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自ら来たのか流れ着いたのか



夢があった。


正確に言うと、あった"はず" だ。


でも逃げたのは自分だ。


ふと、本当にそうするしかなかったのか考える。


考えるとまた苦しくなってくる。


そもそも僕が向かっていたそこは本当に行きたい場所(=夢)だったのか?


夢という不確かなものに向かっていた僕はいつの間にか前に進むことよりも溺れないことに必死になっていた。


そんな時にちょうど目の前に現れた島は心地良さそうに見えた。


いざ上陸してみたら本当に住みやすかった。


過ごして半年、ふと回りを見渡したら元居た場所から並行移動しただけだった。



思いきって泳ぎ始めた時に見たあの場所は、やっぱりキラキラしていた。


あの時と違うのは、僕がいるこのこの島以外、全てが輝いて見えること。


あんなに苦しくて飛び出したあの場所でさえ、今の僕には輝いて見える。


もう一度大海原に飛び込むか?


立ちすくむ自分に情けなくなる。


もう僕には溺れる勇気もないし、流れ着いた場所で新しい何かに出会うことにワクワクする歳でもない。


でも今見えるこの大海原も、未来の僕から見たら小さな池なのかもしれない。


27歳、会社員、お昼にふと考えたこと。



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