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「直観」のメカニズムとは?脳を乗りこなす3つの手法(ぼーっとするDMNの活かし方)

最近「直観」について考えることが多い。ブレーンストーミングをしても、一人でアイデアを考えるにしても、うまくできる人と、そうでない人がいる。自分個人で見ても、直感でひらめく時もあれば、そうじゃない日もある。これは何が影響しているのでしょうか?

最近意識している、「脳のうまい使い方」について整理してみます。

脳には3つの役割分担がある

一口に「脳」と言っても、実は3つのネットワークがあります。いわば役割分担があり、この違いを知っておくことで、より上手に脳うことができます。

1「デフォルトモードネットワーク」(DMN:Default Mode Network)

これは一言で言うと「ぼーっと」としている時の脳です。特定の事柄に意識を集中しない状態。ぼーっとしてても脳は活動しています。なんとなく、何かを考えたり、いろんなことが浮かんでは消えます。それとなく何かを考える。脱力しながら脳が働いている状態。自分の脳の記憶を辿ったりしているときに活性化している状態のことです。

2「セイリエンスネットワーク」(SN:Salience Network)

このイメージは「ひいたり寄ったり」するイメージ。大局的に物事を考える時の脳の状態です。一つ目のDMNと次に挙げるCENの中間的な役割を果たします。いわば3つの役割のハブとも言えます。大局観で物事を見る脳の状態です。

3「セントラルエグゼクティブネットワーク」(CEN:Central Executive Network)

最後がCEN。これは1つの目標を決めたり、いくつかの選択肢から1つを決定する時に活性化する脳の状態です。論理的に考えて、ジャッジする時に活性化します。問題解決や、総合的に見て打ち手を決める時に活躍します。


直観に関係するのはDMN!

これら3つの役割をアイデア「発想」から「選定」を経て「決定」するシーンで例えるならこんな感じです。

DMN:アイデアを100個考える
SN :大局的に見て3個に絞る
CEN:1個に決める

そこで冒頭のお話。「直観でアイデアがたくさん降りてくる」のに機能するのはDMN。つまり、ぼーっとしている時が一番、直観でいろんなアイデアが浮かびます。

クリエイティブな仕事をされているみなさんにはこの「ぼーっとする時間」が極めて重要なんですね。

あなたにとっての「哲学の道」はどこ?

京都に「哲学の道」という場所があります。大正時代に京都大学の哲学者が散歩したことから名付けられたそうです。哲学の道を歩きながら哲学の考えを深めたとか。これ、おそらくこの道を歩く哲学者にとって「ぼーっと」できる道だったんじゃないかと思います。

そこに行けば哲学の考えが深まる、と思いがちですが、「生活の中で見慣れた道」ということ。見慣れているだけに、刺激が少なく、歩きながらぼーっと考え事ができるということです。そう考えると、誰もが自分の「哲学の道」を持っているのではないかと思います。

私にとっては自宅から近くの公園までと、公園の中のランニングロードがそれです。これ以上なく「ぼーっと」できます。過去、ここを歩きながら頭が整理されたり、急に次にやりたいアイデアが浮かんだりしました。私にとっての「哲学の道」です。

そして、私は「このMy哲学の道に行けば必ずアイデアに出会える」と思い込んでいます。この「思い込む」というのが大切で、ある種自己暗示です。でも、そう思えば、思いは叶います。かなりの確率でアイデアが浮かびます。

こうした鉄板の「My哲学の道(言い換えるならDMNロード)」を持っておくと、とても便利です。困ったらそこに行けば何とかなる。そう思えるだけで余計な不安を排除することができます。このセーフティゾーンは心理的な大きな助けとなってくれます。

3つの脳を使い分ける

一旦、DMNを使って直観で浮かんだアイデアはメモしてストックしておきます。そして、次は選定のフェーズ。ここではSNが力を発揮します。いわゆる「大局観」で虫の目と鳥の目を行ったり来たりして、アイデアをいろんな角度から見ます。そして、グループにしたり、枠組みにはめて整理したりして、構造的にアイデアをまとめていきます。そして「筋のよさそう」なアイデアをピックアップします。

最後はCEN。これだ!と選ぶフェーズ。そこには論理的な思考が必要です。この時役立つのは「誰かと会話する」ということ。自分の考えは一人で整理するのは実はとても大変です。でも、「そのアイデアを人に説明してみて」と言われると、イキイキと説明できるアイデアと、ちょっと煮詰まってないんだけど・・・と思いながら話すアイデアがあることに気付きます。人に当ててみてはじめて気づく感覚があります。

また、誰かに話して、フィードバックをもらうことで、論理的にそのアイデアが優れているのかを理解できます。会話をする中で仮説が少しずつ裏付けられ、確信に変わっていきます。ビジネスに100点はありませんが、最終的に「これなら行けそうだ」という判断を下すことができます。

「アイデアを出すフェーズ」→「選定するフェーズ」→「決定するフェーズ」、それぞれで使っている脳のネットワークが異なることを意識し、そのネットワークが一番活性化する場所、働かせ方をすることで、アウトプットのレベルは飛躍的に変わります。


まとめ

創造性を生み出すためには「ぼーっと」したりブラブラしたりすることが重要ですね。この時に活躍している脳がDMN。そしてSNで絞り込み、人と会話しながらCENで最終結論を出す。

アイデアを出す段階を3ステップで捉え、「使うべき脳が違う」ということを意識すれば、今以上に生産性は上がります。

そして、何より意識的に「ぼーっと」する。これはとてもハッピーなことだと思いませんか。子供のころ「ぼーっとしてるんじゃない!」と怒られたりしましたが、クリエイティビティを高めるためには「ぼーっと」しなきゃいけないんです。「ぼーっと」できる歓びを噛みしめましょう。積極的に「ぼーっと」しましょう!(笑)

脳の中は自分では見えませんが、脳は「自分」という人間をつかさどる、最重要器官です。この脳のパフォーマンスを最大限に高めることが、あなたのパフォーマンスを最大化する近道です。

靴もスポーツによってランニングシューズ、ゴルフシューズ、バスケットシューズ、用途に合わせて何足も履き替えます。それは、その用途ごとに最大のパフォーマンスを出すため。脳も同じです。今、自分はどんな能力を発揮しなければならないのか。そのためには3つの役割のどの脳をフル活用すべきか。この意識を持つだけで、パフォーマンスは飛躍的に向上します。そして、無駄な脳の使い方も減り、ストレス軽減にもつながります。


今一度、「自分の脳の使い方」について考えてみましょう。

きっと、自分の知らない自分に出会えるのではずです。

あなたのパフォーマンスは今レベルではないはずです。

3つの脳を使いこなして、クリエイティビティあふれる毎日を過ごしましょう。


最後までお読みいただき、ありがとうございました!


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