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コロナ禍で、国際共同制作を

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コロナ禍中での国際共同制作というのは、本当に難しい。じっさい、shelfというか矢野の抱えていたプロジェクトで、昨年初頭に中国で予定されていた北京を拠点にする児童劇団Qfun Theaterとのプロダクション、数年前から準備して来ていたシンガポールのW!LD RICEとの協働プロジェクトなど、ほとんどのプロジェクトが今、中座している。

そんな中、インドネシアとの長期国際共同制作プロジェクトだけは、様々な事情が絡まって、昨年2020年から見切りで走り始めて、今年もずっと継続している。手探りをしながらずっとプロジェクトを走らせ続けている。

具体的にどんなことをやっているのかというと、今は、2021年9月にインドネシアに渡航して、(それも実現するかどうか定かではないのだが、)ジャカルタで合同ワークショップ、滞在制作をするために、その準備として、隔週土曜日に2-3時間のオンラインミーティング/リモートでのクリエイションワークを行っている。

東京とジャカルタとの間には時差が2時間あるので、双方の都合を調整して、ジャカルタの午後8時から、日本時間の午後10時からミーティング行っているので、日本側ではミーティングが終了すると午前1時を回っていることも多い。

それでもみんな文句を言わず忙しい時間の合間を縫ってクリエイションに参加してくれている。感謝しかない。

先月は、俳優に今回題材としている二作品、ダナルトの『Rintrik』と三島由紀夫の『卒塔婆小町』から自分が気になる、あるいは二つのテキストからインスパイアされて将来、1つの作品を作ることを想定して、それぞれのテキストから1-3行ずつ抜粋して貰って、それを選んだ俳優がそれぞれ母国語で読み、相手の国の言葉でも相手国の俳優に読んでもらい、何故その台詞を選んだのかについてプレゼンテーションを俳優にして貰った。

その後のQ&Aやディスカッションは非常に有意義で、二つのテキストに対する理解が深まっただけでなく、両国の宗教的、文化的あるいは言語的文脈の違いや共通点などを深く掘り下げることが出来た。

今月は、僕の提案で「何を待っているか分からないが、何かを待っている。」という状況をモチーフに、それぞれ60秒の映像を撮影して貰った。

条件としては、自分がその映像に移り込んでいることと、例の二つのテキストから、同じくその状況と響きあう台詞を抜粋して、提出して貰った。これもまた、俳優それぞれのセンス、個性がクリアに現れていて、とても面白い映像ばかりが出そろった。

これについては、プロセスの記録として、全員分の60秒動画を台詞を字幕として入れて編集して、1本の映像作品にしようと思っている。

離れているから、そりゃ、出来ないことはたくさんあるさ。だけどそれを逆手に、出来ることを探そう。じっさい一度も会っていないインドネシアの俳優たちが、その一人ひとりが僕には今、とても愛おしく、且つ、創作意欲を刺激する特別な存在だ。

次のオンラインミーティングは今週末。二週間に一度というのは長いようで短い。とにもかくにも、次に本当に対面で会うときまでに、充実した時間を作って、過ごそうと思う。

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