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こころの健康

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YeKuが作成した「こころの健康」に関するエッセイ記事をまとめます。
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#うつ

「うつ病って逃げでしょ?」と言われたら

こんにちは。 私は過去に不登校と引きこもりを経験し、双極性障害と診断されています。今日は、うつ病に対する誤解について、私の経験を交えながらお話ししたいと思います。 「うつ病って逃げでしょ?」こんな言葉を耳にしたことはありませんか? 最近は無いかもしれませんが、こうした心無い認識を持っている人はまだまだ多いです。私も以前、そう言われたことがあります。 しかし、私たちが本当に「逃げ」たいのは、社会ではなく、自分自身の内面に蔓延る絶望や痛みからです。 うつ病はただ気持ちが

うつ病は「心が弱いから」なるものではないことを示す研究結果

慈恵医大の研究班が、うつ病を誘発し得る特定のウイルス遺伝子変異を発見したそうだ。 この科学的な進歩は、うつ病に関する社会的な誤解を解消するための一歩となる可能性がある。うつ病が単なる「甘え」や「心の弱さ」の結果でないことを、遺伝子のレベルで明らかにしているのだ。 いまだに理解のない人々の間では、うつ病になる人は繊細なんだとか、心が弱い、あるいは甘えなんだという認識が横行しているように感じる。 しかし、うつ病は単なる心理的な問題にとどまらない。 脳は複雑な生物学的機構で

うつで休職した時に役立つお金の話

働けなくなったら、生きていけなくなるのでしょうか。いいえ、そんなことはありません。 金曜日はメンタルヘルスに関する記事を書くと決めています。 今日は「うつなどの精神疾患で働けなくなったら、金銭的にどうすればいいのか」について書きます。 日本は福祉制度の手厚い国です。様々な救済措置が用意されています。 傷病手当 自営業やフリーランスではない場合(国民健康保険ではない保険に加入している場合)は、手続きすることで、1年6か月の間、今までの収入の2/3を受給することができます

精神科に行ったら人生終わり、じゃない

精神科に行ったら人生終わりだよという言葉を聞いて、まだそんな印象の人がいるんだなと驚いた。 メンタルケアについて考えるとき、多くの人々が「気軽に精神科や心療内科を受診しよう」と思うことができればいいのになあ、と願うことがある。 現代社会では、肉体の健康と同じようにメンタルヘルスのケアも非常に重要だし、認知も増しているように感じる。しかし、精神科への受診は依然としてタブー視されたり、ある種の烙印のように思われているようだ。 ストレス、不安、うつ病などのメンタルヘルスの問題

なぜ、あなたが必要か。【自分には価値がないという感覚】

うつ症状がつらいとき、「私は誰の役にも立っていないんじゃないか?」「誰にも必要とされていないんじゃないか?」と本気で考えて絶望することがある。比較的能天気な私ですらそうなる。 うつ病の症状の一つとして、自己肯定感の低下があるけれど、それが行き過ぎるとこのように「私は必要とされていない」という自己無価値感に苦しむことになる。 うつ症状がひどい時は、社会参加にも影響が出ていたり、同居している家族にも支えられている場合が多いので、それを根拠にしてますます自己無価値観を深めてしま

うつ症状にも波がある

私自身はⅡ型の双極性障害で、したがって周期的な躁とうつの波に翻弄されている。 ※薬の効果で穏やかにはなっている でもそれとは別に、うつ期の中にも波があって、日によって少しマシだったり激うつと呼ばれるような状態に逆戻りしたりすることがある。今日はそれについて書く。 ただし、私自身は医療従事者ではなく、一当事者だ。 当てはまらない場合や、一般性に欠ける場合があるかもしれない。 それでも、体験談を書くことで、不安を抱えている当事者やその周囲の方の力になれればと思う。 「

うつ期の過ごし方

今までうつ状態がどういうものかについて色々書いてきたが、今日はうつ期のすごし方について書こうと思う。とはいえ私は医療従事者ではないので、当事者目線の話になる点にご留意いただきたい。 まず、前提としてうつ状態にも波があるものだ。例えばひどい時には本当に何もできないものの、比較的軽ければ何かできてしまい、逆にそれによって悪化するということもある。 うつ状態の時にまずすることは1に休養、2に休養、3、4が無くて5に休養だ。うつ状態では頭も回らくなるので難しいかも知れないが、いか

うつ病からの回復期に感じること

 今まで、何回かうつ病について書いてきた。  うつ病の辛さについては結構書いたと思うが、逆にうつ病から回復する時、どういう変化があるかについてはあまり書いていない。  例によって個人的な経験にはなるが、当事者や周りの方が希望を持てるかもしれないので、この機会に書いてみる。  うつ病の急性期というか、いわゆる激うつとか言われる状態では、何をやってもつまらないとか、何を食べても感じないとか、そもそも食欲もなければ身動きもできない状態になっている。  だからそれが回復してく

ベッドから起き上がれない時に役立つアイテム三選

 読者の皆さんも、本当に体調が悪い時、ベッドから起き上がれないということが多々あると思う。  私の双極性障害やうつ体験については過去色々と書いてきたのでここでは割愛するが、  うつがひどい時はベッドから1ミリたりとも起き上がれないという時が結構あった。そんな時に役立ったアイテムを三つ紹介しようと思う。  なお、これらのアイテムを使う前提として、介助してくれる家族などはいないものとする。 ストロー飲み口  まず一般的に、人間は何週間か食べなくても死なないが、水が飲めな

うつ病になりやすい性格の私

 うつ病になるリスクは誰もが抱えている。  一方で、同じ環境でもうまくストレスをいなし、うつ病にならない方もいる。  結論から言うと、うつ病になりやすい性格というのは、真面目で責任感の強い頑張り屋だ。  それは素晴らしい美点だ。でもそういう人は仕事でも人から信頼され、重要なポジションにいて、どんどん負担が増えると思う。私がそうだった。  この性格特性について、自分のうつ病経験から述懐してみようと思う。  振り返ると私は、客観的には完璧主義でおせっかいな上に真面目で責任

ヤバめのうつサイン4選

 あなたは最近、仕事や学校に行くのが辛いと感じていないだろうか。  それが五月病なのか、それともうつ病なのか。病院へ行くかどうかの判断に役立つよう、今回は、自分の経験から、特にヤバイうつサインを4つ挙げてみることにする。  「僕が/私がうつになるなんて」と思うかも知れないが、うつというのは、欧米では生涯で15%前後の人が経験する。日本では7%前後と低い(が、精神科に対するイメージが相対的に悪く、受診しない人が多い傾向があるように思われ、正確な数字か怪しい)。  7%前後と

うつの時、周りにしてほしいこと・ほしくないこと

 以前、うつや双極性障害について書いた記事が好評だったので、当事者目線から、うつ状態の時に、周りにしてほしいこと、してほしくないことを列挙してみる。  うつの人が周りにいて、どう接したらいいか分からない、という人に見てもらうと、参考になる可能性がある。  なお、私個人の観点で話すので、必ずしもすべてのうつ病・躁うつ病患者に当てはまるものではないが、ある程度一般性のある内容だとは思う。 うつの時してほしいこと 実は、うつ状態の時に当人がしてほしいことはあまりない。  何か

わたしのうつ体験

 やや双極性障害気味で、2回ほどメンタル不調による休職歴がある。  こちらの名越先生のyoutube動画を見ていて、いわゆるうつっぽい症状、抑うつ状態というものに対する個人的な体験を語ることが、誰かにとって役に立つのかもと思ったりもしたので、私のうつに関する体験を書いてみる。  私のうつは、長い夜と共にやってくる。  眠れなくなるのだ。  若いころから8時間は眠らないとどうしようもない、欲を言えば10時間は眠っていたい人間である。20歳くらいの頃は毎日21時には就寝し