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建築に込められた想い。時代をこえて受け止めたい

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建築には、それらを作った人の思いが詰まっている。そんな思いを感じることができればと、建築を見に足を運びます。
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#建築

建物は異なる時をつむぐように

中川政七商店の空間を楽しんで 時間の流れの異なる建物で構成された中川政七商店。 次は茶論でひと休み。茶論の名は、栄西の「喫茶養生記」 から引用された 「以茶論美(茶を以て美を論ず)」を 由来とするという。その奥に広がる豊かな空間へ。 茶論は茶道文化への入り口に 美しいものに美意識を感じて 建物の奥には思いがけない空間が広がり、建物の細部 や設えを存分に楽しんだ。その時は、私一人で贅沢にも 貸切のような状態で、隅々まで目をやって。ゆっくりと 穏やか流れる時間を楽しんだ。

建物は昔ながらの街並みに連続するように

楽しい奈良の街歩き。道中の気になるものをたどる旅 元は酒蔵であったNIPPONIA HOTEL奈良ならまちを 後にして。九州で出会った日本酒の楽しみを関西でも 続けていこう。この旅で知った奈良豊澤酒造の豊祝。 駅の立ち飲みに置かれているようで、いつかまた。次は 商店街を抜けて、昔ながらの街並みに連続する建物へ。 ふうせんかずらは無人&シェア型の書店 中川政七商店と茶論。そのロゴマークには様々な意味 が込められている。創業時の時を伝える「享保元年」、 取り扱う商品の「麻も

建物は軽やかに素材をまとう

JR奈良駅から建物をたどり、また次のデザインへ はぐくみホールを後にして、しばらく進むとJR奈良駅 の近くに、軽やかに素材をまとう建物が見えてくる。 ガラスのカーテンウォールの外側に設置されたのは、 デザインされた木調のアルミのルーバー。それらは 一つ一つが踊るかのように、動きを持ち連続している。 この建物の名前は、DMG森精機奈良商品開発センタ。 最先端の金属加工技術を持つという同社の開発拠点が 2022年竣工した。設計は隈研吾建築都市設計事務所。 ルーバーで覆われた建

建物の立体的なデザインとつながりと

日帰りの旅で、各地にある建物や風景をめぐっている。 訪れるほどに、あらたな発見があり、また別の切り口 で旅をしたくなる。なら100年会館にある倉俣史朗の デザイン。今までの旅で出会うことはなかったが、ここ 奈良でつながった。8月中旬まで京都国立近代美術館 にて倉俣史朗の展覧会も。また京都の旅も楽しもう。 いつものように、案内図にて建物の構成を確かめる。はぐくみセンターは奈良市の庁舎で、保健所や教育 センター、また子育て支援の施設が設けられている。 はぐくみセンターを手掛け

建物をたどって始める奈良の旅

今度の旅の目的地は奈良。刻まれた時間を楽しみに 奈良駅のすぐ側のホテルの先に建つ黒いシルエット。 なら100年会館は、奈良市が市制施行100周年を記念 して建設した建物で、礒崎新が手掛けたもの。九州に 単身赴任に行く前には大阪に住んでいたので、奈良に も何度か訪れたが、JR奈良駅の西側は初めてのこと。 まずは予想以上のボリュームで存在している建物へ。 以前に籔内佐斗司氏の作品にもふれた 倉俣史朗の展覧会は、次は京都へ 規模は違えど、以前に訪れた美術館を思い出す 磯崎

気になるものをたどり梅田から堂島へ

日常にある風景も面白いと 日々の風景を楽しんで。街中にはパブリックアートも 設置されている。散歩で気になる風景にももう一度。 立ち並ぶ樹木の向うにそびえる柱のようなオブジェ。 街にあるいろんな仕掛けを、たどるのもまた楽しい。 MIND-BODY COLUMNは自身の体を型でとり、 背中合わせにして、高く積み上げられたもの。 過去と未来のつながりが表現されているという。 アントニー・ゴムーリーといえば国東半島に 繊細さと大胆さを持つケネス・スネルソンの作品 滋賀県立美

そのデザインはこれからも、この先も

らせんの空間を持つ藤田珈琲を後にして 旅は過去から現在へ、そしてその先へ。旅はらせんを 描くように続いていく。いろんな所をめぐりつつ、一度 訪れた所にもまたいつか。建物や風景を感じることを 中心として、それらに付随するものすべてを楽しんで。 旅が終われば、テーマに沿い、旅を振り返るのも楽しみ のひとつ。旅の風景や建物をもう一度たどってみる。 旅ではいろんな形と出会う。円の形は もちろん街にある様々な外壁のデザインも 街や建物で出会うピクトデザインにも目を止めて そ

その建物はらせんの空間をたずさえて

旅をしながら、次の旅にも思いをはせて 布施の商店街の中にあるホテルの様子を伺って、また いつかの旅の候補地に数え、あたたかな街の雰囲気を 後にする。自転車にまたがり、北へ、東へとしばらく 進めば、周囲をガラスに囲まれた建物が見えてくる。 店主の思いが力のある形へと変換されて 以前にも、らせんの形を楽しんだり 内部をらせんに沿って楽しめる建物も 大阪を南へと向かった楽しい旅も終わりへと。いつも のように道の途中の建物をたどって、キャンパス内も めぐり満喫した。旅をして

キャンパスの建物は街のように複雑に

大阪を南へと向かった旅も折返し、いろんなデザイン の建物たどりつつ、もう少し旅は続く。そろそろ日も 傾きつつある頃に、せっかくなので道の途中にある 大学キャンパスに立ち寄って。シンプルな建物が好き だが、様々な要素で構成された建物にもひかれている。 頂部の外壁が屋根へとつながるデザインはこちらにも 福岡のコンベンションセンターの風景が懐かしい 同じく久米設計が手掛けた箕面市の 街のような様相を持つ建物を思い出して 建物はやはり内部も合わせて楽しみたい 久米設計が手

街とつながる芸術文化の創造の場へ

司馬遼太郎記念館を後にして 東大阪の魅力のある建築をたどっていく。また自転車 にまたがって、北へ進んでいくとコンクリートの打ち 放しの建物が見えてくる。ここは2019年に開館した 東大阪文化創造館。街角広場を中心とし、街のリビング のような居心地のよい空間づくりが目指されている。 その作品はラグビーボールを観察するワークショップ によって導き出された、たくさんの形や言葉をもとに 作成された3.2m×1.8mの原画を拡大し、ホーローに 焼きつけ、中庭の高さ9.5mの壁面に設

そしてキャンパスをめぐり楽しんで

近畿大学に連なるな建物をたどりつつ その先に広がるキャンパスをめぐり楽しんで。時間を 少し気にしつつも、まだまだ続く建物をたどっていく。 ふと自分の学生時代を思い出す。テストの期間にしか 訪れなかった図書館。関連のない施設には訪れること もなかった。せっかくの大学生活に施設を使わない手 はないはず。もう一度学生に戻り様々なことを学んで みたいと思い浮かべ、キャンパスめぐりをもう少し。 以前のオープンキャンパスの活気あふれる様子も この建物は英語村E3といい、英語を楽しく

建物はキャンパスの風景をつむいでいく

様々なデザインで構成された建物を楽しんで 近畿大学のキャンパスを動画でも 東大阪に位置する近畿大学の魅力的なキャンパスを めぐる。その中にそびえるアカデミックシアターや、 世界で唯一のコンセプトを持つビブリオシアターを 外から眺めながら、建物の奥へ進む。2017年に竣工 のアカデミックシアターを取り囲むように、2019年 に建てられた近畿大学6・7・18号館。それらは都市 を構成するように、キャンパスの風景を紡いでいく。 近畿大学には魅力的な施設であふれている これら

感性を刺激するアカデミックシアター

近畿大学の東大阪キャンパスに広がる景色を楽しんで 今度は東正門を西へとくぐり、道路をはさんで西側に 広がるキャンパスへ。今回、大阪の南への旅の目的の ひとつとして目指したアカデミックシアター。そこは 文理の垣根を越え、社会の諸問題を解決に導くための 施設として建設された。1号館から5号館のデザイン の異なる建物が融合し、驚きの空間が広がっている。 建設されたのは2017年で、NTTファシリティーズに よる設計。今でもその斬新さは色褪せず輝くようだ。 中之島美術館を彷彿とさ

建物が発するメッセージをたどりながら

サクラクレパスの本社を後にして 今回は大阪の南へと進む旅。道の途中の建物も目に 止まる。気になる建物があれば、自転車を降りて建物 の周囲をぐるりと歩く。その形状にデザインの意図を 感じながら、正面や側面と角度をつけて眺めてみる。 東畑建築事務所によって手掛けられた こちらは安井建築設計事務所によって 今度は昭和設計によって 設計事務所によって手掛けられた建物。水平ラインや 垂直ラインが様々に組み合わされ、変化がつけられて。 そこに込められたコンセプトを感じて、振り返