本の棚 #49 『いらない課長、すごい課長』
『いらない課長、すごい課長』
新井健一
世の中の迷える課長へ
時代や環境の変化が猛烈なスピードで
進んでいくなかで過去の猛烈な働き方では
通用しない…いらない課長まっしぐらだ。
自分が「すごいっ!」と衝撃を受けた
スーパー課長の真似をしたところで
うまくいくとは限らない。
マリオカートのように同じコースを
3周まわってゴールではなく
毎周コースが変わっているような
そんな感覚を肌でビンビンに感じている。
それが今を生きる課長の苦悩。
前を向けばバナナスリップ地獄
後ろを振り返れば無限赤コウラ…
(緑じゃない)
そんなマリカーなら、ぼくはリタイアする。
でもそんな感じで上司と部下にサンドイッチされる
それが実情ではないだろうか?
著書は課長からの「ヘルプミー」に
誠実にこたえてくれる指南書だ。
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「緑の血」課長のマネジメント
緑の血…ピッ、ピッコロさん?!
と思ったが、ピッコロは肌が緑なだけで
血は紫?だった気がする。
著者の元上司である緑の血課長の特徴は
職場のマネジメントを常に技術的に運用する
この「技術的に」というのがポイントで
□訓練を通じて習熟可能
□そのプロセスも明示可能
□伝承可能
という誰にでもできるマネジメントを実践する。
だから口ベタで仕事以外の話はしないが
誰よりも周囲の信頼を得て、部下を育て
しっかりの成果を出す。
緑の血課長の口癖
「君のために、私にできることはないか?」
いきなりこのフレーズをパクるのは
初対面の人に「今から海にでもいきませんか?」
と誘うようなものなので遠慮してほしい。
その前段階で必要なことがある。
よく部下の話を聴くこと、傾聴することだ。
「こうしたらいいんじゃない?」
と自己流の理論、経験談を語るのではなく
メモを取りながら、目を見ながら聴く。
この点は筆者も「スキルが必要」としており
ナチュラルに訓練無しでできる人は、
そう多くはないのではないかと思う。
プロ課長の会議ルール
「反対のための反対」を禁止
どうすればできるかという態度で議論に参加するのではなく、はじめからやりたくない、もしくはできないという態度で、その理由をあれこれ並べ立てること。
これに限らず、
公正さや価値観をルール化する
いろんな店舗を見るが
意外とはっきりしたルールがないところは多い。
基準が定められていないから
よく部下は迷って、余計な労力を使う。
そのことに気づいていない店長が多いように思う。
限られた資源で最大限の成果を出すためには
無駄な迷いは排除すべきであり
その基準化する力を身につけないといけない。
自分のキャリア
ここ数年で、いやもっと前からか
「株式会社自分」感が強くなってきた。
なんだそれ、と思うだろう。
つまりは、
自分のキャリアは自分で経営するという自覚が
大切な時代や環境になっているということ。
キャリアの主体性を、会社から自分に取り戻そう
と本書にはあり、会社におんぶに抱っこでは
いずれ立ち行かなくなりますよっということだな。
それはサラリーマンだからこそ自覚すべきで
自分の足で生きていく覚悟があるものが
生き残っていくんだろうなと思う。
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