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#日本語教師 に大チャンス【まだまだ成長する #中国 の #日本語教育】オンライン市場規模は450億円、日本のオンライン英語の3倍以上

中国における日本語学習者数は、意外に知られていないが国別で世界一多い(もちろん母数がでかいからという理由が大きい)。そして、その数は増え続けている。

その数はある信頼できる統計では約100万人とされているが、これは大学や高校など一部の学習機関の情報をもとにしたものであり、民間のオンライン語学や語学学校などで学ぶ学習者は含まれていない。実際には、これよりも圧倒的に多くの学習者が日本語を学んでいる。

以下、次の情報元A、Bの記事と私自らの中国で日本語教育に従事した経験から、「中国の日本語教育業界の市場規模や学習者の属性、今後の発展」について整理した。

※各市場に含まれる商品やサービスの範囲の詳細については不明。ざっくりした規模感の理解の参考程度に。

情報元

A:2019年在线日语学习教育行业研究报告

※「日本村」というオンライン日本語サービスの運営元による市場分析レポート。日本村は、2013年からオンライン日本語を提供し今では全世界に2000人以上の日本人講師を雇用してる。


B

中国のオンライン語学教育市場は523億元(7,845億円)で日本の15〜60倍(2019年)

「A」の情報によると、中国において2019年のオンライン語学教育(全ての外国語学習)の市場は(在线语言教育行业市场)523億元(7,845億円)に達する。日本円に換算すると7,845億円だ。

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また、語学において84%が英語であり、第二外国語では日本語が最も多く5.8%を占める。英語の15分の1程度の大きさだ。

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一方で日本のオンライン語学教育市場は、矢野経済発表のレポートから推測するに125億〜500億円程度だと思われ、中国の15〜60分の1の規模と圧倒的に小さい。人口は単純に14倍程度なので、「オンライン教育」における違いがこの差を生んでいると思われる。

中国の日本語教育市場は1,296億円(2019年)

「B」の情報によると、日本語教育市場(オンラインとオフライン両方を含む)は、2016年で49.9億元(750億円)であり、年20%の成長を続けているらしい。この成長率をもとに推測すると2019年は86.4億元(1,296億円)となる。

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オンラインの市場はどうか。中国のオンライン日本語教育市場規模は、2019年に出された「A」の情報によると、3年以内に50億元(750億円)を突破する見込みのようだ。2019年の数字は書いてないが、単純に2019年の語学市場全体の523億元に5.8%を乗じると30億元(450億円)となる。

2019年のオンラインとオフラインを含む日本語教育市場が86.4億元(1,296億円)とすると、オンラインが30億元(450億円)なら、オフラインは約56億元(846億円)ということになる。

中国の日本語教育市場(1296億円)は日本の英語教育市場(2486.5億円)の約半分くらいの規模

参考までに日本の英語教育市場をみてみる。日本の語学市場というと矢野経済研究所が出している数字があるが、翻訳通訳や書籍などを除き、いわゆる語学サービス(以下の5項目の合計)としての英語教育の2019年市場規模は2486.5億円と推測できる。

①成人向け外国語教室市場
⑥語学独習用機器・ソフト
⑨通信教育市場
⑩e-learning市場
⑪ソフトウェア市場

上の内、最も大きな①を除いた場合、476.6億円となる。

こう考えると、中国の日本語教育市場(1296億円)は日本の英語教育市場(2486.5億円)の約半分くらいの規模。

しかし、オンラインの分野でみると形相が異なる。矢野経済情報からオンライン語学に関する数字を見ると、2018年で125億円と中国におけるオンライン日本語市場(450億円)の3分の1程度だ。これはレアジョブやDMMなどのオンライン英会話の数字で、さらに自習系のソフトウェアや通信教育も入れると476億円となる。(中国市場の統計ではおそらくこのようなサービスは含まれていない)

今後も成長が見込まれる中国の日本語教育市場

「A」によると、日本語教育市場は不断に成長し続け、2019年から5年では20%成長が保たれると予測されている。高考という日本のセンター試験にあたる試験における日本語選択の受験者は毎年80%成長が予測され、3年後には25万人に上る。高考における日本語選択者の割合は、2017年に0.17%、2018年で0.23%、2019年で0.38%と急激に増えている。

また、「B」によると日本語教育市場は以下4つの理由でまだまだ伸びるとのことだ。
1,大都市から小都市への発展の可能性があるし、大都市においても、まだ飽和からはほど遠い
2,ずっと留学目的の消費者が語学学校にきてた。日本への留学生は23万人のうち9万人が中国人で、まだまだ増えている
3,仕事のための消費者は第二の客だ、これは中国の日系企業数に直接影響をうける。2012年では23000社がきていたが、日本の中国投資は増え続けている
4,新しい学習方法がでてきて、市場を発展させている

【統計】中国の顧客層は?(どのような学生が学んでいるか)

「B」の情報によると学習者属性の割はは以下の通り。

学生 37.6%。(学生)
日企员工的 9.2%(日系企業勤務)
其他企业员工 20.64%(その他の会社勤め)
自由职业者 31.6%。(自営業、フリーター、経営者等)

「A」の情報では「日本村」のユーザーデータからより深い分析がなされている。これによると、社会人(仕事している人)が62%であり、これは学費を払える能力と関係していると思われる。また、全体の62%は女性である。学士の学歴が70%で高校以下の学歴の人は25%。上海、北京、深圳の大都市の学生が多く、27%、19%、10.3%となっている。また、日本語学習の目的は趣味28%、アニメ好き25%、仕事19%、留学8.5%、旅行7%、日本語専攻5.5%となっている。

【ベルソナ】中国の顧客層は?(どのような学生が学んでいるか)

これは私個人の実体験からリアルな学習者像をお伝えしたい。私は2018年から1年ほど中国の民間の日本語学校(S)で日本語教師をしていた。そのときにいた学生を思い出して以下、具体的な人物像をイメージするため書き出してみた。

王じゃーめい(20前後)

高校卒業後、フリーター。アミューズメントパークで司会のバイトなど。単発で儲かる仕事などもたまにしている。
金のネックレス、金のメガネ、全身入れ墨。
2万元くらいはらって1年程度、S語学学校で学習。勉強熱心で、どんどんうまくなっていた。先生へのダメ出しがおおい問題児。
もともと別の塾で日本語文法はならったが、会話が苦手で来た。アニメが大好きで趣味で日本語を磨きたいと思っている。

◯◯さん(40前後)
ディズニー関係のグッズ制作会社の女社長。子供に日本語を習わすついでに、自分もきていた。英語を大学で学び、仕事でも使っているのでセンスがある。
2万元くらいはらって1年程度、S語学学校で学習。

◯◯さん(25前後)
バー経営の女社長。日本からバーテンダー招聘したりして上海にいくつかバーを展開。日本に種探しに出張いくことも多い。VIPで1回500元払って授業を受けている。

◯◯さん(40以上)
スペイン人。世界的多国籍企業の上海支社の社長。スキルアップのため。VIPで1回500元以上払って授業を受けている。自宅に先生を呼んでいた

まとめ

以上、中国の日本語教育市場についてみてきた。そもそも中国のオンライン語学市場は7,845億円と、日本の15〜60倍の規模。日本語という第二外国語であっても1,296億円規模であり、これは日本の英語教育業界の約半分。さらに、特筆すべきはオンライン分野であり、日本のオンライン英会話が125億円市場なのに対して、中国の日本語教育市場は450億円と、逆に3倍の大きさとなっている。

中国における日本語学習者は、趣味やアニメ、仕事、留学など様々な理由が確固として存在し、まだまだ増え続けるだろう。日本語学習者に対してのサービスはまだまだ伸び続ける。中国人向けのビジネスであれば、中国人と競争するのは難しいが、日本人にとって ネイティブのマネジメントや留学など日本でのサービスが絡む分野では日本人が優位な領域もある。この成長する日本語教育市場に是非、波乗りしていきたい。



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