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「目を閉じて。海が見えるよ。」耳たぶを包む指の形を覚えて


水の中に潜った音が聞こえる。

目を閉じて耳たぶを包みこみ
海に潜った光を想像する。

見たこともない海街の情景が浮かんでくる。

そうやって旅をしてみる。

不思議だ。

身体は、体感を知っているから
今何処に居たとしても
その感覚を思い出せるから。

そんな風に生きてきた事を確かめてみる。

そんな事が嬉しいと喜んでみる。

「目を閉じて。海が見えるよ。」耳たぶを包む指の形を覚えて

例えば
そんな感覚をあなたと分け合ってみたい。

悪戯に耳たぶを包み込む。
その指先の感覚まで覚えて、海からたどり着く景色は、小さな部屋。

そうやって人は、感覚を覚えていく。

それがあなたと出逢えた事になっていく。

そう言う風に
生きているこの時間を愉しんでみたいなと思う。


「目を閉じて。海が見えるよ。」耳たぶを包む指の形を覚えて

徳久 望



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