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文化の摩擦が生み出す心地よさ

「難民が私達の街を良くしたのよ」という、とても興味深い記事を読みました。ジョージア州のクラークストンという街は、過去40数年で4000人以上の難民をシリア、スーダン、エチオピア、イラク、ネパールなどから受け入れてきました。そして、彼らは自分達の地元の習慣や食事などの文化を仕事にしようと、難民と元の住人がお互いに手を取り合いクラークストンをとてもユニークな街に変えました。

クラークストンは1970年代に”ホワイト・フライト”と呼ばれる、白人の住人が少ない地域から白人の住人が多い郊外都市に白人達が移住するムーブメントのあおりを受けて、人口が急激に減少しました。しかしクラークストンに残った住人達は、これはチャンスだ!と開き直り、その後数十年かけて、有り余る空き家をベトナムやアジアの難民に貸し出し、クラークストンの近くに確実な収入につながる鶏肉加工の仕事を用意しました。

そして、難民再定住のエージェント達がクラークストンに注目しだし、世界中の難民家族が自分達の安全はクラークストンにあるんだ、と認識し始めました。1990年に5385人だったクラークストンの人口は、昨年12757人にまで増えました。現在、52.9%の住人は外国生まれだそうです。

難民達が、お寺やヨーロッパの伝統的な教会、イスラム教のモスクなどを街に建てたことで、街自体がとてもユニークになったそう。移民の子供達は地元の子供と一緒にサッカーをしたり、大学へ行くために勉強し、親達もクラークストンのローカルコミュニティのボランティアに積極的に参加する人が多いそうです。元の住人、移民、難民が手を取り合い、お互いに助け合ったクラークストンは、2006年から2015年までの間に、犯罪率が4.8%まで減少し、明らかに街が安全になっていました。

最近になり、アメリカではビジネスの場では多様性を受け入れて、それを支えた方が利益が上がり、良い結果につながることも証明されています。

アメリカは2016年に約20万人の難民を受け入れていますが、その一方で2016年の日本の難民受け入れ数は、わずか20人です。

日本にいると自分のアイデンティティについて考える機会が少いな、と思うことも多いのですが、アメリカの本や記事を読んでいると、様々な国の人のアイデンティティに触れられる機会があり、自分を見つめ直すきっかけになることもあります。日本の文化とそれ以外の国の文化、そのどちらも知ることがきっとクラークストンの人達のような素敵な価値観を作っていくのではないかと思います。


Bibliography :難民が我々の街を素晴らしくした。彼らを国に返すことは倫理的にあり得ない。

Bibliography :7個の研究が仕事場での多様性の価値を証明

https://blog.capterra.com/7-studies-that-prove-the-value-of-diversity-in-the-workplace/










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