マガジンのカバー画像

不思議な童話

5
昔子供だった大人のための童話
運営しているクリエイター

#創作童話

『虹色ずきんちゃん』

昔あるところに、白ずきんちゃんがいました。

白ずきんちゃんは、自分のずきんが真っ白な雪が降ってるような色で、とても気に入っていました。

でも、本当は心の中でどこか寂しさを感じてました。

それは色がたくさんある世界で、自分だけが少し仲間はずれのようで。

ある朝、起きたら少しだけ外の世界の音が違ってるような気がしました。

いつもと何が違うんだろう。。。

確かめたくて、外に出てみました。

もっとみる
童話「ウソツキツツキの鳴く島」

童話「ウソツキツツキの鳴く島」

そこは、いつも霧に包まれた不思議な島。

ウソツキツツキが「ソーツキ、ソーツキ」鳴き、本の鳥が羽ばたき、みかんジュースの瓶の音がする雨が降ります。

もぐらのグラは、雨がやんだ後の森を散歩しながら森の声を聞くのが好きでした。

その日も、いつものように月の光を道しるべに歩いていました。

クリームソーダ色した風が、時折グラのひげをかすめては、闇に消えていきます。

グラは、明日を探していました。

もっとみる
童話「ねこのこのね」

童話「ねこのこのね」

ねこは、いつも1人になりたがっていました。というよりも、いつも1人でした。それはさみしいからでもなく、苦しいからでもなく、ただ眠たかったから。

誰にも会わず、ずっと眠っていたかった。
誰にも会わず、ずっと眠っていたがった。
誰にも会わず、すっと眠りにつきたかった。

ある朝、起きたら夜でした。夜起きたのに、朝起きたと思っていた。
夜なのに朝のような、朝のような夜。
そんな日のお話です。

にゃあ

もっとみる