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Bloodywood Rakshak Tour @ Spotify O-East 2023.6.29

ついに、Bloodywood初単独来日公演の日が来ました。初ライブ。昨年、まさかのフジロックで初来日を果たすとは思っておらず、観に行けなかったんですよね。涙を飲んだ初来日から1年。待望の単独公演。

Bloodywoodと最初に出会ってから4年。新しいメタルの可能性を感じてメタルを本格的に聴き直すようになり、このブログを書き始めたきっかけでもあります。四年前、当ブログ最初の記事がこちら(その後も加筆修正しています)。

会場は渋谷Spotify O-EAST。このハコは1階と2,3階で別のライブハウスが入っているのですが、1階のDuoではグラハムボネットバンドの公演を行っていました。アルカトラスのTシャツ来た人いたから渋いなぁと思ったらこっちだったんですね。納得。

グラハムボネットバンドの観客を横目に見ながら2階へ。どんどん観客が入ってきます。

東京公演はソールドアウト。こんなに人気があるとはやや意外でしたがフジロックでもだいぶ話題になりましたし、一度聞くと忘れられないインパクトがありますからね。客層はメタラーとハードコアの人とフジロック経由の人が混じっている感じ。メタラーとハードコアって今ではかなり重なっていますけれどもともとノリがちょっと違いますよね。モッシュとかダイブとかハードコアの文化。メロイックサインとヘドバンはメタラーの文化。今はすっかり混じってますけど。

7時開演予定が15分ほど押してオープニングアクトのMelt4がスタート。名前とメンバーは渋谷サイクロンで見かけるので知っていたのですがライブを観るのは初。思ったよりライブ慣れしているし観客も盛り上がっていました。渋谷METAL-KAIの人たちが前の方にいたのかな。

ステージアクションはセックスマシンガンズみたいな明るく楽しいジャパメタという感じ。80年代~90年代的スラッシュメタル+ジャパメタ(日本的な歌メロ)という感じです。「僕らはみんな生きている」をカバーしたのは面白かった。ドラムのアクションがかなり大きくて勢いがありました。フックのある歌メロで行くのかリフで押して行くのかあいまいな感じがやや惜しい。

Melt4が終わって30分弱、20時15分についにBloodywoodがスタートします。最初から観客の盛り上がりが凄い。こんなに人気と熱気があったのか。早々にモッシュピットが出来ていきます。ノリがハードコア。

観客のノリはめちゃくちゃハードでしたね。Download JapanのパンテラやKnotfesのSlipknotの前の方を超えるんじゃないかぐらい。ずっと観客がハイテンションでした。何か日本人の本能に訴えるリズムがあるのか。横笛の音が祭囃子のようにも聞こえるんですよね。

Dana Danのサビでは大合唱が。分かりやすいし歯切れがいいし、合唱しやすいですものね。

直接ライブを観て感じたのはKornとの関係性。Kornはあまり知らないバンドだったんですがライブで見たらめちゃくちゃグルーヴが強くて体が動き出したんですよね。Skindredとかもそういう傾向。グルーヴが強靭。

あと、基本的にギターはリードを取らない。メロディを奏でないんですよね音の塊、ドローン的なノイズアンビエントの役割と、リズミカルな打楽器としての役割を果たしている。基本的にあまり音階移動しない、音程を意識させないリズミカルな音の塊。そしてリード楽器としてときどき横笛。Kornもギターは基本的にメロディを奏でないしリード楽器で時々バグパイプが出てくるので構成的にもちょっと似ています。

今回の来日メンバーは6名。ボーカル、ラップ、ギター(兼横笛)、ベース、ドラム、パーカッション。横笛とパーカッションがBloodywoodのインド音楽要素を強めています。横笛のことを「フルート」とMCで紹介していましたが、多分バーンスリー(インドの横笛)だと思います。インドではバーンスリーのことを「フルート」と呼ぶのかも。パーカッションはドールですね。こうした民族楽器が彼ら特有のサウンドを生み出しています。あとはボーカルの節回し。ところどころに強烈にインド歌謡っぽい節回しが入ってきます。

セットリストはこちら。

Gaddaar
BSDK.exe
Aaj
Dana Dan
Jee Veerey
Zanjeero Se

Machi Bhasad (Expect a Riot)
Ari Ari

Encore:
Gaddaar (v2)

全9曲とけっこう短め。ただ、MCがけっこう長いんですよね。熱いメッセージを込めていました。社会派バンド感があり、この辺りはハードコアの文化を感じます。主義主張がある、というか、MCが演説的。ライブは1時間15分ほど。最初から最後までどの曲も会場がノリノリで、後半に連れて興奮のるつぼ状態に。ボーカルとパーカッションがフロアに降りてきて最高潮に達します。

とにかく盛り上がるライブでした。まだアルバム1枚しか出していないバンドで、フルライブでも9曲というボリュームとは思えない満足感と完成度。凄い。

外に出たら少し渋谷の景色が変わって見えました。活気と生命力。インド音楽と熱狂のダンスが脳裏に焼き付いている。ああ、ここもアジアなんだなぁ。

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