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米最高裁の変化の流れ

下記Noteの米大統領選の続きで、毎年6月は米連邦最高裁にて色々な判決が出る時期でもあり、全く法律素人の私ですが、ちょっと書いてみます。

今年の判決はちょっと「反トランプ」というか少し「リベラル」ということみたいなので、まずはそれに触れてみたいと思います。もちろん詳しいことは専門家にお伺いください!

正直上記記事に書かれている通りなのですが(日経さん、いつもありがとうございます!)、最近少しリベラル寄りな判決が米連邦最高裁で見られているようです。今年(2020年)の例だと:
・6月15日には職場でのLGBT(性的少数者)差別は、性別に基づく差別を禁じた連邦法に違反するとの判断(6対3)
・6月18日には、幼少期に親と米国に不法入国した若者の強制送還を猶予する制度「DACA」に関し、トランプ大統領が撤廃を求めていたが、最高裁は当面認めないとの判決(5対4)
・6月29日には、南部ルイジアナ州の妊娠中絶規制法(Abortion)を違憲とする判断(5対4)。

ここのポイントは:
米大統領が米連邦最高裁の判事を任命できる点、
2005年にブッシュ大統領(保守党)が任命したジョン・ロバーツ長官が、アメリカにて以前から物議を醸す案件に関してリベラル寄りの判事に賛同した点

米大統領選は大統領の選出のみならず、その大統領が最高裁の判事も任命できるということで、司法・行政(そしてもちろん立法)にも大きく影響を与えます。また米連邦最高裁の判事は終身の為、基本的に交代は少ないのですが、お亡くなりになられた際、もしくは辞職された際に、時の大統領が判事の空席を埋めるような判事を任命ができます。

トランプ大統領は2018年10月にブレット・カバノー氏(保守系)を指名し、計9名の判事の中で、ロバーツ長官含め保守系5名を置くことで、保守的な判決が多く下される、という思惑だったようで。ところが、今年の判決はロバーツ長官がリベラル派の考えに賛同するケースが見られたようで、僅差でリベラル寄りな判決となったわけですね。

また上記記事のように、米国ではコロナ感染の第1波が当初収まったように見えていたものの、西部や南部で更に感染者が拡大しているようで、再度の外出規制やバーなどの営業規制が入る事態に発展している地域もあるようです。同時に外出規制を個人の自由侵害だとして、デモが起きている、とかいうニュースも散見しますが、今年のような判決のまま行くと、このような案件に関しても、感染拡大防止にために、というリベラル的な発想から、外出規制等は違憲ではない、という判断が下されそうな気がします。

それにしても、米国は憲法で守られる個人の権利に関する主張が、日本に比べれば全然強いな、と感じました。

#COMEMO #NIKKEI

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