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「もし高校野球の女子マネージャーがドラッガーの『マネジメント』を読んだら」を読んでみた②
マネジメントにおいて重要なことは「顧客」と「提供価値」を明確にし浸透させること
マネジメントにおいて最初にやらなければならないことは
「顧客」が誰かということと、
組織の「提供価値」を明らかにし、
組織に浸透させることである。
まずは顧客について話していく。
顧客はものを買ってくれる人だけがお客様なのか?
本書を読んでいくとそうではないということが分かる。
結論としては、それに関わっている人全員というのが顧客である。
例えば、学校の教員という視点で考えてみる。
まず顧客は目の前にいる生徒一人一人だろう。
またその生徒を通わせている親御様もお客様である。
また学校は地域社会とは切り離せない存在であるため、
学校の周辺地域も顧客であろう。
この場合、地域社会には学校を通じて地域貢献活動をしたり、
職場体験を通じたお店への貢献であったり、
地域行事のお手伝いであったり、
生徒が学校に通う際に使用する公共交通機関やコンビニエンスストア、
文房具屋さんなどを利用することによって貢献しているためである。
また国も顧客である。
未来の働き手を育んでいるため、
未来投資という形で国も顧客であると考えることができる。
このように顧客は目の前の人だけでなく、
その先にも顧客がいることを想定するべきなのである。
次に提供価値について述べていく。
この本より引用すると
一九三0年代の大恐慌のころ、修理工からスタートしてキャデラック事業部の経営を任されるにいたったドイツ生まれのニコラス・ドレインシュタットは、「われわれの競争相手はダイヤモンドやミンクのコートが。顧客が購入するのは、輸送手段ではなくステータスだ」と言った。この答えが破産寸前のキャデラックを救った。わずか二、三年のうちに、あの大恐慌時にもかかわらず、キャデラックは成長事業へと変身した。(二五頁)
と引用されている。
つまり提供する価値というものは、誰もが分かるものではなく、
意外とわかりにくいものなのである。
例えば先ほどの学校教員を例にしてみると、
生徒という顧客に対して提供する価値は、
「授業」という誰もが想像できるものではなく、
「授業を通して物事を多角的に捉え、自ら考え発信し、イノベーションを起こせるスキル」なんてことが出てきてもおかしくない。
ここまで明らかにしたら、これらを組織に浸透させるのが
マネジメントが最初にやらなければならないことである。
これをマネージャーはやらなければ、組織のメンバーに指示を振ったとしても
「なんで私がこんなことをやらなければならないのか意味不明」
と思わせてしまう恐れがある。
そしてそれは組織の顧客に正しく提供価値を与えることができないことー言い換えると組織を成果に結びつけることを阻害することーであるため、
そのような事態は避けなければならない。
まずは誰に何を提供するのか、ということを組織に徹底して浸透させることこそが
最初にやらなければならないことなのである。
続きは次の記事へ。
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