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PdMをもっと深く知る_#2_何を測るか決める(3つの目標設定)

最近本屋に行くとよく目にするProduct-led Growth(PLG)はProduct-led Organizartion(PLO)を達成して得られる結果であることが分かりました。

またそれだけでなく、今回の主題であるPdMもPLOありき本領発揮できることも分かりました。
というよりかは、CEOおよびPdMがPLOの達成を目指すところから始まることも多いかと思いました。

今回からはデータを活用した組織をテーマに学んでいきます。
文字数:約4,100


参考図書

第1部 データを活用して優れたプロダクトをつくる

・直感や過去の経験に頼ってプロダクトに関する重大な意思決定はもはやできなくなっている
・定量/定性データの両方でどのようなものを計測するべきかとその理由およびそれをどのようにして実用的なインサイドに変えるかについて取り扱う
戦略上と運営上の目標、および顧客の目標を達成するために追跡が必要なメトリクスを取り扱う
・メトリクスの難しさは、無限に近い可能性の中から選択すること
・メトリクスの選択は目標を念頭に置き、常にWhyで思考する

プロダクト・レッド・オーガニゼーション
顧客と組織と成長をつなぐプロダクト主導型の構築
ISBN 978-4-8207-2955-6 C3055
P23、24、32

1.終わりを思い描くことから始める

◼️戦略上の目標の計測アプローチと従来型メトリクスの違い

・スティーブン・コヴィーの7つ習慣における第2原則
・PdMはWhyを仕事に結びけること
目標設定の際、SMARTフレームワークを使うと良い
  Specific(具体的)     :何を達成し、どんな行動をとるのか
  Measurable(計測可能)   :進捗を把握するデータの取得方法
  Attainable(達成可能)   :コンサバ過ぎず、現実的な目標
  Relevant(関連性)    :戦略上の目標とのつながり
  Time-bound(時間的制約) :達成までの時間を定義する

◼️ 戦略上の目標設定:ビジネスケースを作る
①ターゲットは誰か
・プロダクトの初期段階でWhoをドキュメントに落とし込むことは極めて重要
Whoを誤ると間違った結果を計測することになる

②どんなペインに対応するのか
・対象とする顧客が直面している解決すべきペインを深く理解する
・人から言われて作るソリューションではイノベーションにたどり着けない。顧客を正しく理解し、共感することでイノベーションが生まれる
・顧客が本当にもとめているものを、データやメトリクスで見極めることが重要

③望ましい成果とは
・ペインが顕在化していれば、何かしらのソリューションを顧客はすでに持っている
・新しいソリューションは既存のものよりも格段に優れている必要がある
プロダクトが大幅に優れているかを自問する。
潜在的なペインの場合は、別の課題が発生する
・別の課題とは、そのペインの存在、価値、ペインを無視した場合の悪影響について購買決定者にアドバイスしなくてはいけない
B2Bソフトウェアでは一般的に次の3つの成果を目標としている
A)収益
+プロダクトが顧客獲得や維持に影響を与え、収益の増加にどのように貢献するか
B)コスト
+新しい機能はコストをどのように削減するか
C)リスク
+ビジネスリスク、環境リスク、市場リスクをどのように軽減するか

プロダクト・レッド・オーガニゼーション
顧客と組織と成長をつなぐプロダクト主導型の構築
ISBN 978-4-8207-2955-6 C3055
P33〜38

◼️ビジネスケース作成時のアプローチ

・収益の向上が最も重要なファクターであるが、この戦略上の目標をどのように達成するかを具体的かつ詳細にしなければいけない
・収益の見込みと仕事の優先度を合わせてしまうと、PdMが大口顧客からのよくある機能要望を選ぶことになってしまう
・これは収益向上の手っ取り早い方法だが、すべての数字が大きくなると何が重要かの判断が難しくなる
・したがって重視すべき経済的な指標は収益だけではない

◼️ 経済的なインパクトを作り出すフレームワーク
①SAFe (Scaled Agile Frameworks)
・次の3つのスコアリングを行う
3つのスコアは全て相対的な数値となるので基準作りが必要
スコアが低いと分かっている代表的な作業を「1」とし、新しい作業が2倍なのか、3倍なのかを問う
A)ユーザー/ビジネス価値
+具体的な価値の尺度(収益、チャーン、その他の財務上の成果)

B)時間価値
+重大なリニューアル、マーケティングイベント、新しい規制対応など作業項目の適時性を勘案したもの(例:税法の改正に合わせた税務ソフトの改修など)

C)機会の有効性/リスクの低減
+投資による長期的な影響と潜在的な機会を測定
+技術的負債への対応など、一時的にコストが発生するが、中期的に見た品質への好影響など考えられる

②60秒ビジネスケース
「戦略的整合性」「業務上の必要性」「収益」「UXの向上」「イノベーションの価値」「コスト削減」の一連の鍵となる変数に基づく
・これらに重みをつけ、PdMの優先度を加えて合計100点とする

・優れたプロダクトは、プロダクトに関わる優れた人たちが、自分たちのプロダクトは何が違うのか、何が特別なのかについて強い意見を持っている
プロダクトチームや企業は明確な視点を持ち、一般常識に逆らうことを恐れてはならない

プロダクト・レッド・オーガニゼーション
顧客と組織と成長をつなぐプロダクト主導型の構築
ISBN 978-4-8207-2955-6 C3055
P38〜44

◼️運用メトリクス

運用メトリクスとは、ビジネスのほぼすべての領域に存在して、ビジネスがどのように営まれているかを測る
・運用メトリクスは大まかにはKPIのカテゴリー
KPIはガードレールであり、道を外れないように安全のためにハンドルを切るタイミングを教えてくれるもの
・マーケティングにはリード(新規見込み客)やパイプライン(見込み客を受注するまでのプロセス)
・営業は売上、達成率
・財務は粗利率とバーンレート(資金燃焼率)などがある

◼️リリースのその先を見据えた目標
・かつては運用目標=リリースだった
・今はソフトウェアはサービスであり、機能が顧客に定着し、顧客に喜びを生み出す下流へ目標設定をシフトしなければいけない
顧客が何をしているかはアプリ内の行動に現れる
 どの機能が定着しているか?
 どの機能を無視しているか?
 どのようにタスクをこなし、アプリ内を移動しているか?
 どこに喜びや不満を感じているだろうか?
作ることに焦点を置くのではなく、利用を促進し学習し最適化することへ焦点を移す

リリース後の指標
  ①プロダクトの利用状況
  ②定着率
  ③感情(センチメント)
  ④コンバージョン(転換)
  ⑤顧客維持(リテンション)

プロダクト・レッド・オーガニゼーション
顧客と組織と成長をつなぐプロダクト主導型の構築
ISBN 978-4-8207-2955-6 C3055
P 49〜

◼️顧客メトリクス

・クレイトン・クリステンセンのJobs to Be Done(JTBD)はあまりに有名であり、これはプロダクト開発にも通じる
・プロダクトに対して「どんなジョブのために顧客は私のプロダクトを雇用するのか?」と自問する

・JTBDフレームワーク
①メインのジョブ
・顧客が行うべきメインタスクを記述
②関連するジョブ
・メインのジョブに関連して顧客が完了したい仕事を記述

①、②には以下の側面が含まれる

③機能的側面
・プロダクトが提供する基本的な機能
④感情的側面
・機能を利用することで得られる感情や知覚

④の感情的側面はさらに2つに分解できる

⑤個人的次元
・顧客がソリューションに対してどのように感じるかを反映する
⑥社会的次元
・このツールを使用した結果、顧客が他人からどう見られるかを反映する

①〜⑥を自身のプロダクトに適用することで、顧客がどのようなジョブを片付けようとしているのかを理解し、そのニーズに応えるにはどうするかを考えることができる

◼️共感マップの活用
・共感マップとは、ある具体的な顧客について、知っていることを時系列に囚われずに視覚的に描写する方法
・共感マップは4つの象限で対象顧客に関する情報を格納する
①考えていること・感じていること
・言いたくても言えないことなども含める
②聞いていること
・影響を受けている情報や噂も記載する
③言っていること・やっていること
・ユーザー調査の際に実際に顧客が言っていたこと
・もう一つ重要なことはユーザー調査時の顧客の行動
④見ているもの

共感マップは人を反映したもので、要素が複雑で矛盾を見つけることが重要

プロダクト・レッド・オーガニゼーション
顧客と組織と成長をつなぐプロダクト主導型の構築
ISBN 978-4-8207-2955-6 C3055
P 49〜55

◼️まとめ

・まずは終わり(ゴール)を考える必要がある
・プロダクトで何を達成したいのか、なぜ時間とお金をかけるのか、これらの質問に答えるための最初のステップは成功を判断するための3つの目標を明確にする
①戦略上の目標
②運用目標
③顧客目標

・目標が定まれば、目標達成に向けた進捗状況を計測するためのメトリクスを特定する

プロダクト・レッド・オーガニゼーション
顧客と組織と成長をつなぐプロダクト主導型の構築
ISBN 978-4-8207-2955-6 C3055
P 57

<#2_何を測るか決めるの所感>

内容が濃すぎます。
今回はまだChapter1だけなのですが、この本は全3部、Chapter17まであります。

結構長めのシリーズものとしてnoteに投稿することになりそうです。

この本はとにかく実用的です。

決めるべき目標は何か、その目標はどんな意味を成すか、に焦点を当てた教科書的な内容よりも、どうやって設定するかに焦点を当ててくれているので読んでいて飽きないです。

戦略、運用、顧客の3つの視点の目標設定が必要なことを知りませんでした。
全部戦略に一括りしてしまっていましたが、3つに分けると

なんか作れそう

と勇気もらえました。


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