ノルウェー初のモダニスト詩人ロルフ・ヤコブセンについて
一つの言語を習得する以上、その言語の文学作品を読みたいと思うのはごく自然な欲求だろう。今回は、『アレ』Vol.8の巻頭言でも触れていたが、ノルウェー初のモダニスト詩人であるロルフ・ヤコブセン(1907~1994)について紹介したいと思う。
彼は「ノルウェー文学」という括りでは本来であれば絶対に外すことのできない詩人であるにも関わらず、これまで日本ではドイツ文学者である飯吉光夫による紹介を除いて、ほとんど触れられてこなかった。それも、1990年10月刊行の『現代詩手帖』に彼の