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問診で8割決まる! ~問診の重要性~

皆さんこんにちは!理学療法士のYoshiki(@PtGekikara)です。


今回の記事は、問診の重要性について考えていきたいと思います。


突然ですが、みなさんはどのように問診を行っていますか?

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「問診」の漢字の意味を考えると

「問」:物事について「たずねる・とう」という意味
「診」:「患者の症状をよく見る」という意味

当たり前ですが、問診はしっかりと聞いて(聴いて)、患者の症状をよく診るということになります。そして、得られた情報や患者の考え、キャラクターを考えて、治療方針の決定に役立てます。


では...
・どのように聞いて(聴いて)?
・どのように症状を診ていけばよいのでしょうか?


今でも悩むことがありますが、新人の時代や全く変わった環境へ移動した際に問診のやり方は苦労しました💦


そんな方に少しでもお役に立てればと思い、この記事を執筆します!


この記事の内容は
・問診の進め方
・的確な訴えを聞き出す質問方法
・Active listening
・実際の症例を通した問診の方法


では、さっそく内容に入っていきましょう!


1.問診に入るその前に

問診に入る前に事前準備が必要になります。私は診断名以外に以下の情報を収集することが多いです。

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それぞれを確認する理由を簡単に記載していきます

・年齢:疾患によって発症年齢が異なるため
・性別:性差により発生しやすい疾患が異なる
・既往歴:捻挫の既往があれば、捻挫が再発しやすい
・職業歴:ブルー、ホワイトカラーにより発生しやすい疾患が異なる
・手術歴:評価に繋げる際に役立つ(固定術の場合は可動性の低下など)
・投薬状況:出血・転倒リスクを把握する
・血液データ:栄養状態、炎症状態を把握

私はざっくりとこのように考えて事前情報を収集しています。リスクが高い方や内科疾患を多く持っている場合はさらに詳しく情報を収集する必要があると思います。


※注意点
Red flags(重篤な病理の可能性を示す臨床的症状や徴候)がある場合は特に気を付けて問診をする場合があります。

医師の診察を通り抜けてくる場合もあるので、必ずRed flagsは頭に入れておく必要があります。

例)腰痛
・発症年齢が20歳未満、または50歳以上
・時間や活動性に関係の無い腰痛
・胸部痛
・がん、ステロイド治療、HIV感染の既往
・栄養不良
・体重減少
広範囲に及ぶ神経症状
・構築性脊柱変形(円背など)
・発熱


私の勤務先はクリニックなので、新患になると年齢と性別以外に記載していないこともあります。その場合は問診で確認するようにしています。


では、どの様に問診を進めていくのかに入っていきます!


2.問診の進め方

私は明るく挨拶をすることとマスクの下でも笑顔を作るように意識しています。これだけでも、患者さんの緊張感や話しやすさは変わると思います。


挨拶をして、「いざ問診!」と行きたいところですが💦何を聞けばよいかわからないということはありませんか?


それ以外であれば病院、クリニック、在宅といった環境により変化すると思いますが、困っていることを聞けばいいと思います。


私は整形外科のクリニックに勤務しているので「痛み」について聞くことが多いですが、呼吸器であれば「呼吸苦」、内科であれば「倦怠感」、在宅であれば「できない、もしくはやりにくい動作」などを確認すると良いと思います。


ですが、問診の際に言葉の使い方については注意してください!


言葉の使い方?

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言葉の使い方(選び方)は重要です。言葉を間違えるまたは不足すると、得たい情報が得られずに時間だけが過ぎていきます。


では、どのような言葉を使えば、得たい情報を得られる可能性が多くなるのでしょうか?


2.的確な訴えを聞き出す方法

Open questionとClosed questionはご存知でしょうか?


Open questionは以下のような質問となります。

Q:何の動物が好きですか?
 A1:猫が大好きなんです。
 A2:虫類なら何でも好きです。
Q:どこが痛いですか?
 A1:膝が痛いです
 A2:肩が痛いです


Closed questionは以下のような質問となります。

Q:動物は好きですか?
 A1:はい
 A2:いいえ
Q:膝の内側が痛いですか?
 A1:はい
 A2:いいえ

どちらも、動物や痛みについて聞いている質問ですが、Open questionの場合、相手は考えを自由に話してくれています。逆に、Closed questionは「はい」か「いいえ」で答える形となり、答えの範囲を限定でき、相手を不要に悩ませない言葉選びとなります。

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このOpen questionとClosed questionと言葉の使い方をどのように選択するかが、自分の得たい情報を引き出す際に大切だと考えています。


手っ取り早く、Closed questionだけを使用すれば得た情報がすぐに得られると思うかもしれませんが、それだと少し足りない情報も出てきます。


Closed questionだけを用いて、変形性膝関節症を例に問診をしていきましょう!

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