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「中田敦彦のYouTube大学」の書籍をクイズで紹介(その2)

はじめに

この記事は、
◯ クイズスレの感想戦(2020年4月25日開催「サン・ジョルディH」
「中田敦彦のYouTube大学」で取り上げられた書籍の紹介
という2本を兼ねよう、という試みの「その2」です。

「その1」では、50万人登録を達成した頃まで、『歴史』と『文学』を中心に10問のクイズをご紹介しましたが、「その2」ではその続きを振り返っていこうと思います。

(参考)記事を読む際の注意事項
問題群は全て「ウィキペディア穴埋め」形式です。
※作問当時(2020年4月)の情報であるとともに、あまり裏取りもしていませんので、内容の正確性等についてはご留意下さい。

3.100万人登録(文学→現代社会編)

※「その1」からの通しで、項目番号を振らせてもらいます。

・「2.」では漱石、三島、芥川、太宰といった“文豪ボスラッシュ”といった感じで、『人間失格』などに代表されるように、どちらかというと極めて「ヘビー」な内容の小説の紹介が中心でした。

・ここからの2小説は、比較的、ファンタジーと言いますか、子供にも読みつがれてきたような作品が続きます。その1作品目は、(タイトルは)ご存知『銀河鉄道の夜』です。
・ただ、漫画『銀河鉄道999』などと混同されたり、物語の時代背景(100年近く前)で理解しづらいものが多かったり、と、『読んではみたけど、良く分からなかった』という経験の多い作品を選んでいるあたりは、これまでと同様です。そんな大正時代チックな内容から一つクイズ。

【 11問目 】
ザネリ
ジョバンニの同級生。仲間と共に「お父さんから、【 何 】の上着が来るよ」と言ってジョバンニをからかう。

【 正解 】らっこ

・問題文は少し抜粋していますが、『ジョバンニ』という単語から、作品名を推理して欲しいというコンセプトです。
・ただ、更に、『らっこの上着』が、何故からかいの言葉になるのか、あっちゃんも動画内で本音を吐露していましたが、それが難しさの大きな要因の一つでもある作品。クイズとしても、作品をしっかり読んでいなければ、これは想像もつかないという問題でした。
※作品のカギの部分、ちゃんと知ってる? という問題が増えてきます。勿論、作品を読んでいなくても(私のように)、動画を見ていれば答えられるはずです。

・次の問題は、まずはノーヒントで問題文を先にご覧頂きましょう。

【 12問目 】
2008年3月15日付『ラ・プロヴァンス』に、
当時Bf109のパイロットだったホルスト・リッパート曹長が
【 誰 】の偵察機を撃墜したとする証言が公開された。

彼自身も【 誰 】作品の愛読者だといい
「長い間、あの操縦士が彼では無いことを願い続けた。
 彼だと知っていたら撃たなかった」と話していた。

【 正解 】サン=テグジュペリ

・先に問題解説をすると、『ラ・プロヴァンス』がフランス、「Bf109」がドイツであり、第二次世界大戦を指していることを読み取って欲しく、その上で、ドイツの曹長がフランスの偵察機を撃墜させたことを、こうした発言で65年後に振り返っている。
→ 空欄が「フランス人作家」であることを読み取って欲しい問題でした。

・正解は、この曹長に限らず、世界的に読み親しまれているサン・テグジュペリ。あっちゃんが紹介した小説は『星の王子さま』です。

・この2作品から浮かび上がってくるのは、『しくじり先生』というテレビ番組、あっちゃんがYouTube大学を始める源流となった番組の一つです。
・ゴールデンタイム放送期の後期になると、本来の番組コンセプトから離れて、あっちゃんの授業の好評っぷりから特別編などとして『文学作品』を取り上げる機会ができ、そこで取り上げられた中でもとりわけ高評価だったのが、『銀河鉄道の夜』や『星の王子さま』でした。

・2作品の紹介動画のタイトルは、2020年度に入って簡素化されましたが、もともとのタイトルには『しくじり先生リバイバル』と明記されてました。そのことからも、テレビ番組で得た手応えを、新たにYouTubeという場で広げようとする姿勢が見て取れます。

・と、ここで文学が一段落します。クイズのコンセプト的に『文学・書籍』を取り上げる企画なので、次の文学パートまでかなり間があきます。
・その間に100万人登録を突破する訳ですが、あっちゃんが何に関心を向けていたかというと、『エクストリーム現代社会』と題される以下の項目。

政治系(選挙、憲法改正、原発、消費増税)
エクストリームイノベーター(対談企画)
IT系(AI・人工知能、5G、ブロックチェーン、仮想通貨)
世界情勢系(米中貿易摩擦、日韓関係 etc)

・この中だと、「5G」の動画が500万近い再生数を記録する一方、日韓関係の動画では「低評価」が高評価を上回ると共にネットで『炎上』し、ネットニュースで取り上げられました。

・あまりこのパートからクイズを今回作らなかったのですが、『東南アジア現代史』のパートから、1問だけ出題しました。それがこちら ↓

【 13問目 】
【 どこ 】は、東南アジアに位置し、……
60以上の小規模な島々からなる共和制国家。
 
……報道の自由が制約され、一党支配で独裁政権である一方、経済的に豊かで表向きには華やかなことから『明るい北朝鮮』と論評されている。

【 正解 】シンガポール共和国

・ここまで約10問がガッツリ文学系だったのに対して、唐突に本要素が無くなったのですが、「中田敦彦のYouTube大学」が裏テーマだったと分かると、全く唐突だった訳ではないと理解してもらえると思います。
・私は、新聞でも「国際面」を読み飛ばしがちなタイプだと自認するほど、特に世界情勢に疎かったので、各国の概要を知る入り口としては良かったですし、この『明るい北朝鮮』というフレーズが妙に頭に残っていたので、クイズとして出題させてもらいました。

2019年を振り返る2ndチャンネルの動画 によれば、『香港デモ』の時に、当初からの目標だった100万登録を突破することとなります。それが2019年9月のこと、チャンネル設立から4か月あまりというタイミングでした。

4.100万到達後(哲学・思想編)

・あっという間に100万登録を突破する一方で、ネットでの批判に晒され、授業動画のコンセプトなどを『このままで良いのだろうか?』と思い悩んだあっちゃんは、徐々に哲学・思想パートへと入っていきます。

・その転換点となったのが、歴史モノに回帰した『古事記』編です。

【 14問目 】
『古事記』は『日本書紀』とともに後世では「記紀」と総称される。内容には一部に違いがあり、『日本書紀』のような勅撰の正史ではないが、『古事記』も序文で【 何 】天皇が、
   撰録帝紀 討覈舊辭 削僞定實 欲流後葉……
と詔したと記載があるため、勅撰とも考えられる。

【 正解 】天武天皇

・再生回数的には、「【古事記①】日本の神話が面白い 〜日本の成り立ちを知っていますか?〜」が、「日本史編①」とほぼ同数(300万再生)を誇ります。
・ただ、「【古事記④】日本の神話 最終話 〜日本人が知らない空白の歴史に迫る!〜」が、記紀を知る入り口として面白いのでオススメします。

・『古事記』の後、『ギリシャ神話』の動画が10本連続しますが、その間に久々、文学から西洋モノとしてシェイクスピアの『マクベス』が入ります。

【 15問目 】
マクベスは one of woman borne(女が産んだ者)には倒されないという予言を受け、自らの不敗を確信する。……
しかし born (borne は古い綴り) には「自然の」という意味もあり、one of woman borne は「女が(自然に)生んだ者」とも解釈できる。これにより、【 何 】で生まれたマクダフは予言から逃れられるのである。

【 正解 】帝王切開

・マクダフがどういう存在として登場するのかについては、動画をご覧頂ければと思いますが、クイズの正解を導くための情報は、『マクベス』の物語を一切知らなくても良いように散りばめたつもりです。
・英語の言葉遊び的なニュアンスも、このWikipediaの説明文に簡潔に纏められていると思い、問題文に採りました。

・と、このギリシャ神話が終わってから、動画のジャンルに統一感が無く、文字通り「迷走」と言いますか、迷いが明確になってきます。

・eスポーツ
・YouTuber・ラファエルとの(初)コラボ動画
・年金2000万円問題
・大麻・危険ドラッグ
・西洋哲学史
・お金の授業

・このうち、「西洋哲学」は、『学校で勉強したけど良く分からないから教えて欲しい』との声がコメント欄に多かったことを受けての授業です。
・こうした流れから、一気に、日本・東洋思想パートに舵が切られます。

【 16問目 】
『君たちはどう生きるか』は、吉野源三郎の小説。
【 何 】君は友人たちと学校生活を送るなかで、さまざまな出来事を経験し、観察する。各章のあとに続いて、その日の話を聞いた叔父さんが【 何 】君に書いたノートという体裁で、「ものの見方」や社会の「構造」、「関係性」といったテーマが語られる、という構成になっている。

【 正解 】コペル君

・昭和・平成・令和と子どもたちに考える機会を与え続けてきた名著『君たちはどう生きるか』。丸メガネをかけた少年を表紙に、漫画版が200万部を突破し書店でも良くみかけたこの作品は、あっちゃん曰く、
『これは、なんと、一言も哲学という言葉を出さずに、哲学を教えてくれた日本の書籍なんです。それがかつて出され、今もベストセラーになった』
訳です。全ての学問の源流とされる『哲学』として次に向かったのが、中国哲学の『孫子の兵法』でした。

【 17問目 】
第二次世界大戦後は『孫子』が復権し、教養ブームに乗って広く読まれるようになり、自衛隊では第二次世界大戦敗因への批判的分析から孫子の兵法は【 誰 】の『戦争論』と対比される形で研究されてきた。

【 正解 】クラウゼヴィッツ

・僅か漢文6,000文字、十三篇の『孫子』。2,500年近く経った今、何故、ビル・ゲイツや孫正義を始め、現代にも読まれているのか。動画であっちゃんが解説していますが、太平洋戦争で日本が敗戦したこととの関係性についても、関心する部分があったので、こういうクイズにしました。

・『孫子』に続いて、あっちゃんが取り上げたのが『論語』でした。
・ただ、原典ではなく、かつて偉人伝で紹介した渋沢栄一との繋がりから、この書籍を取り上げ、『中田敦彦史上No.1書籍(当時)』となりました。

【 18問目 】
道徳経済合一説
大正5年に『【 何 】』を著し、「道徳経済合一説」という理念を打ち出した。
幼少期に学んだ『論語』を拠り所に倫理と利益の両立を掲げ、経済を発展させ、利益を独占するのではなく、国全体を豊かにする為に、富は全体で共有するものとして社会に還元することを説くと同時に自身にも心がけた。

【 正解 】『論語と算盤』

・クイズ単体として見ると、「道徳経済合一説」が“渋沢栄一”と結びつく考え方だということを知っていないといけない二段構造で、やや難かも知れません。ただ、『論語』という書籍名は問題文中に明示していますし、経済に関する説明文も散りばめていますから、何とかギリギリ推理可能なラインかなと思って出題しました。

・あっちゃんは、この書籍を通じて“自分の天命”を知ったと語っています。

中田敦彦の天命とは、『教育をエンターテイメントとして届ける』こと。
・渋沢から学んだこと:「得たものをみんなに返す」こと。

・であると。
 それで行くと私は、『クイズとして届ける』ことが、クイズスレの作問のアプローチの一つであると考えています。

・と、あっちゃんが『中田敦彦史上No.1書籍』だ! と紹介した翌週には、『記録更新』と言いますか、『同率1位』の書籍が登場してしまいますww(ある種、潔いとも思いますがww)
・それが『老荘思想』です。
 おさらいすると、『論語』が孔子、『老荘』は老子と荘子です。

【 19問目 】
諸子百家とは、中国の春秋戦国時代に現れた学者・学派の総称。
「諸子」は孔子、老子、荘子、墨子、孟子、荀子などの人物を指す。
「百家」は儒家、【何】家、墨家、名家、法家などの学派を指す。

【 正解 】道家(どうか)

・古今東西、多くの思想家が居ますから、それぞれを知って、自分の好きな思想や思想家、或いは好きな部分をつまみ食いするのも良いかと思います。

・中学時代から老荘思想派な私から見ると、あっちゃんは『論語(と算盤)』のまま突っ走った方が良いと感じました。
・現に、200万人目前で登録者数を再び公開し、2020年度中に300万人を目指すと公言する心境は、どちらかというと「帝王学」チックかなぁ、とか考えつつ。

・その後も、2019年秋は、古今東西ところ狭しと授業を展開していきます。

・各国史(アメリカ史、イギリス史)
・芸術系(レオナルド・ダ・ヴィンチ、歌舞伎、ゴッホ)
・コラボ(乙武洋匡、テリー伊藤)
・IT系(シリコンバレーロケ、キズナアイ コラボ動画)
・日本史(神社とお寺、仏教と神道、日本紙幣史、千利休、新選組)

・その中で、2020年に繋がる話題としてバズったのが、『創価学会』の動画。こちらは500万再生に近い回転を誇っています。
・同じく現代社会的なネタであり、偉人系で初めて戦後に活躍した人を取り上げたこととなったのが、20問目(本記事ラスト)のこの人物。

【 20問目 】
【 誰 】……
評価
・竹下登「碁とか将棋とかと同じように政治に天才があるとすれば、政治勘みたいなところでは……間違いなく天才であった。」
・石原慎太郎 「あの人が商売の天才だったことは間違いないね。たんなるカネ儲けの才能だけじゃなくて、人を見る目、人間観も鋭い。彼ほど先見性に富んだ政治家はいなかった」

【 正解 】田中角栄

・石原慎太郎氏が『天才』という作品で田中角栄氏を取り上げたことは、クイズスレでも出題歴がありますし、動画内でも触れられていたので、問題文中に散りばめた『天才』と『政治』のキーワードが見えれば、答えるのはそこまで難しくなかったんじゃないかなと判断しています。

「その2」おわりに

・登録者数100万人を突破するも、ネットなどからの批判を受け思い悩み、登録者数を非表示に。文学から現代社会を経て、哲学・思想編を経て、『天命』を知ったあっちゃんの2019年後半の葛藤を、クイズと共に振り返ってきました。

クイズスレで2020年4月25日に開催した企画的にも、この20問目が、全体40問中の折返し地点(前半戦)になるので、「その2」はこの辺で。

Rx「次回『その3』でお会いしましょう。 ではまたっ!」


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