今週消費した10のこと オレはTwitterを愛している/言論の自由とアルゴリズム
・イーロン・マスクがTwitterで取り組む5つのこと
イーロン・マスクが4月26日にTwitterを買収。
まさに「時の人」な彼がTwitterで取り組みそうな内容をまとめたガーディアンの記事を目にしました。
1・ドナルド・トランプのアカウント復活
2・規制環境強化
特にEU圏内ではTwitterだけでなく、Facebook 、Googleなども違法コンテンツの厳しい規制強化が求められています。
3・収益と登録者数増加
直近3ヶ月間の収益が+22%($1.6B およそ2050億円)だったにも関わらず、Q1の収益は予測を下回りましたが、デイリーアクティブユーザーは2500万人増加。
これを受けて、USとオーストリア限定のTwitterアカウントから広告を排除する有料プレミアムサービス「blue」の世界展開をする可能性大。
4・マネージメントの見直し
競争の激しいシリコンバレーでは、創設者=CEOとして生き残るのも至難の技。
そんな厳しい環境を生き抜いたTwitter の創設者であり元CEOのジャックが「新しい機能を素早く追加できていない」という理由で、昨年突然ステップダウン。
奇行・奇言で知られるイーロンマスクだけに、危なっかしい人事をしそうだなぁ、と頼まれてもいませんが心配しています。
5・エディットボタン機能追加
という内容でした。
イーロンマスクは$4.4B(およそ5.6兆円!!)でTwitterを購入したそうなのですが、TeslaやSpace-xだけで既に100兆円規模のビジネスを成功させているのに、更に富を拡大し、「国家」ほどの力をひとりの個人が行使できてよいものだろうか、と疑問に感じる今日この頃。
ところで、「世界のビリオネアがコロナパンデミックの間に得た所得に1度だけ99%課税すると、全人類のワクチン接種と全失業者に$20000支給が可能になる」と去年の8月にoxfamがリリースしていたのですが、仮にイーロン・マスク含む世界のビリオネア2690人に課税したとしても彼らはコロナアウトブレイク前より$55B(およそ7兆円)リッチだそう。
なんだかコロナパンデミックによって広がった貧富の差を可視化したモノが、イーロンマスクのTwitter買収だったように思います。
・オレはTwitterを愛している
Twitterを創ったのに、突然CEOを辞めさせられたジャック・ドージーはイーロン・マスクによる買収をどう感じているのだろう?とフト興味が湧き検索してみると
「俺はTwitterを愛している。グローバル意識に1番近いのがTwitterだ」
というツイートに連ツイがあり、ザックリまとめると「企業としてのTwitterは俺にとって、取り組むべき唯一の課題で最大の後悔でもあった。ウォールストリートと広告モデルに所有され続けていた。企業としてではなく、通信プロトコルレベルで公共財産になろうとしたが、企業としての問題を解決するにはイーロン・マスクだけが唯一の解決策だ、と信じている」
と、いうことで買収にはポジティブなよう。
ところで、昨年12月頃、Twitterのタイムラインで毎日「web3」という言葉を見かけ、中央集権的なインターネットのアルゴリズムによって、とにかくアンタはコレを見るべし!と強制的にお勧めされたり、オンラインで勝手に個人情報をバンバン吸い上げられないなんて素晴らしい!未来だ!と感激していたのですが、その頃ジャックはといいますと…
Web3はシリコンバレーのベンチャーキャピタルに喰い物にされ、そのおこぼれをリテールが貰うだけなんだから、結局搾取され続けるんだよ、とでもいいたそうなmemeを投稿していました。
今振り返ってみると、ジャック・ドージーはシリコンバレーVCのような強い仕組みに個人が搾取されることがなく、人と人が有益な情報を交換することでより公共の利益になる仕組みとしてTwitterを運営したかったんじゃないなか…と思います。
だからこそ、皆の期待が高まる「web3」について警鐘を鳴らしたのではないかと。
一芸を極めた天才ジャックの人間味あふれる誠実さを垣間見たような気がしました。
・言論の自由とアルゴリズム
自らを「free speech absolutist 」「言論の自由絶対主義者」と称するイーロン・マスクがトランプ元大統領のTwitterアカウントを復活させるかもしれない、というニュースに「エーッ!それは言論の自由じゃないよ」と大変驚いたのですが、Twitterを見ていると私と同じように「エーッ!」と動揺している人が大勢いてなんだかホッとしました。
そして「エーッ!」という動揺を、とても簡潔にまとめているコラム「イーロン・マスク聞いて!言論の自由の権利と、AIによるアルゴリズム拡大の権利は同じじゃないんだ」を目にしました。
遡ること2016年。アメリカ大統領選時にFacebook を通して大量のフェイクニュースが拡散された結果、アメリカ各紙の予想を覆しトランプ大統領が誕生しました。
実はマーク・ザッカーバーグは大統領選の直前にFacebookのアルゴリズムを変え、興味本位でついフェイクニュースニュースを1度でもクリックした人のフィードには優先的にフェイクニュースを表示。
Facebook は嘘の泥沼と化し、陰謀論やミスインフォメーションの温床となっていたのですが、大統領選が終わるまで誰も気が付かなかったのです。
そして、新聞などのニュースメディアがフェイクニュースを拡散することは、事実をねじ曲げているので罰せられるべきだが、Facebook は個人がポストすることはなんであれ「言論の自由」である、という理由で罰せられませんでした。
ですが、Twitterも同じようなアルゴリズムを使用しているので、これは今日人類が直面している最大の危機ですよね、という内容でとても共感しました。
というのもトランプ政権当時、トランプ率いる共和党支持の約56%が極右集団「Qアノン」の陰謀論や嘘の一部を信じ、それをTwitterなどで拡散。アメリカの政治を揺るがすだけでなく、人種や宗教的価値観の違いを理由に国の「分断」を引き起こしかねないツイートをトランプ元大統領は自ら大量発信するという非常に残念な事態に…。
そもそもトランプ大統領が当選した背景には「ブルーカラーの不満を代弁したから」という事実があるのですが、コロナパンデミックによりホワイトカラーだって大勢失業し、アメリカだけでなく多くの国で貧困層と富裕層の摩擦が拡大しているように感じる昨今。
世界中でポピュリズムがめきめき頭角を表しつつあるのに、ミスインフォメーションや陰謀論を拡散しかねないトランプ元大統領のTwitterアカウントを復活させるのは”言論の自由”などではなく「悪いのは金持ち」という思想を生み出し、まるで第二次世界大戦時のナチスのようになりかねないと感じます。
とはいえ、snsは内容こそ玉石混交ですが、リアルタイムに莫大な情報発信ができるメリットがあり、例えば第二次世界大戦中にsnsがあれば、ナチスがユダヤ人に対して行った”移住”を止められたかもしれない。「言論の自由」がなかった大日本帝国やドイツで「戦争反対」と拡散することもできたかもしれない。
ただ「戦争反対」とポストすること、一見無意味に見えるその行為すら出来なかったら過去があるのだから、「言論の自由」は宝石よりもずっとずっと価値があるので、私たち全員でアルゴリズムから守るべきだと強く思います。
・世界を救う陰謀論集団
なんということでしょう。
アメリカだけでなく日本含む世界中で、Qアノンの”ディープ・ステート”陰謀論「地下組織で権力を握っている奴らが実は国を牛耳っている」信じてしまった人は大勢いるのですが、ロシアにいるQアノン信者が「実はプーチンの言っていることは嘘で、ウクライナを攻撃していい理由なんかないんじゃないか」と、ロシアのプロパガンダを疑い始めたというのであります。
新聞などのニュースメディアを常に疑う「Qアノン」が、実はロシア最速でウクライナ侵略の正当性に疑問をもつ集団になった、というなんとも皮肉な記事でした。
・春は苦味
スーパーへ行けば季節を問わず、どんな野菜も入手しやすくなりましたが、それでも生の山菜や筍は春を逃すと中々手にしにくい…。だから、スーパーで見つけたらスグに確保!するようにしています。
大量に手に入れた「ふき」は定番の煮物でも、もちろん美味しいのだけれど、今年うちで流行ったのはふきのベーコン炒め
ベーコンの塩味がふきの苦味に合い、ビールのおつまみに最高!!お酒も箸も進む一品でした。
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今週は「消費した5つのこと」を書きました。
おまけ:さらばNetflix
アメリカの人気ポッドキャッスト「What A Day」は、まるで友人の家で飲みながらバカ話をしているような気軽さで、時事問題を面白く分かりやすく伝えてくれます。
帝国Netflix の株価が35%ダウン、それに牽引されディズニーやsex and the cityでお馴染みHBOなども株価ダウン。
これだけだと「ふーん」という感じでしたが、cnnによると「アカウントシェアが出来なくなる」と聞いて、「エーッ!!」となりました。
我が家はパスワードをシェアし、アカウントを2人で使用しているので「ウチって、そんなケチ臭いのかしら…」と疑問に感じたのですが、このポッドキャストによると「2017年にNetflix は公式Twitterで、アカウントシェアして使ってね、っていってたのにね。なんでいきなりダメになるのよ」ということで、一安心。
ところで、私はジャーナリズムを信じる(ように見えた)Netflix のドキュメント(コレとかコレ)が好きで見てたのに、いつの間にか問題提起がよく分からないドキュメントをアルゴリズムによってお勧めされるようになっていました。
というわけで、この度、無事解約しました。
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