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インフルエンサーマーケティングを考える 第4回- 「ブランドが取り組むべき3つの課題」

日本におけるインフルエンサー市場は2024年には3,000億円に達すると言われています。2021年は約2,000億円とされており、また、2025年には5,000億円に達すると予測されていることからも、急速に発展していることがわかります。ちなみに、全世界の市場規模は2023年末で約210億ドル(約3兆円)とされており、日本市場は約10%という位置づけにあります。

インフルエンサーマーケティングが、ブランド(企業)にとって、その重要性は増していくことは間違いありません。なぜなら、インフルエンサーはブランドと顧客のちょうど中間的な立場から両者の橋渡し役となってくれるからです。しかし、インフルエンサーの市場の成長が急速でありすぎるため、ブランドも顧客もその立場を正確に理解できておらず、また、インフルエンサー自身もその不安定な立ち位置のために知らずに詐欺行為(いわゆるステマ)に陥ってしまうということも起こってしまいます。

もちろん、そのような行為は規制が強化されておりブランドにとっても罰則を受けるだけでなく、ブランドイメージを大きくダメージを与えてしまいます。まさに、現代のSNSの世界で致命的な炎上を起こしてしまいかねないでしょう。

インフルエンサーマーケティングを、施策に本格的に組み入れていこうとしているブランドには、以下の重要な3つの課題に取り組みましょう。

1. 全社組織での取り組みとする

売上をあげたいという目的でインフルエンサーを活用しようとしても大きな成果は期待できるとは思えません。規制面から商業関係の明確化は義務ですが、顧客の立場からすれば#PRを見ると「あ、宣伝か」って興味が低くなるという現実もあります。規制面の監視の目と、インフルエンサーへの的確な期待値の伝え方など、SNSマーケティング担当者一人の視点では手に負えない部分も出てきます。それだけでなく、インフルエンサーからのインプットは全社で活かされることで価値が上がることも期待できます。企業戦略の一部にインフルエンサーマーケティングを組み込みましょう。

2. インフルエンサーと目的、期待の共有

PV数、クリック数などの数値を目的に置くことをやめて、達成したい方向性、ビジョンをインフルエンサーと共有しましょう。その上で、支払われるべき報酬のあり方を明確にしましょう。個人事業主であることが多いインフルエンサーは、守られるべき法的なものが少ないという負い目があります。それらの負い目を利用するのではなく、彼らと良好な関係構築を築くべき配慮が求められます。

3. 信頼できるインフルエンサーを見つける

フォロワーの数、口コミがインフルエンサーの価値を決めるのではないです。どういったフォロワーがいるのか、仲間はだれなのか、など、背後にいる人を理解することも重要です。また、自社のブランドのストーリーに共感している人なのか、目標を理解して誠実に実行できるのかの見極めを行い、インフルエンサーが自社のSNS戦略の中心となり組織全体で関係構築できる人を見つけるための努力をしましょう。

まとめ

インフルエンサーマーケティングは、今後も成長し続ける重要なマーケティング手法です。しかし、その効果を最大限に引き出すためには、企業全体での戦略的な取り組みと、インフルエンサーとの信頼関係の構築が不可欠です。これらの課題に取り組むことで、ブランドは顧客との信頼を深め、持続的な成長を実現することができるでしょう。

参考文献:


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