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中田敦彦のYouTube大学 ~世代間(ジェネレーション)ギャップ 編~

【はじめに】
この記事では、2021年12月11~12日に「中田敦彦のYouTube大学」にアップされた「Z世代」の授業(動画)に先立ち、それより遥か昔にも存在していた世代間(ジェネレーション)ギャップに関する動画を紹介していきます。

(2021/12)『Z世代』
~次世代のニーズを取り込めない前世代は淘汰~

いきなりですが、その「Z世代」の授業(動画)のまとめから入りますね。

X・Yとかいう世代の名称を外して「一般化」した表現にします。要するに、

「次世代のニーズを取り込めない前世代は淘汰されてきた」

26分55秒(前後)

という結論に至ります。これは至極当たり前のことで、皆さんも言われれば当然のことと思うでしょうが、少なくとも歴史的にはうまくいかないことばかりなのです。若者が上の世代と衝突するという構図は、太古の昔から人類は経験してきたはずですね。

では、結論部分を先に紹介してしまいましょう。27分半ぐらいからです。

でも、我々は、上の世代から迫害され、そのうえでサービスを我々に向けてパーソナライズされないことをストレスに感じていたし、それがうまくいかなかった企業がうまく行かなかったことを見てた訳ですよ。

だとしたら何故、我々の世代は下の世代をリスペクトし、耳を傾け、ライフスタイルに合わせた商品やサービスを提供しないんですか?

ジェネレーションが変われば時代は変わる。時代が変われば商品もサービスも変わる!

当たり前の事ではあるんですが、いざ、若い頃に反発してきた「上の世代」に自分が立つと、“二の舞を演じ”てしまう。
そのことに気づけるだけでも、最初にお示しした動画は、見る価値があると思いました。


(2019/12)『サピエンス全史』
~他の人類を滅ぼして残っている種族~

我々:“人類”を、『他の人類を滅ぼして残っている種族』と語るところからスタートする動画が、『サピエンス全史』です。

「Z世代」の動画のちょうど2年前(2019/12)にアップされました。私も「未来予測」の記事の冒頭にこの動画を簡単に紹介していますが、(↓)

他の種族を滅ぼして生存してきた人類の一種類である「ホモ・サピエンス」という生い立ちからして、「次世代が前世代を淘汰」する構図なのですね。

【サピエンス全史②】貨幣も国家も宗教もこの世界は全てフィクション

上巻で、人類が「認知革命」を得て、他の人類を滅ぼすほどの結束力を手に入れるまでを紹介。そして、下巻では、貨幣・国家・宗教といったものも、あくまでフィクションに過ぎないという気づきを与えてくれます。

・所詮は「紙」でしかない紙幣に価値があると社会全体という集団で信じ切っていること……の方が、実はおかしいのでは?
・「日本人としての誇り!」などという感情の根源は、どこから来るのか。実は、国家は人が作ったストーリーでしかない。
・「宗教が実はストーリー」なのは何となく理解できる人も多い。しかし、それと貨幣や国家が同列に扱われることの「気づき」がこの本の特徴

2本目の動画の中盤の私的(Rx)要約

唯一の人類として「ホモ・サピエンス」が制圧して1万数千年。それからも「淘汰」の歴史は続いています。ここからは、日本の文学を通じて見ていきましょう。

(2021/11)『方丈記』
 ~古代から中世へ:日本最古のミニマリスト~

気づけば、「Z世代」の前月にアップされた『方丈記』も、この類ですね。

賀茂御祖神社(下鴨神社)の神事を統率する禰宜の次男として産まれるも、若くして父親が没して後ろ盾をなくし神職としての出世の道が閉ざされる。更にそれと前後して、幾つもの大災害を経験。

最終的には、閑居生活(“山奥ニート”的であり、“ミニマリスト”の走り)をするに至り、『方丈記』の名の由来となる「方丈庵」で自由気儘な生活へ。

これらは、ある意味で「厭世」的でありますが、従来の価値観からの脱却と決別を意味しているとも言えます。常識を疑い、自分のスキを突き通すものです。

(2021/07)『老荘思想』(Rxまとめ記事)
~常識/価値観からの脱却~

この方丈記の精神などをまとめたのが、私(Rx)のまとめ記事である『老荘思想』編ではないかと思います。

常識や価値観を疑い、そこから脱却をするという根本思想は、時代を超えて存在するものであり、古代であれば『方丈記』ですし、中世であれば『千利休と丿貫』かも知れませんし、現代であれば「山奥ニート」や「東京90万円ハッピーライフ」かも知れません。

“古い”と思える常識や価値観からの脱却については、近現代の文学作品から見ていくことにしましょう。


(2019/06)『こゝろ』~明治から大正へ~

近代文学で最も売れている小説の一つが、夏目漱石の『こゝろ』です。私も高校時代に読まされた 読みましたが、「面白さ」の一つをあっちゃんはこう語ります。

明治天皇崩御と乃木希典の殉死
~封建的道徳 → 西洋的個人主義~


夏目漱石は、「明治時代にケリをつける」ことをテーマに、小説『こころ』を書いた。これは単なる「先生のラブストーリー」ではなくて、「先生のラブストーリーに、明治時代と大正時代の移り変わりを落とし込んだ作品」

だからこの作品の最も面白いのは、
現代の人が読んでも理解できないという現象
だ。

2本目の動画の16分あたりから

古代・中世から武士が台頭し、江戸時代に入って「儒教/朱子学」が一気に広まりを見せて迎えた明治時代。その終焉を印象づけた出来事こそが、明治天皇の崩御であると共に「乃木希典の殉死」。しかし現代人は「乃木希典の殉死」を理解することが出来ない。
まして、江戸時代に語られた「赤穂浪士の忠臣蔵」などでの仇討ち/敵討ちや、幕末の「新選組」を本当の意味で理解することは不可能でしょう。

これ(乃木希典夫妻が殉死し、それを写真に収めることが正式な作法なんだという価値観)が分からないということが、「時が流れたこと」と、「この国の歴史」というものを強烈に示している。
それが一番売れてきた本、ということ自体がすごく面白いんだと思います。

2本目の動画の17分半あたり

(2019/07)『人間失格』
~何を信じればいいですか~

明治・大正・昭和と移ろう近代日本の文豪達を総括するかのように、太宰治の『人間失格』の動画の最後には、この「ジェネレーション・ギャップ」の観点の“まとめ”のような分析がありました。

いずれも、2019年度にあっちゃんが文豪の重たい名作シリーズで取り上げた3作品と3人の文豪を時代ごとに区分し、次の図とともに紹介しています。

そして、19分30秒辺りから、これらの文豪や文学の悩みの纏めに入ります。

それこそ『何を信じればいいですか』という根源的な問いです。『こゝろ』も『人間失格』も「一番信じれるものの軸がない」というストーリーの作品なのです。

原始的な信仰から仏教が伝来し、古代・中世にかけて新たな仏教が根付き、キリスト教伝来と為政者からの迫害を受け、近世に入ると儒教が大きなウェイトを占めるようになり、近代に入って「神道」が加速。そして敗戦後は、GHQによって「国家神道」の廃止が命じられ、現代に至る。時代とともに、メインストリームとして信じられるものが変わってきた日本において、

日本人のこの文学を見ると、日本人に何かずーっと無いのかを浮かび上がらせてくれる問題提起になっているんじゃないでしょうか。

21分20秒頃から

と、あっちゃんは締めくくっています。


【おわりに】

少し文学の話題が長くなりましたが、上に示したとおり、文豪たちも時代の移り変わりに大きな影響を受けながら、その時代を『作品』として昇華してきたのだと感じます。

「前の時代との変化」を敏感に察知して、文学作品として見事に完成させたからこそ、文学史に残る傑作として語り継がれ、(現代では正確には理解ができなくなっているかも知れませんが、)読み継がれているのでしょう。

何も、「時代の変化」を敏感に察知できるのは『文豪』だけに限りません。そして、その察知した変化を『昇華』させるのは、何も文学作品だけではなく、貴方の手掛けるコンテンツだったり、或いは提供してる商品やサービスでも出来るかも知れません。

そう信じて「新たな時代」を的確に捉えていくこととしましょう。きっと、たった1つか2つかしか世代の違わないジェネレーションに対しては、互いに理解しあえるはずだと信じて。太古の昔から、人類はこうした営みを繰り返して来たのですから。(成功するか、淘汰されるかは今を生きる私達次第ということになるでしょう。)

それでは、次の記事でお会いしましょう! Rxでした、ではまたっ!


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