日本は本当に成長していないのか?
日本は、内戦国並の成長していない。
という言説を見た。
それは、GDP的な成長の観点である。
しかし、そもそもお金で測れる価値とは、多種多様な価値のいち側面でしかない。
功利主義が批判される理由は、全てを1つの基準で測れるという幻想が前提になっているからだ。
朝ごはんがおいしかった。
仕事でうまく言って嬉しかった。
人と共感して幸せだった。
マッサージが気持ちかった。
こういう価値を、上から順に10、40、100、70とかみたいに、数値化して一直線上に並べようとするのが功利主義だ。
価値とはそういうもんではないことは誰もがわかっている。
だから功利主義は批判される。
でも、価値基準を明確にしないと、あらゆることが回らない。
組織の採用だったり、評価だったり、あらゆるフィードバックだったり、価値基準を明確にする(つまり数値化)ことなしに社会は回りそうにない。
GDP的な観点が古いと言われて久しい。幸福度というような考え方とか、企業経営でもバランススコアカードのような多角的な観点の必要性はずっと前から言われている。
でも、グローバル資本主義では、やはりお金の価値基準が強い。
というか、それがグローバル資本主義そのものなのだ。
世界がそれを信じている以上、それが、正解であるともいえるが、世界はそれ以外の評価基準でも回る可能性がある、という事実を理解していることも重要だ。
日本は本当に成長していないんか?
経済成長はそうかもしれない。
でも、私はアメリカ、中国、オーストラリアにそれぞれ一年以上生活したことがあるが、日本の生活は素晴らしい。
それは、自分が日本の価値観で育ったということもある。
ただ、そもそも成長という概念を疑うべきだ。
成長というのは、5から10に何かが増えたことを意味する。
つまり、ある1つの価値観を固定するということだ。
日本人として、私は、経済指標以外で、かつ、世界中で認められる普遍性をもつ価値基準を見出したいと思う。
これに長期的に取り組んでいきたい。
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