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本の棚 #162 『レインツリーの国』

久しぶりに小説を手に取った気がする。

一冊のライトノベルによってつながれる

二人の物語は、読み始めたら最後…

一瞬で読み終わる。

有川浩さんのコトバのつかい方は

乾いたのどをうるおす常温の水のように

スーッと身体に染みわたる。

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『フェアリーゲーム』の棚の前

『フェアリーゲーム』というライトノベルの

感想が書かれたブログがきっかけで

知り合った二人の

初デートの待ち合わせ場所は

そう、二人を繋ぎ合わせた本の棚の前。

そんな待ち合わせは

ジブリに出てきそうなほど、純粋で

やってみたいけど、恥ずかしいやつだ。

コロナの世の中は「待ち合わせ」の機会を

劇的に減らしてくれたけど

ここからはまた「待ち合わせ場所」を

考える世の中に戻るのか

それともネットやゲームの中での待ち合わせが

主流になってくるのか。

「聞く」と「聴く」の違いって分からないでしょう?

ヒロインのひとみさんは聴覚に障害がある。

実はぼくのおじいちゃんは全聾だった。

あらためて、聞くと聴くの違いを考えた。

「聞く」
耳から入ってきた音や言葉を漫然と聞いている状態で、健聴者はこれができる

「聴く」
全身全霊傾けて、しっかりと相手の話を聴く

目を見て、口を見て、表情を見て

空気を感じ、それをくみとる。

おじいちゃんが耳が聞こえなかったのは

ぼくにとっては当たり前の日常だったけど

振り返るとたしかに、ぼくの顔から

何かを読み取ろうとしていたように思う。


痛みにも悩みにも貴賤はない。周りにどれだけ陳腐に見えようと、苦しむ本人にはそれが世界で一番重大な悩みだ。

経験した人は

「なんだそんなことか」と思ってしまう。

でも当人にとっては

それは初めての経験であり

初めての衝撃だったりするのだ。

ぼくは初めての経験をしたときに

「これはすでに誰かが経験して乗り越えてるやつだ」

と考えるようにしていて

自分が唯一の経験者であり

解決の方法が見つからないのでは?と

不安に打ちひしがれることは、少ない。

けど、人に対しては逆のほうがいい。

でないと、なんだか偉そうな感じがする。

「あっ、そのパターンね。すでに経験済みよ、攻略法はね…」

なんて態度をとろうものなら

なんだか無味だ。

もちろん相談されたら、あくまで

自分の場合は、と伝えることはいい。

けれども、知ったつもりで

下手な助言は、よしたほうがいいだろう。

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