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Yukika / SOUL LADY

K-POPの躍進が凄いですね。日本でK-POPが流行る前、冬ソナブームの前に一時期K-POPにハマっていた時期がありました。ソテジワアイドルとか、KOYOTAEとかNRGとかCoolとかN.EX.Tとか。ちょっと日本とは違うポップス。湯浅学とかクレイジーケンバンドの流れで知ったので、ナフナとかチョーヨンピルあたりも聴きました。今では分からない感覚だと思いますがK-POPはサブカルだったんですね。で、韓流ブームあたりからサブカル感がなくなってしまって離れていたんですが、ガンナムスタイルのヒットあたりからK-POPの存在感が増してきて、「ワールドミュージック」の視点でもう一度K-POPに興味を持っています。

こちらのアーティストはこの記事で知りました。

なかなか良かったです。新鮮。シティポップのリバイバルを日本のアーティストよりうまくやっている。音響的にもいいなぁと思ったんですが、これを聴いた日にヘッドホンを新調したので音響面での評価はちょっとフェアかわかりません。音の性質が変わったので。ただ、曲は良かったです。面白いアルバム。

YUKIKAこと寺本來可(てらもとゆきか)は93年生まれの27歳。2006年に雑誌「ニコラ」のオーディションでグランプリを獲得し、同誌を中心にモデルや俳優として約3年間活動。その後声優としてアニメやゲームにも出演した。だが思うところがあって、芸能活動を一度休止する。
(中略)
「THE IDOLM@STER.KR」は大きな転換点となった。撮影自体は非常に過酷だったというが、おかげで番組で知り合った仲間たちとは深い関係を築けた。また撮影が終われば日本に帰ることになると思っていたが、番組から派生したアイドルグループ・Real Girls Projectのメンバーに誘われた。
(中略)
YUKIKAの『ソウルヨジャ』は80年代の日本のシティーポップがベースになっている。その元ネタは70年代後半から80年代半ばのディスコミュージック。Aメロ、Bメロという展開を経て音数もどんどん多くなり、サビで歌と演奏が爆発する。こういうエモーショナルな展開がYUKIKAの両親世代にも響いたのだろう。だが世界の、そして韓国の音楽シーン的には異端な作りであるとも言える。出典

ということで日本のアイドル出身、韓国のスター発掘番組でチャンスをつかみ、昨年デビューしたようです。音作り的にも今のK-POPの主流からは離れていて、日本のシティポップを意識しているよう。これがかえって韓国内でも新鮮に受け止められているようですね。

スマホで聴きながら読みたい方はこちら(noteに戻ってくればYouTubeでバックグラウンド再生されます)。

2020年リリース

★ つまらない
★★ 可もなく不可もなく
★★★ 悪くない
★★★★ 好き
★★★★★ 年間ベスト候補

1.From HND to GMP
話し声、空港だろうか、舞台設定を感じさせるSEからオーケストラ
優雅な空気、足音が入ってくる、離陸、飛行機の飛び立つ音がする
無音
そこから曲へ、シティポップ的なイントロ
シンセ音、管楽器
細くて透き通る声、心地よい
メロディが凝っている、K-POPのトンマナでCity Popをやっている
完成度が高い
日本の今のCity Popリバイバルはなんというかボーカルがちょっと弱いような気がする
その弱弱しさは悪いことばかりではなく、身近さだとかエモーショナルな感じを生むのだけれど
K-POP的な完成度の高さ、ボーカルパフォーマンスが融合すると聞きやすい
今、アメリカではK-POPが爆発的にヒットしている
TIDALを使っているがメジャーな公式プレイリストにK-POP関連2つある
非英語圏の音楽がここまで上位に来るのは異例、プレイリスト単位で出てくるのは見たいことがない
昔BoAが日本に進出してきたが、K-POPは80年代~90年代のJ-POPを下敷きに発展したような気はしている
いつの間にか追い越された
いい曲
★★★☆

2.SOUL LADY
歌謡曲的なスタート、性急なリズム
前のめりなボーカル、いわゆるK-POPとも違う気がする
ただ、K-POPを熱心に聞いていたのが日本でブームが来る前のKOYOTAEとかNRGの頃なので今は違うのだろうが
やはり日本人ということでJーPOPっぽいメロディを感じる、それもCITY POP
CITY POPは世界的に再評価されているし、アジア圏ではCITY POPっぽいアーティストが出てきている
K-POPを一番熱心に聞いていたのはいつだったかなぁ、CKBがメジャーデビューする前か
ソテジワアイドゥルを96年ぐらいに友人からおススメされたことがあって、だいぶ昔に聞いていた
当時はハピネットで通販だったなぁ
ソウルにいったらJ-POPのコーナーが思ったより大きかった、安室奈美恵とか
洋楽(英語圏)、J-POP、自国(K-POP)が同じぐらいの比率だったんじゃなかろうか
最寄り駅はどこだったかなぁ
★★★★

3.Yesterday
Beatlesの同名曲とはまったく違うシティポップな曲
80年代後半~90年代のJ-POP的といいつつ音作りは今風
リバーブが少なく、各パートの音に芯がある
聞いていて心地いい、声もソリッドでぴったりジャストな音程に切り込んでくる
スムーズ、少しファンキーなカッティング
山下達郎もそうだし、Shogunとかもかなり洗練された音作りだった、探偵物語かな、Bad Cityは名曲
J-POPらしさがあるがプロダクション的にアニソン感は薄い
とはいえアニメで使われたらハマりそうな曲
歌い方がカラッとしている
★★★★

4.A Day For Love
少しミドルテンポのバラード
ただ、歌い方はサラッとしている、この切り込む感じは好き嫌いがあるかも
エモ感がないので個人的には洗練されていて音像に合っていて好み
ビブラートも少なく、ブレスとか色っぽさも必要以上に強調しない
とはいえきちんと発声されていて説得力がある
可愛らしい声だがきちんとボーカルの力がある
歌メロはメジャーとマイナーが適度に出てくる
あまり難しいテンションコードは出ない、ポップなメロディ
ルーツは、、、やはり日本のシティポップだろうか
あまり伝統音楽の影響は表立っては感じない
★★★☆

5.pit-a-pet
少しデジタルでおもちゃ的な音が入る曲
とはいえデジタルデジタルしていない、ボーカルはボコーダー感はない
音程補正はしているのだろうけれど不自然感はない、今は補正技術凄いからね
そうだ、K-POPでクラジクワイプロジェクト(つづりは忘れた)というアーティストがいたがそれを思い出す
ただ、韓国語なのだが響きが洗練されている、グローバルで通用する
非英語圏の音楽(J-POPも含め)はやはり言語の節回しというのが強いのだけれど、最近のK-POPは無国籍感がある
それが特徴とも言えるのだけれど
ところどころJ-POPのように英語が入っていたりするように聞こえるが、シームレス
節回しとかリズム、音節が「心地よいボーカル」として一本化されている
洗練されたボサノヴァにもこういう発声のアーティストはいるなぁ
★★★★

6.Cherries Jubiles
イントロのギター音、ベース音のスライドが心地よい、シティポップ
メロディの作り方も上手い、コード進行が美しい
リズムはしっかりあるし軽快だが、それほどダンサブルではないしアイドル的でもないように思う
やはりシティポップの文脈、しかし日本人とはいえこのアーティストがK-POPから出てくるのは面白い
海岸のドライブ、それこそヤマタツのFor Youのジャケットみたいな世界観
ヒロ・ヤマガタ的な、カラフルでどこか戯画化された世界
ベースが唸り、ボーカルが爽やかに入る
韓国語なのだが日本語のようにも聞こえる瞬間がある
意味よりも響き、発声法
心地よい
★★★☆

7.I Need A Friend
電話と語りから、少しミドルテンポ、岡村靖幸のカルーアミルクをふと思いだした
男女の会話、女のため息、機嫌を取るような男の声、すねた女の声、口説く男、テンションが下がる女
会話で寸劇がありスムーズなリフ、メロディが続いていく
インタールード、語りで終わり
★★★

8.SHADE
マイナー調、80年代アイドルポップス的な曲
テンポは軽快だがマイナー
ややビブラートが入るボーカル
中森明菜的なメロディ、歌い方はアニソン的
タッチとかそっち系、ダンバインとかの熱唱系ではない
しかし言葉の載せ方がスムーズ、「日本語ではない言語」なので意味は分からないが、英語なみにスムーズにリズムに乗せている
こうした言葉の載せ方はここ10年のK-POPの発明と改善なのだろう
ミックスとか録音方法、イコライジングで言語特有のアタック音とかを均している気がする
★★★★

9.All Fights are delayed
空港のシーンから、SE
雨音がする、ゆったりとしたスローリズム、メロウなバラード、息遣い
少し追憶する、スモーキーなキーボードフレーズ
日本語で「どうしよぅかなぁ」が入って終曲、インタールード
★★★

10.NEON 1989
軽快な、アニメソング的な、とはいえはじけ切らず少し陰がある曲
最近のCity POPリバイバルの文脈のアーティストだが、K-POPシーンから出てきたのが面白い
歌メロも不必要に上下にフラフラせずしっかり下降なら下降、上昇なら上昇する
迷いが少ない、自信を持って慣らされる音
音程が迷う、心情の迷い、音の表現が感情と一致している
短い曲、そのまま次の曲へ
★★★☆

11.Cherries jubiles(Acoustic Ver)
6曲目のアコースティックバージョン、歌い方はそれほど変わらない
安定している、アコースティックだが生々しさより洗練、流線型の音像
なめらかにギターの音が流れていく
ボーカルも低位はしっかりしているが息遣いのような生身感は少ない
ポップスとしてのボサノバのスタイル
凝ったメロディ、歌謡曲的
アコースティックでも聞ける
でも元のアレンジの方が好きかな
★★★

全体評価
★★★★
面白くて心地よい、CITY POPだしJ-POPの洗練を感じるのだけれどK-POPの音作り
韓国で挑戦する日本人アーティストというストーリーと音像が一致しているし、完成度が高い
シティポップに影響を受けてリバイバルするアーティストはいくつもいるが一線級だと思う
音作りは過度にリバーブをかけていないし、音色などはいくつかオマージュも感じるが「今の音」に感じるの好印象
完成度が高く、聞いていて心地よいし、かといって懐古主義すぎず新しさも感じる
いいアーティスト、K-POPとしてはかなり好み
※この日、ヘッドホンを新調したので「音がよく聞こえる」というバイアスはあるかも

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