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2021年 邦楽アルバム20選

かつて50パーセント近かった洋楽のシェアが今は11パーセントぐらいだそう。CDとかフィジカルの売上比率だったと思いますが。ライブ入れてもそれぐらいなのかな。いずれにせよ、邦楽が聞かれている比率がどんどん上がっている、と。日本人は「日本の音楽」を聴く人が増えているわけですね。それ自体はだいたい日本音楽のサイクル通りなんですが、洋楽聴く人はかなり減っているんですかね。確かに邦楽の進化もすごいし、「(海外の)○○らしい」と表現できない日本のアーティストもどんどん増えています。海外、西洋音楽への憧憬ではなく自分たちでオリジナルを生産する、というか。

そんなことも知ってもっと邦楽を聞いてみようと思い立ちプレイリストを作ってみました。2021年にリリースされた邦楽アルバムをチョイス。歌モノ、かつ、日本語で歌っているものを20枚。なお「ベストワールドミュージックアルバム」に日本代表として選んだMONOはインストなので入れていません。あと、Loudnessの「SUNBURST~我武者羅」もサブスク未解禁なので入れず。

こういうベストアルバムは「人気投票」でもある。僕はいろいろなブログやメディアで見ることで「ああ、このアルバムよく見るな」となれば「聴いてみよう」と思うこともあるし、それって情報への接点という意味だと(僕の場合は)ブログとメディアは等価だったりする。昨年、リリース時からよく聞いていたものもあれば、他のメディアやブログ(note)の2021年ベストを見て知ったアルバムもあります。それらを含めて、僕なりの「2021年の邦楽」を知るための20枚。

タイトルとコメントを。

Creepy Nuts / Case

Creepy Nuts(クリーピーナッツ)は、R-指定とDJ松永の2人によるヒップホップ・ユニット。2013年結成、2017年にメジャーデビュー。ヒップホップとポップの融合、ラップポップというか。こういうの日本だと何て言うのだろう。J-RAPでいいのか、J-RAPPOPとか長いし。けっこう尖ったラップパートと、耳に残る歌メロパートの融合がされていてレベルが高いなぁと感動します。言葉のチョイスも面白くて「何を言い出すんだろう」という興味が惹かれます。普段と違う視点をくれる言葉が音楽に埋め込まれているのは好き。「土産話」で「相方、大事になったな」というのでなぜかシバターと久保優太の顔が浮かんで仕方がない。すぐ忘れるのだろうけれど、今現在「思ったより大事になったな」と言えばこれだろという。こういう人、時それぞれ連想するものを引き出してくる言葉のチョイスが飛び出してきて意識を持っていかれます。日本語歌詞の醍醐味。

パソコン音楽クラブ / See-Voice

パソコン音楽クラブ(パソコンおんがくクラブ、PASOCOM MUSIC CLUB)は、2015年に結成した、らくたむ(代表)、柴田、西山、塚越、まほちゃん(マネージャー)、ヴァージニア州(※人の名前)からなる日本のDTMユニット。テーマは"DTMの新時代が到来する!"。現在は主に柴田と西山を中心に活動。2020年のCDショップ大賞を取っている様子。これはVaperwave的な流れを汲んだ音像。Vaperwaveってもともとは「ネット上にある打ち捨てられたもの(90年代の残滓)を組み合わせて面白がろう」というものだった。マルセルデュシャンの「泉(トイレの便器を芸術作品ということにした)」とか、ウォーホルのレディメイド(既製品を並べ替えることで芸術性をあぶりだした、キャンベル缶とか」に近い発想から生まれたものだったんですよね。「あったなぁ」という郷愁というか、そういうネット文化、サブカルチャーとして泡沫で消えていったものを組み合わせて面白がっていた匿名性が高いものがVaperwaveであり、彼らもその流れを汲んで90年代のJ-POPの中で忘れ去られたものとかチープな音色とかをうまく組み合わせつつシティポップを作り上げている印象。そういう打ち捨てられたもの、忘れ去られたものの郷愁と価値を否定するようなチープな音色が混じるポップスが不思議な気楽さで聴ける普段着かつ高品質のユニクロのような作品に。よく見るとオシャレっしゃオシャレだし、安っぽいといえば安っぽいけど着やすい(聴いちゃう)。

桑田佳祐 / ごはん味噌汁海苔お漬物卵焼き feat. 梅干し

新世代から見ればアイコンであり「記号」として利用もされる桑田佳祐。本作も「桑田印」のイントロ、節回し、リズムのユニゾンとド直球で王道の内容。もともとリリースする予定はなかったけれど、最近発表していた曲が溜まっていたのでまとめてリリースしましょう、ということでリリースされた作品。なので奇をてらうコンセプトがなく単純に「桑田佳祐が作ったポップス」が詰まっている。好きなんですよ。同時代のポップスの中でいまだに「領域を切り開いている感」があるのは凄い。「SMILE」は良曲で、こういう内容、展開の曲を衒いもなく歌えるのは「国民的歌手」を引き受ける覚悟が今の桑田にはあるからだろう。40年前は桑田佳祐がこんな歌を歌う(歌える)ようになると誰が想像できただろうか。桑田佳祐についてはこちらの記事もどうぞ。

折坂悠太 / 心理

皆さんベストに選んでますよね。いいアルバムでした。何度も聞いているとちょっとポップスとしての完成度には物足りないところもあるのだけれど(生活空間にBGMとして流すとややマニアックな領域に閉じている)、純音楽的に「じっくり聴く」には適したアルバム。まぁ、今回選んだ20枚は「ポピュラー音楽(ポップス)であろうとするともの」と「ポピュラー音楽から逸脱を目指すもの」が両方あるのだけれど、このアルバムは本質的には後者の方かなぁと。日本的なお囃子や節回しを取り入れつつ同時代のジャズの語法、音響的手法を用いたアンサンブルで空気感を作っている。キャリアを重ねてボーカルの説得力がもっと上がっていけば唯一無二になると思います。20年後の国民的歌手候補。レビュー

betcover!! / 時間

これもベストアルバムでよく見かけるアルバム。独特な存在感があったアルバムでした。正直、レビューを書いたときとそこまで印象は変わっていなくて「何度か聞いているうちに良くなってくるだろう」と感じつつまだそんなに聞き込めていません。だけれど「また聞かなきゃ」という感覚がある。たぶん、2021年の邦楽史における重要なアルバム(後から他のアーティストに影響を与える原点)になるだろう、という感覚がするからかな。強く「オリジナル性」を感じたので斬新な音楽表現手法がいくつも発明されているのでしょう。だからそれが波及していくはず。レビューはこちら

君島大空 / 袖の汀

これは人様のベストアルバムnoteをめぐっていて出会った1作。名前だけは知っていたんですが女性だと思っていました。男性SSWで、しかもめちゃくちゃギターが上手い。まだそこまで聞き込めていないんですが向こう髪は名曲。1995年生まれで2014年(19歳)から活動を始め、SoundCloudに自身で作詞/作曲/編曲/演奏/歌唱をし多重録音で制作した音源の公開を始めたそう。ライブ見てみたい。

Templay / ゴーストアルバム

Templay(テンパレイ)は2014年結成の3人組ロックバンド。本作は4作目のアルバム。これもベストアルバムでよく見かけるアルバム。様々な音楽的要素を詰め込んだアルバムで面白い音作り。正直まだ聞き込んでいないんですが、今回プレイリストに入れたタイミングで聴いていこう、と。「2021年の邦楽」を概観するためのチョイスとしては入れるべきかなって。個人的には”くるり”に近いものも感じました。くるりも2021年にアルバム「天才の愛」を出して日本的なもの(浪曲とか)に接近していました。2回目の東京五輪を機に「昭和回帰」と「平成総括」が起きたのかも。

東京事変 / 音楽

noteで誰かが「スーパーバンドがスーパーバンドのままで戻ってきたアルバム」みたいな表現をされていて、「ああ、いい表現だな」と。東京事変の出始めのころは変に小難しいことをやりすぎていて椎名林檎のソロの方が好きだったんですが、いつの間にかバンドとしてのアンサンブルも向上して椎名林檎の世界観を増幅する最強の音楽装置に。すごいプレイヤーを集めたらすごい作品が生まれるわけでもないので、これは長年の蓄積がバンドとしてのまとまりを生み出した例。さっき五輪の話を書いたから思い出しましたが五輪の音楽監督やってたらどうなったのだろう。降りて正解だったかもしれませんね。あの一件は「否定することを前提に動く人たち」の恐ろしさを感じたけれど、渦中にいたミュージシャンはその体験を次にどういう音楽に変えるのだろうという興味も持っています。

Official髭男dism / Editorial

ものすごく盛り上がるポピュラー音楽。ハードロック的ダイナミズムも感じて、個人的にはTake Thatとかロビーウィリアムズを思い出しつつメロディ展開の速さ、大仰さはむしろ超えてきているなと。ポップの祝祭感をアップデートしてみせたアルバムで、これが今後の基準になるのかな、と。King Gnuとかもそうですがメロディ展開のめまぐるしさは世界的に見ても例を見ないほど複雑かも。個人的にこのアルバムを聴いて最初に思い出したのがクィーンだったんですよね。音の重ね方や盛り上がり方。だけれどクィーンはそうはいっても今聞くとここまで展開は早くない。70年代デビューのバンドですからね。なのでその流れを汲むTake Thatやロビーウィリアムズが類例として浮かんだんですが、あれよりアッパー。このプレイリストの中でもシャッフル再生しているとこのアルバムからの曲が流れるとテンションが上がるというか、強制的に盛り上がる感じがあります。好き嫌いはさておき、凄い祝祭感とアッパーな音が詰まりまくったアルバム。案外ロック色も強くて曲によってはBump Of Chicken味も感じたり。レビューはこちら

FNCY / FNCY by FNCY

ベテラン3人組によるヒップホップ、ポップユニット。m-floをアップデートしたような。それぞれのスキルも高いし言葉のチョイスもいいしメロディもいいし、ということでチョイス。大麻所持によるメンバー逮捕を越えての2ndアルバムが本作。こういう「しでかした後の復帰作」って名作になることが多くて、日本だと槇原敬之の「太陽」とか最高傑作だと思っているし、やっぱりいろいろ考えるんでしょうね。いろんなものが打ち砕かれる、同時に新しいストーリーを作っていかなければならない、全部さらけ出すしかないというか、今まで作っていたものと別のものを作るしかない。その余白が創造性を刺激するのかもしれません。細かいことを知らずに聴いて耳が惹かれたアルバムなんですが、いろいろ調べていってなるほど、と。もちろん、ダメになる人もいるんですけれどね。生き様が出る。結局のところ作り手の生き様を含めて音楽なんですよね。「誰が作ったか」は切り離せないので、そこに共感できることもあれば共感できないこともある。なお、僕は音楽が先にあるタイプで、だからメイヘムの1stを聴いて「かっこいいなぁ」と思うことがあれば、つまり「若気の至りで人を殺していたのかもしれないなぁ」という自己反省と「そうならなかったのは幸運だったなぁ」になる。逆の「ストーリーから音を選ぶ」よりは「音の印象が先で、その後にストーリーを考える」方が好きです。そうじゃなきゃ音楽でなくていいじゃん。

家主 / Doom

最初、Doomの新譜かと思ったという。でもまぁあまりにジャケの雰囲気やタイトルのテイストが違うし、ああ「家主」の「Doom」なのね、という。で、確かに1曲目はDoomっぽいというか「暗鬱」という意味でのDoomではある音像。音楽ジャンルとしてのDoom Metalではないけれど。歌メロは日本のインディーロックの王道的なメロディで、それにややドゥーミーなリフやサウンドが絡み合うというサウンド。面白かったのでもっと聞いてみようと思ってチョイス。沖縄出身の田中ヤコブを中心としたロックバンド。

筋肉少女帯 / 君だけが憶えている映画

実はね、最初このプレイリストは10枚だけだったんですよ。FNCYで終わり。だけど、「2021年邦楽」ということだと筋少入れたいな、と。だけれど浮くだろうなぁ、と思ったけれどまぁ試してみようと思ってプレイリストに入れてみたらあら意外、そんなに浮かないんですね。今の邦楽って包容力が高いなぁというか、そもそも最初に選んだ10枚もけっこう客観的に見たらマニアックな音像なのかも。筋少が混じってもそんなに違和感ないという時点で。で、もう10枚追加して20枚になった、と。こうして改めて並べてみるとこのアルバムは2021年の他の邦楽アルバムに並べてみても音の方向性や説得力に違和感がないんだなぁ、筋少は今を生きる現役バンドなんだなぁと思いました。個人的にずっとファンなのであまり客観視できないんですよ。後、孤高の存在だと思っていてあまりほかのアーティストと一緒に聴くことがなかったので、プレイリストに混ぜてみて、ふと筋少が流れてきてもそれなりに溶け込んでいることは発見だったというか。音像だけだとそんなに極端じゃないですからね。意外とJ-POPというか「同時代のポピュラー性」もあるんだなぁと。筋少については語りだすと長いのでレビューはこちら

人間椅子 / 苦楽

筋少と人間椅子、2021年ですよ。2021年に筋少と人間椅子が揃って傑作をリリースしたという事実。今年のベストヘヴィメタルで実は日本代表にしていたんですが、年末リリースされたラウドネスを選んでしまったという。だけれどこれも名盤ですね。たどり着いた境地、というか、開拓しつづけている現在地点というべきか。過去を踏まえ、未来を見据え、現在鳴らされている音がある。着実に進化を続けているタイプのバンド。ここ数作その印象が変わらないのは凄いことだと思います。ホームランを打つわけでなく、ただ、少しづつ飛距離を伸ばしている。こうして並列に2021年の邦楽と並べてみると人間椅子の現役感が良く分かります。レビューはこちら

クレイジーケンバンド / 好きなんだよ

東洋一のサウンドマシーン、クレイジーケンバンド。昭和歌謡のカバーアルバム。「昭和歌謡」をキーワードにデビューし、その後ソウルやロックンロールへの傾倒を続け、ヒップホップを飲み込みブラックミュージックとJ-POPの融合を追求したのち、独自の境地のたどり着いたCKBが再び昭和歌謡に真正面から取り組んだ作品。最高級の逸品に仕上がっています。そこまで奇を衒った斬新なアレンジはなく、しっかりと原曲を活かしつつCKBのいぶし銀のグルーヴ感覚、自分たちを東洋一の「サウンドマシーン」と呼ぶ意図どおり、音響的に心地よく迫力がある2021年のサウンドで昭和歌謡を再演している作品。昭和歌謡といいつつシティポップも含むし、J-POP(80年代半ばぐらいに確立された)初期の作品が主体。ルーツ、原典の参照ということで今回のプレイリストの中で良いスパイスになる存在。ここから30年、40年が経過して変わったものもあれば変わらないものもあります。

Not Wonk / Dimen

これもベストアルバム常連、いろいろなところで絶賛されていたんですが正直最初聞いたときはそこまで分からなかったんですよね。英語詩なのもあり、確かに良質なオルタナティブロックだけれど、図抜けた作品なのかは分からず。ただ、こうしてプレイリストに入れるとやはりこのアルバムからの曲は耳を惹くというか確かな説得力があります。音そのものの迫力というか。歌メロも陳腐さがない、聞いていてがっかりすることがないし、凄いアルバムなのかなぁ。去年12月にNot Wonkとbetcover!!のツーマンライブがあったんですよね。行きたかったのだけれど別件があって行けなかった。見たかったなぁ。ライブを観ると何に心惹かれているのかもっと理解できたと思います。

Damian Hamada's Creatures / 魔界美術館

実は聖飢魔Ⅱはそんなに聞いていなくて。ダミアン浜田閣下の曲が好きなんですよ。だからDHC(Damian Hamada's Creatures)がむしろ好きというか、DHCからファンになったという口です。本作は閣下が過去に出していたソロアルバムをDHCで新録したアルバム。これ、女性ボーカルで歌いなおすことによって今のJ-POPの中に入れても違和感がないというか、今回のプレイリストに入れても違和感が少ないんですよね。もともとかなり丁寧な曲構成をする悪魔(人)だし、メロディ的に遜色ないのはもちろんなんですけれど、音作りもモダンで聴き劣りしない。エクストリームメタルと違ってポピュラー音楽の範疇に重なる部分があるというか、流れた瞬間「うるさい!」と怒られないというか。「好きな人だけ聴けばいい」という閉じた感じではなく、より幅広く聞かれるポピュラー性を備えた音になっています。レビューはこちら

宇多田ヒカル / One Last Kiss

これはアルバムではなくEPですが、2021年もっとも印象に残った曲と言えばこれだったかも。ミドル90年代の一つの象徴であるエヴァンゲリオン、バブル崩壊後の90年代後半、誇大妄想が現実に害をなし、サブカルが内省化していきリアルとフィクションの境が消失していく、「フィクションが自由であった時代」が終わっていく。そのエヴァンゲリオンがついに2021年に見事に完結。フィクションがリアルに繋がっていきました。この曲と共に。

Grapevine / 新しい果実

ベテランバンドの意欲作。Grapevineってそんなにきちんと聴いたことがなくて、正直レミオロメンと混じっていたというか「粉雪の人ね」みたいな感じだったのできちんと聴いたのは初めて。本作は粘り気のあるグルーヴがあって驚きました。いいバンドだなぁ、と。こういうねちっこさがあるロックってけっこう日本語に合う感じがするんですよね。「家主」も近い感じがあるかもしれない。このアルバムもさまざまなベストアルバムでそこそこ見る印象です。レビューはこちら

カーネーション / Turntable Overture

こちらもベテランバンド、カーネーションの新作。このアルバムは逆にベストアルバムとかであまり見かけないのはなぜなんだろう。家主、Grapevineとかに近い空気感があるし、メロディセンスもぜんぜん劣っていないと思うんですけど。ちょっと音響面が弱いのはあるかもなぁ。音のレンジが狭め、というか。だけれど常にいい曲を作るバンドで、ピロウズやレピッシュと並んで一つのJ-Rockの元型(アーキタイプ)を作ったバンドだと思いますけれどね。ムーンライダーズのある部分を掘り下げたというか、より「90年代以降の邦楽のバンドのメロディセンス」みたいなものに影響を与えた気がするバンド。本作もいいアルバムです。

大森靖子 / PERSONA #1

最後は大森靖子。彼女は「ポピュラー音楽を創ろう」としているのだろうけれど、結果としていつも「ポピュラー音楽から逸脱してしまう」という逸材。このプレイリストの中でも彼女の歌が始まると耳障りというか、BGMにはならないですからね。「聴け!」みたいな圧が凄い。もともと弾き語りをしていて、弾き語りでいろいろなイベントに出たり対バンしているから「聴け!」みたいなスタイルになっていったと語っていますが、その本質はあまり変わっていない。本作は他者に提供した曲をセルフカバーするということで多少アクが薄れていて聴きやすいんですが、それでも並べてみるとやっぱり「聴け!」感は強いですね。Avexという今や日本ポピュラー音楽ど真ん中のレーベルに所属しているのに。もともとAvexは異端児でしたが、彼女のようなアーティストを抱えているのはその「異端さ」を保っている証左なのかな。「居心地の悪さ」さえも取り入れて音楽にしてやろう、という試みをずっと続けているアーティスト、と位置付けることもできるかも。レビューはこちら

以上、2021年の邦楽を僕なりに総括した20作品でした。それでは良いミュージックライフを。


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