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生まれて初めて買った写真集 安田章大『LIFE IS』感想

2020年9月24日、関ジャニ∞ 安田章大初のソロ写真集『LIFE IS』が発売された。
先日のnoteにも書いたが僕は35年間、写真集と呼ばれるものを買ったことがない。この日生まれて初めて、推しの写真集というものを買った。

※多くの人に読んで貰いたい為、メンバーの皆様の呼び名を敬称略及び普段の呼び方で書かせていただきます。また、写真集の感想及び内容を文章で書くためネタバレになる可能性がございます。ご了承ください。

いよいよ迎えた写真集発売日、しかし……

写真集発売前にヤスくんは様々な媒体に出演し、プロモーション活動をしていた。僕も出来る限りチェックし、ヤスくんの写真集に込める思いを受け取ろうと必死だった。そして迎えた発売日当日、僕は書店にて予約していた写真集を購入し、家に帰ってすぐに封を切った。そこから30分ほど、無言で写真集と向き合った。

しかし正直なところ写真集を見て、ヤスくんが伝えたいことがあまり理解することが出来なかった。もちろん写真を見てヤスくんの表情が悲しそうだとか、カッコイイ!とかいうのはわかる。特典で付いてきた入院中の写真のブックレットなんかは当時のリアルな状況が伝わってくる。けれど肝心の本編で掲載されている写真に込められた思いや、表現したいものというのがイマイチ汲み取れなかった。これは困った。ヤスくんの気持ちを理解したい、しかしわからない、どうしたらいいのか?
そこに救世主が現れた、僕の妻だ。妻は長年ライティングや本の編集者をやっている。妻に写真集を見せて解説してもらおうと思い、お願いして、ヤスくんが表現したいであろうキーワードを書いて付箋に貼ってもらった。妻よ、愛している。これでヤスくんが言いたいことがわかる!

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写真集から感じるヤスくんの気持ち

妻の貼った付箋を見ながら写真集をまた読みこむ。文字があると内容がどんどん入ってくる。僕はすぐに泣きそうになってしまった。
もちろんこれは妻が書いた文字であるし、ヤスくんの本当の気持ちとは少し離れているかもしれない。しかしヤスくん自身が、文字を使わない写真集という形をとっている。人によって見方が変わる作品を作りたかったのではないかと、僕は思う。これから書くことはあくまで僕個人の思いであり、僕だけの感想だ。とあるファンの独り言として読んでくれると嬉しい。

(文字だけで書いていくので、写真集を開きながら読んでもらうとわかりやすいかもしれない)

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この写真集は、ヤスくんが病気になった自分と向き合い、これまでの「アイドル安田章大」から「等身大の安田章大」として生きていく過程が描かれていた。

最初のパートは病気になった自分と向き合うまでのシーンだ。ヤスくんの切ない表情、諦めたような表情、寂しそうな後ろ姿、遠くに歩いていく姿。生と死のはざまにいるような、「死」に向かっていくような写真が続く。

そしてシーンは変わる。

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雪の中に文字が書かれた写真がある。「死」という現実から少し遠ざかるような印象。

ここからは、真っ暗闇を背景に、何かを祈る写真、諦めたような表情をした写真、ピントがぶれている写真、といったページが続く。最後には一点の光が見えてくる。ヤスくん自身、自分のことがわからなくなり、様々な葛藤の中、何か一点の光を見つけたのだと思う。死という恐ろしいものが垣間見える、真っ暗な闇をさまよっている中で……。

次のページでヤスくんはまた外に出る。雪が止み、閑散とした景色の中で、凛とした表情のヤスくん。何か覚悟を決めたような顔。きっと彼は色々な感情を乗り越えて、「生きる」ということに決心したのだと思う。

特に、空一面の真っ青な空の写真は自分自身が「生きている」ということを噛み締めているような絵だと思った。

景色が代わり今度は「アーティスト 安田章大」の写真が出てきた。「関ジャニ∞ 安田章大」なのかもしれない。しかしその後の写真では、ゴミだったり捨てられたガラクタのような写真が続く。その後の動物の骨も含めて「死にゆくもの」達の写真が散りばめられている。印象的なのはヤスくんが動物の頭蓋骨をもってこちらを見つめている写真だ。彼はなにかを捨てようとしている、そう感じた。

ヤスくんはもう一度、自分自身と向き合う。何かから身を守るように体をひそめたり、きっとここでも苦しい感情や、痛みもあったのかもしれない。

夜空に光る流れ星。宇宙にも見える空の中に小さく光る流れ星は、向き合った中で見つけた希望。

希望を見つけたヤスくんは、火を付けた骨に囲まれながら寝ている。その炎は大きくなり何かを燃やし尽くしているようだ。きっとそれはヤスくんが捨てると決意した、IDOL(アイドル)という偶像だろう。本来の自分とは違う、何かが違うと違和感をもっていたアイドルの安田章大を捨てたんだと思う。

ここからは「生」をテーマに美しい写真が続く。
馬との写真はまさに美しい生を表現している。その後は新しい、それでいて本来の安田章大が生まれる。雪の中に赤い衣装でいる写真だ。白い背景の中に赤という色は異質な存在だが、きっとそれはヤスくんが自身に感じた「自分が異質な存在である」という事実を表現しているのではないだろうか。世界に対してなのか、アイドルに対してなのか、『関ジャニ∞』に対してなのかもしれない。とにかく彼は異質な存在だ。それらを全て理解していながら、何も取り繕うことなく今の自分自身を表現している。何もかもさらけ出したヤスくんはカッコ良すぎた。

夜は明け、生に満ち溢れた描写でこの写真集は終わる。

最後にあとがきでヤスくんが自分の気持ちを語っている。
病気になった自分、IDOLでいるということ、ありのままの自分になるために様々な思いがあったこと。「Life size=等身大」。ヤスくんの優しい言葉たちで綴られた「助け合いたい」という強い気持ち。

僕はあとがきを読んだ後うまく言い表せない感情に包まれて泣けて仕方がなかった。もしかしたらヤスくんは、決して言葉にはしないけれど苦しい闘病生活の中「死にたい」と考えたことがあったのかもしれない。彼の壮絶な、そして理知的な気持ちの流れに、息が詰まる。もう35歳のおじさんだというのに声を出して泣いた。

ヤスくんはこの写真集を出すまでに、相当な覚悟と決意が必要だったのだと思う。

「等身大」という言葉の意味を理解出来た。


写真集のテーマは「生と死」。ヤスくんが病気になった時どういう気持ちだったのか、どんな葛藤してきたのか、生まれ変わった時の心境、新しい安田章大とはどんな存在なのかをほんの少しだけ理解することが出来た。

もちろん僕はヤスくんではないし、大きな病気をしたこともない。ましてや国民的アイドルグループ『関ジャニ∞』としての重圧を背負って生きたこともない。けれど同世代の男性として、ヤスくん自身が語った「等身大の自分」という言葉をしっかりと受け止めることができたと思う。

きっとこれから先ヤスくんを応援していく限り、何度もこの写真集を開く。見るたびに表情が変わって、ヤスくんへの思いも変化する、そんな気がする。

それから、ヤスくんファンのひとりとして、僕自身も等身大でありたいと心から思った。仕事も、遊びも、自分という人間ときちんと向き合って、さらけ出して生きていきたい。苦しい事があっても、前を見て粘り強く生きて行きたい。ヤスくんは写真集を通して僕にそういった感情を与えてくれた。いや、授けてくれたのかもしれない。

ヤスくんはやっぱり、僕が一番尊敬するスターだ。諦めないでくれてありがとう。写真集という形で気持ちを伝えてくれてありがとう。関ジャニ∞をやめないでいてくれてありがとう。生きていてくれて、どうもありがとう。

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僕の感想は以上となる。これを読んで、「ヤスくんの写真集について『自分だけの感想』を書こう!」と思ってくれる人がいれば嬉しい。