Withコロナ時代の健全経営とは

Withコロナを外部要因として整理するか、何とも判断が難しいですが、コロナ禍前まで、それなりに順調に経営していた会社が、方向転換を迫られる、という場面に入ってきたようです。

過去の投稿はこちらをご確認ください。
*交通インフラ-Part①Part②Part③

上記記事のように、今までの借り入れ等では資金不足となりえるようで、ANAが公募増資と劣後ローンで資金調達を考えている模様。公募増資は、格付けを維持するため、ともあるが、キャッシュフローの悪化がもっぱらの理由かと思う。

ANAHDは6月までに借り入れや融資枠の設定で約1兆円の手元資金を確保した。航空機のリース代や借入金の利払いなどによる資金流出はあるものの当面の運転資金にはメドがついている。一方、大幅赤字と借入金の増加で財務の健全性を示す自己資本比率は悪化する。8月からは取引銀行と、一部が資本金と認定される劣後ローンで4000億円規模の資金を調達する協議を進めている。ただ資本とみなせるのは半分の2000億円程度にとどまる。ANAHDは21年3月期に6000億円程度の最終赤字に陥る可能性があり、20年3月期に約1兆円あった自己資本を大幅に毀損しかねない。格付けの維持には劣後ローンによる2000億円の底上げでは不十分だが銀行からの追加調達は難しく、公募による増資が必要と判断したもようだ。

また半導体でも、東芝の虎の子と言われれ、東芝再建のために売却された、KIOXIA(旧東芝メモリ)はこの度上場計画を中止(延期ではないそう)とのこと。理由は以前からお伝えしていた、米中対立におけるファーウエイ包囲網や米国製品を活用した製品をファーウエイに出せない、といったことかと。

過去一連の投稿に関しては、下記をご確認ください。
ファーウエイ規制に対する中国の対応(半導体)
漁夫の利(サムソンに関して)
SMICの上場
対中政策の強化の予感
ファーウエイ包囲網強化へ

時代に応じて変化し続けることで企業は生き残っていく、とは世の常だろうが、コロナ禍で、ルールブックが急に変わると、一度破綻して重荷を下ろしたJALと違って、それなりの現金を積んで、経営をしていたANAにとっても、増資は免れない。そしてコロナとは直接的に関係なくても、米中対立という政治的要因で上場(ファンドの出口戦略)もできなくなったKIOXIA。となると残った道は、競合他社への売却だけか。健全経営ってなんだろう、とふと思ったまでである。

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