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読書履歴#13_心理的安全性1_学習しながら成長する組織

読書期間 2022年5月10日~5月13日

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はじめに


最近マネジメントの新たな重要概念として話題の心理的安全性について興味があったので話題の石井遼介氏の著書を購入してみました。
(個人的にはJMAMの出版であることも大きな要因)

最大で40名の部下を持ったことがありますが、
・全員とちゃんとコミュニケーションが取れていたか?
・全員からちゃんと相談を受けていたか?
・全員といわずとも主要メンバーと1on1を実施したか?

と自問すれば答えはNoです。
どこかで「自分の仕事が忙しい」「喋りやすい人と相談する」「部下が気を遣ってしまうのであまり声をかけない」と考えていたと思います。

心理的安全性を学習することで、マネージする側ももちろんですが、される側もの気持ちも理解できればと思っています!

文字数:約5,400

参考図書

第1章 チームの心理的安全性


1.心理的安全性とは

心理的安全性とは、メンバー同士が健全に意見を戦わせ、生産的でよい仕事をすることに力を注げるチームおよび職場
・心理的「非」安全性とは、自分の発言について他のメンバーから「こんな風に思われるかもしれない」「何か仕打ちを受けるかもしれない」といった対人関係のリスクを感じる状態
・つまり良かれと思って行動しても、罰を受けるかもしれないリスク
<対人リスクの4つのカテゴリ>
①無知:必要なことでも質問せず相談しない
例)要求を理解するために質問したいが聞くと何も知らないやつと思われるかも

②無能:ミスを隠したり、自分の考えを言わない
例)上司の方針に疑問があったが意見を言うと面倒なやつと思われるかも

③邪魔:必要でも助けを求めず、不十分な仕事でも妥協する
例)依頼している仕事の進捗を聞きたいがリマインドすると面倒なやつと思われるかも

④否定的:議論せず、素直に意見を言わない
例)素直に意見を言うと空気が壊れたり嫌われたりするかも

心理的「非」安全な職場は、いつのまにかメンバーが必要な行動をしなくなってしまい、「チームの学習」という観点から問題を及ぼす
①挑戦がリスクとなる
②メンバーの知見をチームの財産に変えれない

心理的安全性の作り方
ISBN978-4-8207-2824-5 C2034
P22〜27

◼️心理的安全性の向上=学習するチーム

・チームの心理的安全性はチームパフォーマンスの先行指標
・心理的安全性はまずチームの学習を促進し、その結果として中期的にパフォーマンスが向上する
・そもそもチームとは「共通の目標に向かって互いにアイデアを生み出し、共に問題に取り組む集団」
・心理的安全性とは「外交的で、アットホームで、単に結束したチームで、すぐに妥協するヌルい職場」ではない
・心理的安全性はチームのためや成果のために必要なことを、発言したり、試したり、挑戦しても安全(=罰を与えられない)こと
・心理的安全性=ヌルい職場と言う誤解は「仕事の基準」という重要な軸がない状態
仕事の基準を高くすることは、単に高い目標を設定することでなく、リソース(ヒト、モノ、カネ)制限の中で生じる妥協点を高くすること(ハイ・スタンダード)

<心理的安全性×仕事の基準の4つの象限>
①心理的安全性:高×基準:低→ヌルい職場
②心理的安全性:低×基準:低→サムい職場
③心理的安全性:低×基準:高→キツい職場
④心理的安全性:高×基準:高→学習して成長する職場


<学習して成長する職場の4つの努力の源泉>
①サポート:成果が出ていない時にも罰や不安でなく相談に乗ったりアイデアをくれたりする
②意義:組織・チーム・プロジェクトとして、大義や意味がある目標設定がされて、やりがいや成長実感が感じられる
③みかえり:成果に至る前に、望ましい努力をしているときに承認や感謝を伝えてもらえたり、より適切な行動を促す
④配置:適材適所に配置し、自発的・自律的に努力する

心理的安全性の作り方
ISBN978-4-8207-2824-5 C2034
P27〜43

◼️健全な衝突がチームを育てる

・心理的安全性が高く、仕事の基準も高い組織では、衝突(コンフリクト)が促進される
<3つのコンフリクト>
①人間関係
②タスク:同じ問題や事象について意見が異なる
③プロセス:それは私の仕事でない、とたらい回しになる状況


タスクのコンフリクトだけは、心理的安全性が担保されていれば、会社のパフォーマンスにプラスの影響がある
・学習を促進するために、情報共有と衝突発生の頻度を上げ「失敗から学ぶ」行動を強化する

心理的安全性の作り方
ISBN978-4-8207-2824-5 C2034
P43〜P47

2.4つの因子(日本版)

・日本では「話しやすさ、助け合い、挑戦、新奇歓迎の4つがあるとき心理的安全性を感じる
①話しやすさ
最も重要で土台となる因子
・仕事相手の状況を把握し、多様な視点から状況を判断し、素直な意見とアイデアを募集するために重要
ネガティブな報告でも事実として報告がなされるチーム

②助け合い
・トラブルに迅速・確実に対処する時や、通常より高いアウトプットを目指す時に重要
トラブル時に必要な事実を共有、相談、協力ができる

③挑戦
・組織・チームに活気を与え時代の変化に合わせて新しいことを模索し変えるべきことを変えるために重要
・正解がない中で模索し、実験する

④新奇歓迎
・個々のメンバーがボトムアップに才能を輝かせ、多様な視点から社会・業界の変化を捉えて対応する時に重要
・挑戦因子よりも人に焦点を当てた因子
・マネジメントの手間も引き受け、多様性を活かした個々の才能をかけ算しながら、チームを正しい方向へ向かわせる

心理的安全性の作り方
ISBN978-4-8207-2824-5 C2034
P48〜58

3.変革の3段階

・心理的安全性の4つの因子の向上を阻害する環境要因とも言える変革の3段階がある
STEP1:行動・スキル→変えやすい
・一人一人が行動をとるかどうか
的確なタイミングと品質の行動をとれるかどうか

STEP2:関係性・カルチャー
・STEP1の一つひとつの行動や行動の積み重ねの結果、チームの人々が学習した習慣や行動パターン

STEP3:構造・環境→変えにくい
・パワーバランス、組織構造、ビジネスプロセス、業態上の制約など
直接のアプローチは難しく、認識し「前提」として何ができるか考える

心理的安全性の作り方
ISBN978-4-8207-2824-5 C2034
P58〜P60

第2章 リーダーとしての心理的柔軟性


1.心理的安全性と心理的柔軟性

普段の仕事や業務のなかで、チームの一人ひとりの行動や結果と、組織の周囲の対応の積み重ね(歴史)が、「関係性やカルチャー」を形作っている
・チームの現在の心理的安全性は組織・チームが歴史を経た結果
・一つひとつの行動を変えなくては、チームは変わらないため、「行動分析」と「言語分析」(後述)が必要になる
行動を変えるのは、その変革が大きければ大きいほど大変であり、またそれだけでは難しいこともある。そこで「心理的柔軟なリーダーシップ」が必要になる
リーダーシップは、立場に依らないもので、「他者に影響を与える能力」である
・一方リーダーは立場・ポジションのこと

<リーダーシップのスタイル>
①トランザクショナル・リーダーシップ(Transactional):アメとムチの成果主義
②トランスフォーメーショナル・リーダーシップ(Transformational):ビジョンと啓発
③サーヴァント・リーダーシップ(Survant):メンバーの支え、活躍を支援する
④オーセンティック・リーダーシップ(Authentic):自分らしさを発揮する、弱さも見せる
・これらのうち最良のものをひとつ突き詰めるのではなく、4つのスタイルを組み合わせて使い分けるのが良いリーダー
チームの状況に合わせてリーダーシップを使い分けチームを変えることが出来ることが心理的柔軟性を持つリーダーと言える
・リーダーとメンバーの心理的柔軟性の向上は、チームの心理的安全性を向上させる
・特にリーダーが心理的柔軟であればチームの学習が大きく促進される

<心理的柔軟性の3要素>
①必要な困難に直面し、変えられないものを受け入れる
困難な思考や感情が現れてきたら、それらにオープンであること

②大切なことへ向かい、変えられるものに取り組む
・向かいたい方向や大切にしていることにエンゲージ(従事)して行動に移す

③マインドフルに見分ける
変えられるもの/変えられないものをマインドフルに見分ける
・ここでのマインドフルとは「気づきに満ちている」状態、状況を客観的・俯瞰的に見る事ができる状態

心理的安全性の作り方
ISBN978-4-8207-2824-5 C2034
P72〜100

<参考:リーダーシップのスタイルと心理的柔軟性>

2.心理的安全性を身につける①

・必要な困難に直面し変えられないものを受け入れる要素についての説明
・心理的柔軟性が重要なのは行動を起こす際の心理的な抵抗を減らすこと
<要素①において自分を見直す2つの観点>
1、思考=現実から脱出する
・「若い、若くない」「男性・女性」の仕事という色メガネをかけてアウトプットを見てしまっていることは意外と無自覚
・上述の内容に対して「私はできているな」という思考が頭に浮かぶ時、この思考によって「自分が実際にできている」と現実のように感じる
・これを感じること自体が色メガネを通して見た自分にとっての現実であり、「思考=現実」が簡単に起きてしまっている
「私はできているな」という考えを自分は持っているな、「ほんとかどうか知らんけど」程度に思考を軽く取り扱うことが重要
現実のフィードバックよりも、思考を優先させてしまうことによる問題から、現実のフィードバックを繊細に受け止める感受性が下がってしまうのが問題点

2、イヤな気持ちのコントロールから「受け入れ」
・イヤな気持ちのコントロールを諦め、受け入れる
・プロサッカー選手になりたい人が練習の辛さや大変さを前向きに引き受けるのと同じで、困難な思考や体験があったとき、全ての体験にYESと言えるかどうか

心理的安全性の作り方
ISBN978-4-8207-2824-5 C2034
P101〜120

3.心理的柔軟性を身につける②

・大切なことへ向かい、変えられるものに取り組む要素についての説明
・柔軟性を身につける①では、行動を起こす際の心理的抵抗を減らすための柔軟性
ここでは、前に進むための推進力を与えるもの、つまり行動を増やすための柔軟性

<要素②において重要な二つの取り組むべきこと>
1、大切なことの明確化
・組織のビジョン、ミッション、顧客、自分たちは何のために仕事をするのか、ということを明確にしておかなくてはいけない
2、大切なことに近づく行動
1がコンパスであり、2は明確にした大切にしたいことの方向へ、どのような行動をとって歩んでいくか

心理的安全性の作り方
ISBN978-4-8207-2824-5 C2034
P121〜127

4.心理的柔軟性を身につける③

・マインドフルに見分けるの要素についての説明
・マインドフルに見分けるとは、「いま、この文脈で適切な行動をとる」「いま、この場で進行中の出来事に気づき続けている」
<マインドフルに見分けるための行動>
1、いま、この瞬間への気づきと集中
・これが欠けているときは、過去の出来事を思い出し後悔したり、未来への不安に思い悩んだりしている
「直接体験できない思考の世界」から「直接体験できる五感の世界」へと注目し直す

2、物語としての私から観察者としての私へ
物語としての私とは、自己紹介する時の自分
・心理的安全性とは「チームの中で対人関係におけるリスクをとっても大丈夫とチームメンバーに共有される信念」であり、対人リスクとは自分自身が「無知、無能、邪魔、否定的」と思われるリスク
・この「私=◯◯」と言う自分らしさやキャラが壊れることへの不安があるために成果よりも対人関係に対処しようとしたり、弱さを隠す仕事に従事しようとしたりする
・観察者としての私とは、世界を眺めているカメラ
・自分の思考や感情、感覚や記憶を他人のそれらを眺めているかのように距離をとって観察する
・ACT MATRIXというツールを使うことで、心理的柔軟性を整理することができる

心理的安全性の作り方
ISBN978-4-8207-2824-5 C2034
P128〜152 

<参考:ACT MATRIX>

記入例
より柔軟に役立つ行動へ

<所感>

第1章は心理学安全性とは何で、それが組織・チームにとってどんな効果をもたらすのか
第2章はそれを推進する上で必要なリーダーの持つべき心得

といった感じで受け止めました。

正直2章はかなり端折りました。
哲学的な内容やコンセプチュアルな内容が多く、読んでも正直あまりピンとこない内容が多かったです。

ピンとこない=自分の認識があまり?
あるいは
意外と意識せずリーダーとしての心得を持っている?

と後者だったら良いな、と思いながら次に進んでいきたいと思います。
内容は濃いので、第2章までで5000文字を超えてしまったので、この辺りで一度区切ることにします!

第3章、第4章も読みながらまとめてみます!

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