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無名飲食店のinstagramアカウントを1年半で4000フォロワーにした方法[後編]

前回は、店舗オープンから初年度年末までの約一年間のinstagramの動向についてを紹介しました。

アカウント開設から初期、刷新、広告などまずは0~2000フォロワーくらいまでの流れになっていますので気になる方はぜひチェックしてみてください。

さて、今回ですが2023年1月〜現在に至るまでのinstagramの動向や現時点で感じている課題、振り返りまでをお話ししていきたいと思います。

早速1月について年末の繁忙期を終えて比較的落ち着いた営業となりましたが、今年からはTikTokを活用すると決めていたのでそれをスタートすることになりました。
運用自体は外注ではなく自社で台本作り、撮影、編集など全てを行うことで期待値を下げ(笑)、ゆっくりやってみよう。という程度です。

早速1月に初のTikTok用撮影を行い、それ用に作った動画をそのままにしておくのも勿体無いのでinstagramの方にも流用できそうなものはリールにも投稿してみる事にしました。
TikTokではじわじわと2000再生くらいが平均で回りましたが、instagramではお店の店内やサービスの紹介を1分にした動画はオーガニックで5000再生ほど回り、「あれ?思ったよりも拡散性高いな?」という印象。

元々持っていたお店のPVはTikTokと変わらず2000再生ほど。

とはいえ、フィード投稿よりも多くの人に届き、認知を高めるという点においては効果が高いだろうと判断し、ここからリール投稿を広告に回していくことにしました。

最初に使った動画は当店自慢のお客様専用レコード試聴ブースを紹介したもの。

[広告施策]

その6
TikTok用に撮影、編集した店内サービス紹介動画をリール投稿→広告。
予算:29430円
リーチ数:127356
アクセス数:1004
CPA:29.0円
広告インサイトから取得できる情報としてそこまで大きく改良できたとか言い難いのですが、ここからフォロワーの伸びが一気に増えました。
これまでは広告打っている最中の最大値が7人/1日でしたが、この広告を出して最初の15日間は35人/1日まで増加。
もちろんそのペースがずっと続くわけではないですが、かなりいい反応。
自分的フィードバックとしては、来店したイメージが湧きやすい動画になっていて今までよりも興味を持ちやすかった(親近感)があったのかな、と思っています。

↑こちらの広告は初期反応がとてもよかったため、1月後半の広告スタートから約3ヶ月間出し続けました。
すると出演スタッフが「instagramに出てた方ですよね?」「insta見てレコードやってみたくてきました!」など反響が結構もらえるようになり、ご新規さまのうち半分くらいはinsta経由という状況になりました。
この3ヶ月間でフォロワー数は1000人ほど増え、6月頭時点で3000フォロワーを超えました。

実際2~4月は新規集客が非常によく、特に2月は日数が少ない中で年末を除く過去最高売上を達成することができました。

少しずつ広告効果も落ち着いてきたタイミングでGW。そう、都内の飲食店にとってはもはや苦しいことが簡単に想像できるGWです。
予測通り平日と週末の中間くらいの絶妙に微妙な売上を叩き出す日々、そしてGW明けからが本当の苦しみでした。全然客足が戻らない。4月までの毎日満席稼働から一気に3~4割減。ご新規さまの数も一時期に比べだいぶ落ち着いた印象があったため、ここでまたSNS運用のあり方について考え直すこととしました。

まずinstagramのフィードとストーリーとリールの立ち位置。
フィード:憧れ(かっこいい、おしゃれを見せる)
リール:信頼(楽しい来店イメージを作る)
ストーリー:安心(ちょっとふざけて親近感を出す)

つまり、フィードで目を惹き、リールで仮体験をして、ストーリーでスタッフに親近感を持ち来店ハードルを下げる。という流れです。

まずはフィード投稿の縦3列のルールを、
右:ハード
真ん中:人物
左:商品
に定め、
全体的な彩度を落とし、シックでかっこいいイメージに。

一旦はこの条件で12枚を作成しホーム画面の印象を刷新しました。

その上で来店目線で作った二つの動画のうち、より賑やかで楽しげなものを広告に回しました。

その7
来店体験動画(DJやスタッフとの乾杯シーンなどあり、結構賑やか)をリール投稿→広告。
予算:4076円
リーチ数:9059
アクセス数:172
CPA:24円
この広告の予算と全体の数字から分かる通り、得たいリアクションがほとんど得られなかったため、早期終了としました。笑
つまりフォロワーが全くと言っていいほど伸びなかったんです。結構期待していただけにとても残念でした。
実態としては3人/1日くらいで、正直広告かけていなくてもそこまで変わらないじゃん。という状態でした。

うーん、次はどうしよう。
今回は何がいけなかったのかを反芻するに、ちょっと派手な印象につくってしまったため、日本人的感性においては敬遠する方も多かったのかな?と予測し、過去に作ったもう一つの来店体験動画(落ち着いたやつ)を広告に回してみることに。

[一番うまくいった広告]

その8
来店体験動画(オーダー方法や音楽の楽しみ方などを比較的落ち着いた印象で紹介)をリール投稿→広告。←イマココ
*現在進行形で広告中なので途中経過です。

予算:20874円
リーチ数:102060
アクセス数:1668
CPA:13円!!!
なんとまさかのCPA13円。
そして何よりもフォロワーの伸びが過去最高で、広告スタートしたその日から最初の5日は100人/1日ペース。それ以降少し落ち着いたとはいえおおよそ60人/1日ペースで現在も伸びており、タイトルにもある4000人を突破しました。
動画が落ち着いている且つ来店した時に得られる体験イメージが明確だったためプロフィールアクセスが高く、訪れた先のフィードの印象が良くなったことでアクセス→フォローの流れが作れたと自負しています。

さて、ここまでが2023年に入ってからの動向で現在はフォロワー数4300人前後となっていますが、飲食店アカウントとしては比較的多い方、1年半で到達できたことは満足いく状況かな、とは思っています。(instagramだけ見れば人気店ですね笑)

[SNSマーケの副産物]

集客はもちろんですが、instagramの作り込みをやっている上での副産物(というか最初意図していなかった)として、採用に一切困らなくなったことです。求職者からのDMが一定数いただけるようになり、実際今店舗で働いているスタッフの半分以上がinstagram経由という状況になりました。

これの何がいいって、初めからお店の世界観に共鳴してくれて応募してくれるので、ベクトルの擦り合わせが必要ないことです。
近しい趣味趣向のスタッフが集まることでスタッフ同士の仲も築きやすくなります。
後は求人広告費が節約できます笑

現在はフォロワー数に関して意図的に増やすフェーズは一旦終了しようと考えており、次のステップとしてはここからの集客導線を明確につくっていくことと、顧客とのコミュニケーションツールとしての運用を強めるなどの方向に向かっていければと思います。

[まとめ]

instagramの運用がうまくいっていることとお店がうまくいくことはイコールではないですが、ブランディングは(人材・集客・利益の)調達力を高めるということを一部実感できています。

webマーケティングという広い視野で見ればごく一部ではあるんですが、基本的には考えることは全て一緒かなと思います。

・コンテンツ(お店や商品)を作る
・届けるべき人を見極める
・届ける(伝える)ポイントを決める
・ちゃんと届ける

基本的にはこれだけ考えますが、順番はケースバイケースです。
今回私たちがSNSをうまく使えているのはコンテンツを作る時に届きやすさや届ける人をある程度決めていたからだし、追加コンテンツは届きやすいこととバリューの高いものということを徹底的に意識しています。

やりたいこととやるべきこと、続けられる手法。
要はバランスを持って事業を考えていけば、SNS活用も自然とその手法が見つかってくるのかな、と思います。

私なりのコンテンツ作りやターゲティングなんかはまた別の機会に書き起こしてみたいと思いますので、もしよければフォローお願いいたします。

ご覧いただき、ありがとうございました。

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