佐藤泰那|さとうやすな

編集者/ほぼ日「yozora」/アウトドアメディア『ランドネ』前編集長/山登りコミュニ…

佐藤泰那|さとうやすな

編集者/ほぼ日「yozora」/アウトドアメディア『ランドネ』前編集長/山登りコミュニティ「KUKKA party」主宰🌲山登り歴16年

マガジン

  • ランドネたのしみ隊、大集合!

    • 426本

    読者インフルエンサー「ランドネたのしみ隊」の声をお届けします。山登りやキャンプでのエピソード、旅先で出会った景色、人、お土産のこと、新しく買ったアウトドア道具のことなど。

  • ランドネ編集部員の「日々アウトドア」

    • 33本

    アウトドアを愛するランドネ編集部員が日々感じていること、考えていることをお届けします。

最近の記事

山と仕事とわたし

アウトドア雑誌の編集長になるなんて、学生時代には思いもよらなかった。山登りにまつわることで起業するなんて、1年前の自分が聞いても驚く。 仕事の話をすると、「山が好きなんですね」と言ってもらうことがあるけれど、自分では正直よくわからない。ただ、毎日、山のこと、山を好きな人たちのことが気になっている。大雨や地震のニュースを見ると、山にいるであろう人の顔が思い浮かぶし、お買い物に行って服や雑貨を見かけては、山登りでも使えるかどうかをチェックしている。仕事だからかもしれないし、仕事

    • ご報告|起業しました

      3月末に出版社を辞め、起業しました。会社名は「クッカ」で、フィンランド語でKUKKAはお花という意味です。アウトドアを楽しむ方を応援するコミュニティ運営とコンテンツ制作をしていきます。 その一方で、アウトドア雑誌『ランドネ』の編集長業務も、元上司や役員の方々、後輩にご理解いただき、続けています。 ランドネもクッカも、アウトドアを楽しむ方を応援するという方向性は同じです。それなのに、なぜわざわざ会社を立ち上げる必要があったのか、と聞いていただくことがあるので、その説明と自分

      • 世界を見る目

        社会人1年目でオートバイのハーレー専門誌の編集部に配属されたとき、わたしは原付とバイクの違いすらよくわかっていなかった。すぐ母に報告したら特段驚かれなかったので拍子抜けしたけれど、その母から話を聞いた父から電話があり「ハーレクイン文庫を作ると聞いたよ。恋愛小説とは意外やな。でもおもしろいかもな」といわれたとき、そうだよね、と思った。勘違いもするだろう。わたしもまだ、現実のことだと受け止めきれていないのだから。 入社面接ではオートバイに興味があるかと聞かれ、国井律子さんの『ア

        • 背負うべきもの

          山登りの準備をするとき、わたしはバックパックに詰めて持っていく荷物を3つに分けて考える。「生きるために、最低限必要なもの」と「いざというときに、役に立つもの」、「自分をごきげんにするためのもの」だ。 一つ目の「生きるために、最低限必要なもの」は、食べものや飲みもののこと。生きるため、というとちょっと大げさな印象かもしれないけれど、山の上に売店や自動販売機があることは稀だから、自分が消費するエネルギーや水分量を見越した、食べものや飲みものは背負っていく。 二つ目の「いざと

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        記事

          リスクと向き合うことと、美しさに近づくこと|2019年の振り返り

          御嶽山と草津白根山。今年夏に、4日間でふたつの活火山を1泊2日×2連続で登ったとき、いつもに増して心が山に強く惹かれていることを感じていました。 御嶽山へ向かったのは、二ノ池上分岐から山頂までの規制が解除された直後。ヘルメットを被って黒沢口登山道を歩き、たどり着いた山頂付近には4年前の噴火の爪痕がしっかり残っていました。 山頂(剣ヶ峰)直下の地獄谷と呼ばれる大きな噴火口は、10万年ほど前から始まった火山活動によってできたもの。4年前の噴火は、西〜南西側の斜面に新たにできた

          リスクと向き合うことと、美しさに近づくこと|2019年の振り返り

          山登りを好きになった私が、仕事でアウトドアに関わっている理由

          幼いころから、初めてチャレンジすることを器用にこなせない。いまだに何か新しいことを始めるときには、ワクワクする反面、きっと人より劣っているのだろうとため息が出る。 山登りを始めたときも、できない自分に直面した。社会人2年目の夏、山好きの叔父に誘ってもらい、石川と岐阜の県境に位置する白山に登った。叔父が考えてくれたプランは、登山口近くの温泉旅館に前泊して、もっともメジャーなルート(砂防新道で登り、観光新道で下る)を一日で歩くというもの。上りのコースタイムが5時間45分、下りが

          山登りを好きになった私が、仕事でアウトドアに関わっている理由

          自然のなかで人が生み出す、奇跡みたいな美しさ

          「きっとわたしたちは永遠に、まだ見ぬ景色、ってものを追い続けるんじゃないかな」。 6年前の夏、北アルプス槍ヶ岳に登ったときのこと。上りの槍沢ルートで何度も皆で弱音を言い合っていたのに、同じルートを下るのではなくあえてややハードな東鎌尾根ルートを選んだ。つらい、もう歩きたくないと言いながらも、次はどこの山に登ろうかと相談していた。大変だと思っていることを熱心に繰り返そうとする自分たちがふとおもしろくなり、なぜなのでしょうね、といっしょに歩いた登山ガイドの渡辺佐智さんに話しかけ

          自然のなかで人が生み出す、奇跡みたいな美しさ

          雑誌の編集長になってみて

          11年前、いまの会社に入社したとき、根拠なく「編集長になる」ことを夢に掲げて、今年の4月に叶いました。でも自分でも損な性格だなと思うほどにそのこと自体には達成感はなくて、そこから半年、たくさんの方に学ばせてもらい、助けてもらいながらじたばたしています。 もともとは直感が降りてくるまで自分のなかで小さくくすぶらせ続ける、みたいな思考をしてきました。いまは、まだ自分のなかで決着させられていないことも随時アウトプットして、チームで共有して、ひとりでは育てられなかった形に昇華させら

          雑誌の編集長になってみて