク”のスクリーニングが出来る動作のうちの1つだからです。 私はクリニック勤務なので、シーバー病や足関節捻挫後の子供たちにはしゃがみ込みの評価を必ず行います。また、足関節疾患だけなくシンスプリントやオスグッドシュラッター、グローインペインなどの疾患を持つ子供たちにも実施することが多い

膝OAと足部の切っても切れない関係性

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膝蓋骨の安定性に重要なMPFL どこまで知っていますか?

みなさんこんにちは!理学療法士のYoshiki(@PtGekikara)です。 今回の記事では膝関節の靭帯「MPFL(内側膝蓋大腿靭帯)」について、簡単に説明していきたいと思います。 膝関節の靭帯といえば ・前-後十字靭帯 ・内-外側側副靭帯 ・脛骨大腿靭帯 ・内-外側膝蓋大腿靭帯 など多くの靭帯があります。 この中で着目されているのが、前十字靭帯と内側側副靭帯だと思います。特に、前十字靭帯の損傷はサッカー選手などのスポーツ選手によく生じ、一度発症すると復帰に長時間を要

膝関節内側部痛の見かた ~MCL・鵞足・半月板~

膝関節内側部痛と言っても、膝関節内側には多くの組織があり、どの組織が疼痛の原因となっているのか判断が難しい場合があります。 膝関節内側で疼痛を引き起こす組織としては ・骨 ・関節包(滑膜) ・神経(伏在神経) ・筋肉(鵞足等) ・MCL(付着部) ・半月板 ・靭帯 これらの組織の中で何が疼痛の原因となっているのか、正しい評価をしなければ、たとえ介入方法が正しかったとしても、効果を出すことができません。 では、どのように評価を行っていけばよいのでしょうか? 残念ながら

スクリューホームムーブメント(SHM)の基礎から治療まで!

膝関節伸展を行う上で、スクリューホームムーブメント(以下:SHM)は重要になります。SHMは大腿骨と脛骨の骨形態によって、主として生じると考えられており、”膝関節伸展0°~30°の間において、脛骨の外旋が大きく生じる”ことをいいます。

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膝関節伸展制限 ~後方組織の問題を紐解く~

膝関節伸展制限が存在すると ・術後の患者の転帰が悪化する ・異常歩行を引き起こす ・膝OAの発症リスクの増大 ・膝関節伸展筋力の低下 などといった問題が生じます。 膝関節伸展制限と歩行の関係性を考えてみると、伸展制限が存在すると立脚期における十分な安定性と荷重分散が行えません。そのため、四頭筋の活動が大きくなり、関節への負荷(圧縮ストレス)も増大します。また、膝関節不安定性や負荷が増大することで関節変形や疼痛に繋がります。 機能面だけではなく、膝関節伸展制限は日常生活にも

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内側広筋斜頭と膝関節機能 知っていることは真実ですか?

皆さんこんにちは!理学療法士のYoshikiです! 今回は臨床で着目されている内側広筋斜頭について記載していきたいと思います。内側広筋斜頭が「なぜ?」臨床で着目されているのかというと... ・膝蓋骨の内側安定性を高める ・膝関節最終伸展域で筋活動が高くなる ・膝蓋大腿関節症では、内側広筋が萎縮している などがあり、非常に重要な役割が多いからです。 なので、臨床において内側広筋斜頭を強化する介入が多く行われています。 ここで一つ疑問になるのが... 本当に内側広筋斜

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