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【映画】聖地エルサレムの衝突ニュースを見るたびにこの映画を思い出す‐『判決、ふたつの希望』

■ 邦題:判決、ふたつの希望
■ 原題:L'insulte/The Insult
■ 監督:ジアド・ドゥエイリ
■ 出演:アデル・カラムカメル・エル=バシャ
■ ヒューマン

1.ストーリーの概要(ネタバレ含むので注意)
2.お気に入りのポイント
3.こんな時に観るのがおススメ
4.5点満点のうち?

1.ストーリーの概要(ネタバレ含むので注意)
   きっかけは些細な事だった。ベイルートでアパートの工事をしているパレスチナ人のヤーセルと、レバノン人のトニーがベランダからの水漏れを巡って口喧嘩。これを機に二人が発する言葉に侮辱を受け、二人の争いは法廷に持ち込まれ、そして民族の対立までを引き起こす騒乱まで導いてしまうのだった。
  些細な事だけれど、お互いに感情的になり、暴言を吐く。この暴言が相手をひどく傷つけ、この作品の原題”L'insult”を表しているのだと感じる。作品の後半は裁判シーンが多く出てくるが、決して難しくなく、お互いの弁護士の主張もわかりやすい。弁護側が主張する”過剰防衛でも自制心を妨げるほど
激しく動揺していた場合、そのものは無罪とみなされる” トニーが発した言葉にヤーセルは激しく動揺し、そして傷ついてしまう。侮辱そのものだからだ。発する言葉は、人を激しく傷つけ、そして大きな問題まで発展してしまうんだという事を痛感する作品。

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https://youtu.be/GrTlVv2YMlQ

2.お気に入りのポイント
    対立するものが、ものの見事に描かれている。イスラムとパレスチナ、キリスト教とイスラム教、親と子供、祖国と難民。男と女。。。人種差別や、ヘイトクライムが注目される中、二つの対立と共にそれをうまく描いているし、そうなってしまったいきさつまで描かれているのが良かった。人は理由なしには攻撃的にならないのだ。最後の判決も納得できるものだった。

3.こんな時に観るのがおススメ
  最近のイスラエルとパレスチナの衝突ニュースを見ていると、何故こうなったの?と思わずにはいられないほど、惨事な映像が次から次へとニュースで流れてきます。映画はレバノンでの出来事なのですが、映像を見るたびに、この映画を思い出し、紛争の根は深いと思わずにはいられない。(2021年5月20日追記)

 
  SNSや様々なインターネットツールによって、人々はコミュニケーションがとりやすくなった半面、匿名性がある事から簡単に人を言葉で攻撃する時代になってしまった。こんな状況に何か疑問を抱いた時にはおススメの作品。

4.5点満点のうち?
 邦題と原題の違いに違和感を感じずにはいられない為3.9点

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