本の棚 #168 『僕は明日もお客さまに会いに行く。』

「本気で仕事をしていますか?」

この問いに対してどう答えるだろうか。

「本気って…なんだっけ」

となったなら思い出してほしい。

子どもの頃に夢中になったあれこれを。

没頭したあんなことやこんなことを。

入社5年目の三井くんが

トップセールスの山野井さんと出会い

本気を思い出していく物語。

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「結果を出している人は、自分をコントロールすることにもたけているんだよ」

うまくいくときもあれば、

うまくいかないこともある。

落ち込むこともあるだろうけど…

そんなときに自分をコントロールできているか。

起きたことに感情を支配されるのではなく

自分で自分をコントロールする術をもつ。

気持ちを切り替えよう、といっても

思っただけで切り替えるのは難しい。

ぼくはうまくいかないときに

よく店の外に出て散歩をしていた。

スタッフには「外の様子を見てくる」と

それらしいことを言いながら

自分の気持ちをコントロールするために

場所を変えたり、甘いものを食べたり

トイレにこもったり…

自分なりの切り替え方法は

ないよりあるほうがいい。

聞くことが八割で、話すことが二割

「接客とは聴くことである」

とは尊敬する先輩に教えてもらった言葉だ。

実際にトッププレイヤーは

お客様のほうが話す分量が多い。

なんでそんなことまで知ってるの?!

というようなお客様のエピソードを

いくつも知っていて驚かされる。

話すことが駄目なわけではないけど

聴くことに重きを置く接客スタイルが

結局は受け入れられやすい。

うまく伝えることはできても

うまく聴く、質問することはできない人が

営業職の人でも多いのではないだろうか。


話すことはテクニックとして上達できるけど、聞くことは心がないとできない

なるほど、

どれだけ相手に興味を持てるか。

お客さまのことを好きになってみる姿勢。

聴くほうが難しい理由は「心」にあるのか。

それはスキルでは埋めることができないし

シンプルなトレーニング方法も

パッとは思い浮かばない。

昔「お客さまに興味が持てません」

と相談を受けたことがあった。

そういう心がないということか。

なんだかそれはもったいない気もする。

「家についていっていいですか」のように

誰しもがそれぞれに興味深いストーリーを

もっている。

それが感動するようなものか

悲しくなるようなものか

恐怖を覚えるようなものか

それはわからないのだけれど

誰しもがもっている。

そこに対しての好奇心があるかないか、

このあたりがふつうの営業パーソンと

一流とのラインなのかもしれない。

今まで僕はどれだけお客さまの物語を知っていただろう。

お客さまの物語を知らないまま

商品やサービスを売ることはできる。

けれども、それを知ることで

同じものを買ってもらったとしても

何倍もの価値を感じる。

お客さまからしても

別に物語を話さずとも商品は買える。

しかし他人に物語をシェアすることで

買物体験自体が感動するものになりえる。

なにを買うかよりも、誰から買うか。

感情的な記憶が心に刻まれ

ものの持つ価値を越える付加価値を

実現してくれる。

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#読書 #推薦図書 #営業

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