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週刊!リハマガ! ~整形リハビリの考え方~

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2020年12月の記事一覧

その股関節屈曲制限の原因は前方?後方?側方? ~後方編~

皆さんこんにちは!理学療法士のYoshiki(@PtGekikara)です。 今回の記事では股関節屈曲制限を後方の因子の解剖学的な要因に着目して、考えていきたいと思います! 股関節屈曲により、後方組織は伸張される為、組織の柔軟性の低下による可動域制限が生じるということは想像しやすいと思います。 では、股関節後方に存在し、股関節屈曲可動域制限に関与する組織は何があるかを知る必要があります。 股関節後方にあり、屈曲可動域の制限因子となる組織としては、股関節後方関節包、筋肉

Sever病を考える

みなさんこんにちは!理学療法士のYoshiki(@PtGekikara)です。 今回の記事では小児の骨端症であるSever’s Disease(セーバー病)について記載していきたいと思います。 成長期や運動を頻繁に行っているお子さんに 「運動したら踵が痛い」「歩くと踵が痛くなる」 という訴えを聞いたことはありませんか?もしかすると、踵に炎症が起きている痛みかもしれません。 踵にはアキレス腱・足底腱膜が付着しているので、まだ成長して切っていない骨(骨端核)に持続的な牽

外側上顆炎 エコーでわかること

皆さんこんにちは!理学療法士のYoshiki(@PtGekikara)です。 今回の記事では外側上顆炎の画像診断装置として、第一選択になりつつあるエコーの有用性について記載していきます。 本題に入る前に、外側上顆炎について簡単に復習していきます! 外側上顆炎は短撓側手根伸筋の付着部(enthesis※)の障害や肘伸筋の共同腱の炎症、変性が生じる病態です。外側上顆炎はテニス肘、共同腱炎などの別の名称で呼ばれることもあり、人口の1.3%に発症すると言われています。 ※en

問診で8割決まる! ~問診の重要性~

皆さんこんにちは!理学療法士のYoshiki(@PtGekikara)です。 今回の記事は、問診の重要性について考えていきたいと思います。 突然ですが、みなさんはどのように問診を行っていますか? 「問診」の漢字の意味を考えると 「問」:物事について「たずねる・とう」という意味 「診」:「患者の症状をよく見る」という意味 当たり前ですが、問診はしっかりと聞いて(聴いて)、患者の症状をよく診るということになります。そして、得られた情報や患者の考え、キャラクターを考えて、

腸腰筋の教科書 ~解剖・機能・トレーニング方法つめこみました~

皆さんこんにちは!理学療法士のYoshiki(@PtGekikara)です。 今回の記事では、一般的にも知られるようになった「腸腰筋」について考えていきたいと思います。 腸腰筋は体幹と下肢を繋げる唯一の筋肉で、体幹の深層にある筋肉です。腸腰筋は体幹の運動にも関与しますし、股関節の運動にも関与する筋肉です。 腸腰筋は股関節屈曲作用を持ち、股関節伸展位では前方の安定性を高めたり、腰椎においても安定性を高める機能があります。 つまり、腸腰筋は身体の中心に安定性を与える筋肉で

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知らなくていい? 外側足底神経・内側踵骨枝・下内側枝

皆さんこんにちは!理学療法士のYoshiki(@PtGekikara)です。 前回の内側足底神経の記事と今回の記事を読んで頂くことで、足部の痺れの基礎的な部分は理解できるように作成していますので、是非こちらの記事もご覧いただくと嬉しいです! 今回の記事はさらにマニアックに足底の神経について深堀りしていきます!考えていく神経は外側足底神経、下踵骨枝、内側踵骨枝の3つになります! みなさんはこの3つの神経の解剖や障害された時の症状は分かりますか? なんとなく、足の痺れが生

足部アーチを見るうえですごく大切な考え方 ~lamina pedis~

皆さんこんにちは!理学療法士のYoshiki(@PtGekikara)です。 今回は足部アーチの基礎的な内容を復習し、足のバイオメカニクスについても少し考えていきたいと思います。 足部には両側合わせて52個の足根骨が存在しており、それぞれの骨が協調して動き、荷重支持や衝撃吸収を行っています。また、骨の動きを制動・足部を支持するために、多くの筋や靭帯が存在しています。 また、足部には特徴的な3つのアーチ構造が衝撃吸収・歩行の蹴り出しの効率化などの役割を担っています。簡単に

その股関節屈曲制限の原因は前方?後方?側方? ~側方編~

皆さんこんにちは!理学療法士のYoshiki(@PtGekikara)です。 今回の記事では股関節屈曲制限を側方組織に着目して、考えていきたいと思います! 股関節屈曲は矢状面の運動なのに側方組織も関与するの? 皆さんはどう思われますか? 私は十分に股関節側方組織が股関節屈曲可動域制限に関与すると考えています!私の経験(症例報告)も含めて、記載していきたいと思います! (以前の記事で、前方と後方の股関節屈曲制限の因子について記載しました!そちらも、ご覧ください!)

「足のここが痛いんです」「なぜ?こんなところが痛くなるんだろう💦?」それ、神経の影響かもしれません!

皆さんこんにちは!理学療法士のYoshiki(@PtGekikara)です。 皆さん、この記事の題名にもあるような経験をしたことがありませんか?クリニックに勤めている方は経験したことがあるのではないでしょうか? 代表的な足部の痛みの訴えとして ・踵の内側が痛いです ・足の内側に違和感があります ・小趾側が痺れている感じがします ・足が動かしずらいです ・走ると足が痛いです。今は大丈夫ですが... では、みなさんこのような主訴がある方に対してどのように対応されていますか

その股関節屈曲制限の原因は前方?後方?側方? ~前方編~

皆さんこんにちは!理学療法士のYoshiki(@PtGekikara)です。 今回の記事では股関節屈曲制限を前方の因子に着目して、考えていきたいと思います! 突然ですが、このような患者さんに出会ったことはありませんか? ~股関節の前が詰まった感じがして痛いです!これ以上は曲げれません~ 変形性股関節症を呈している場合、このような訴えがあることはわかると思うのですが、変形性股関節症が無いスポーツに従事している方や人工骨頭置換術後においてもこのような訴えを聞く場合があります

胸郭出口症候群 臨床所見・評価・介入

以前の記事では、胸郭出口症候群(以下:TOS)の疫学・リスク・原因につてい記載しました。今回の記事はその続きとなります。 5.TOSの臨床所見

胸郭出口症候群 疫学・リスク・原因

こんな症状はありませんか? 「洗濯物を高いところに干すと手が痛い、重たい」 「つり革を握れない」 「高いところに手を伸ばせない」 「手を挙げていると手がだんだん冷たくなる」 これは胸郭出口症候群の症状かもしれません! 胸郭出口症候群は女性でなで肩の方やオーバーヘッドスポーツ(野球・バレー等)を行っている方に多く発症します。 今回はこの胸郭出口症候群について私なりにまとめさせて頂きます。 1.胸郭出口症候群(以下:TOS)とは簡単に言うと 「肩~前腕の運動や感覚に関

肩関節周囲炎で上腕二頭筋長頭はどうして腫れるの?

みなさんこんにちは!理学療法士のYoshiki(@PtGekikara)です! まずはこちらの画像をご覧ください! エコーを見慣れている方はすぐに「上腕二頭筋長頭腱が腫脹している」「炎症が生じている」ということがわかる画像です。 この画像は肩関節周囲炎の方のエコー画像なのですが、肩関節周囲炎で疼痛が強い場合(特に前方部痛)、必ずと言っていいほど上腕二頭筋が腫れています。私の経験上、8割~9割は腫れがある印象です。 では、「なぜ?」こんなに上腕二頭筋長頭が腫れるのでしょ

足底腱膜炎?何か違うぞ...

皆さんこんにちは!理学療法士のYoshiki(@PtGekikara)です。 この記事は今までの記事とは異なり、私が実際に経験した症例をもとに、どの様に問診や評価、介入を行ったのかを記載していきたいと思います。 私の経験を皆さんと共有して、少しでもお役に立てればと考えています! 内容に入る前に、まず私が勤めているクリニックについて簡単に説明させて頂きます。 私が勤めているクリニックはドクターから処方箋が来るのですが、新患は必ず評価結果をドクターに報告する必要があります