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本の棚 #104 『空気は読まない』

『空気は読まない』
鎌田實

空気が見える。

そんな瞬間が、確かにある。

色がついているとか

なにかの形をしているとかではなく

空気の動き、のようなものだ。

「それ、風やん」

違います。

どんよりした空気は足元にねばりっこく溜まり

弾むような空気はうさぎのように飛び跳ねる。

世の中には、空気をつくりだす人もいる。

反対に壊したり、ぐちゃぐちゃにする人も。

なんなんだろう空気って。

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「ぼくは、患者さんにとって空気のような看護師になりたいと思います。」

空気は見えない。

だけど、ぼくらのまわりは空気がある、

間違いなく、あるのだ。

そしてぼくらは空気がなければ生きられない。

空気は見えないけど大切なのだ。

そんな空気のような存在になれたら

どれだけ素敵だろうか。

なくなってみて初めて気づく、

そんな大切な何かになれたら

それは素晴らしい人生だ。

死は、生を断ち切るものではない。
生の連続性のなかにある。

ぼくはわりと死ぬのが怖いと思っている。

それはそこで何もかも終わると

決めつけていたからかもしれない。

生も死もとても自然なもので

繋がりのあるもの。

スパッと切れるのではなく

スッと戻っていくような

そんな死をイメージすると

あんまり怖くなくなってきた。

流されてみよう、ときには。運命や時代の空気を受け入れて身をまかせよてみよう、ときには。

流れに逆らったり、止まってみたり

もちろんそれも大切なことだけど

同じくらい「流されてみる」というのは

いいことなんだと思う。

逆らってばかりも疲れるし。

流されてみるというのを自分で決めたら

とことん見をまかせるべき。

不安に思うことはない。

3日前に屋久島の山で遭難しかけたけど

「まぁ、なるようになるさ」

そう思うと、焦ることもなく

気づいたら道路に出ていた。
(登山入口とは真逆に出た)

大丈夫。なんくるないさ。

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#読書 #推薦図書 #KY #景気

#かきまわす #経済 #鎌田實

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