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#7-2 インサイドセールスチームメンバー育成とコミュニケーション

これで最終回です。
毎日更新ができず時間をかけてしまいましたがとても勉強になりました。

この章ではチームのマネージメントについてです。
#7-1ではモチベーション維持、メンバーのキャリアも見据えたスキルの説明でした。

#1:役割
#2:必要性
#3:立ち上げ方
#4:組織の作り方と採用
#5:KPI設計
#6:テクニック
と実用的な内容が続きました。


参考図書

第7章 チームマネージメントの鉄則

④委任と放置の違い

・メンバーの能力開発を目的に新しいタスクを振り分けることになるが「委任と放置」を間違えるとメンバーは疲弊してしまう
・能力と意欲に対するマネジメント方法としてシチュエーショナルリーダーシップII(以降、SLII)があり、人に対して行うものではない

■ SLII
【リーダーシップスタイル】
S1:指示型  <高指示的> + <低支援的行動>
S2:コーチ型 <高指示的> + <高支援的行動>
S3:支援型  <低指示的> + <高支援的行動>
S4:委任型  <低指示的> + <低支援的行動>

【個人の開発レベル】
D1:やる気のある新人 <高い意欲>   + <低い技能>
D2:マンネリ化    <低い意欲>   + <低~中の技能>
D3:ベテラン     <変化する意欲> + <中~高の技能>
D4:頼れるエース   <高い意欲>   + <高い技能>

・未経験のタスクに対して、「この人なら大丈夫」と人起点でマネジメントすることは「放置」
・順調にD1からD4に向かって成長するにつれて徐々に委任に切り替える。ただしこの切り替えが遅いと「なぜ任せてくれないのか」とフラストレーションが溜まってしまう
・常に能力と意欲を把握して状態にあった最適なリーダーシップを発揮する必要がある

インサイドセールス 訪問に頼らず、売上を伸ばす営業組織の強化ガイド
ISBN 978-4 7981-6754-1 P244~247

<所感>

SLIIというフレームワークを初めて知りました。
私自身部下を持つと結構放置してしまっているかもしれません。
というのも私自身が放置されて、都度相談・報告をすることが好きなタイプなので、みんなそれが好きと思っていました。

正直D1からD4を部下に当てはめることは難しくないので、タスクごとに未経験、経験済みなど分けて指示の仕方を変えようと思いました。
とても参考になりました。

⑤ 社内トレーナーの選び方

■ トレーナーが備えておくべき3つの要件
① 言語化(Verbalization)
・社内トレーナーはコンテンツを自身で作成する必要があるため、過去の経験やトッププレイヤーへのヒアリングからノウハウを言語化する
例)プレイヤーAの特徴
「社長と話をするのが得意かも。その会社の歴史が気になりついつい話し込んでしまいヒアリングができない。ただ最後にはなぜが人がを紹介してもらえる」

プレイヤーAのノウハウの言語化
+ 社長のリードに集中して対応している
+ 社長に対して創業の背景や思いをヒアリングすることで信頼を得ている
+ 社長の関係を保ちつつ現場責任者クラスの紹介を依頼する

② 構造化(Structuralization)
・インサイドセールスのトレーニングは多岐にわたるので各コンテンツを構造化して整理する能力が必要
・「能力をレベル分けして必要要件を定義」「レベルに応じた必要なスキルとトレーニングの整理」など

③ バリューフィット(Value-Fit)
・メンバーが安心して相談できる立場になる
組織の大切にしているもの、組織の目指す方向性に共感し苦労しながらも楽しんでいる姿を見せることでメンバーを勇気づける

インサイドセールス 訪問に頼らず、売上を伸ばす営業組織の強化ガイド
ISBN 978-4 7981-6754-1 P248~250

<所感>

直感的にバリューフィットが一番重要ですが、最も普遍的にスキルを身に着けるのが難しいと思います。
同じ相談に対する答えでも、ちょっとした間の取り方や聴き方ひとつで受けての印象は全く異なります。

八方美人という言葉はあまり良い意味で使われませんが、ビジネスにおけるトレーナーは自然と八方美人になれる人が向いているのかな?と思いました。

⑥ 戦略はマネージャー、改善はメンバーが主導

・インサイドセールスの場合は営業のように商談同席がなく一緒に案件を進めていくことがない
・業務は個人で行っており、マネージャーの目が入らないのでオペレーションを最も理解しているのはメンバー
オペレーションの改善に対してマネージャーが介入せず、メンバー自らが実施することで、生産性への意識が高まる
・メンバーがオペレーションの改善を主体的に取り組むようになれば、マネージャーは「業務管理から数値分析」「勝ち筋の発見や戦略策定」「最重要任務である採用」に時間を投資できる

・メンバーだけで判断できないことが「廃止」
・オペレーションの一部を廃止することで、他部門に影響が及ぶ場合にはその調整はメンバーでは難しいため、マネージャーが責任を取って巻き取って対応する

インサイドセールス 訪問に頼らず、売上を伸ばす営業組織の強化ガイド
ISBN 978-4 7981-6754-1 P251~253

<所感>
廃止することで他部門との調整をマネージャーが責任を持ってやる。これができないマネージャーが多いですよね!

ここはあなたの仕事です。って言ってあげないといけないですね。
本書で言及のあった、メンバー間でムダがないか議論する場を作って、その結果を毎回アクションプランに落とし込むことで、マネージャーもやらなければと思うかもしれません。

無能な上司の育て方として必須スキルかもしれません。(そもそも無能な人がマネージャーな時点でどうなの?という感じですが)

⑦ 効果的な1 on 1の実施方法

■ 1 on 1の基本
相手のために時間を使うことであり、日々の業務や数字のことについては話さないし、こちらからは話さないがルール

■ 1 on 1 がもたらす効果
①信頼関係の構築
・信頼関係の構築によって本音で話してくれるようになると、課題に対して支援しやすくなる

②メンバー自身の成長
・基本的に聞き手に回り、答えを教えないように進めるため、メンバー自身が内省する機会が増える

③ネガティブな報告機会の提供
・定期的に1 on 1を設定することで、「次回相談してみよう」とネガティブな情報を収集することができる

■ 1 on 1の注意点
① 時間:定期的に必要であるが、30分程度で2週間に一度などの頻度にする
② ネタが尽きる:1 on 1はメンバーのための時間なので、メンバーが望むことであればどんな時間の使い方でも問題ない
③ マネージャーからリスケの依頼をしない:優先度が低いと思われてしまう

インサイドセールス 訪問に頼らず、売上を伸ばす営業組織の強化ガイド
ISBN 978-4 7981-6754-1 P257~263

<所感>
これで最後です。
しかし最後の最後でなかなかの衝撃です。
というのも、1 on 1を(頑張って)やろうとしていたのですが、結構リスケしてしまっていました。
しかもこちらから議題を決めてしまっていたので、全く1 on 1ではなかった!!と衝撃を受けました。

最初から最後まで飽きずに学習することができ、明日にも実践で使うことができそうです。

総括

最初の疑問は以下でした。

第3部のCSが必要不可欠と痛感したからです。
ただCSは重要ではありますが、

・OTV(One Time Value)指向の既存企業はなかなかLTV(Life Time Value)指向に切り替えられない
・OTVは新規販売売上にコストかけ過ぎていて、LTV最大化にコスト振り替えが難しい
・新興企業(スモールビジネス、スタートアップ)はLTVが大事と分かりながらも、どうしても事業黎明期は新規獲得も必要
かと思いました。
となれば
「営業効率を徹底的に上げてなるべく固定費かけずにCSに影響が出ないようにするしかないのでは?」

今回インサイドセールスをしっかり学んで感じたことは

① 営業効率を上げることができる組織であることは間違いなかった
② マーケティング部門の業務も実施することで組織が強くなる
③ リードをただ拾うだけでなく、商談化効率を上げるためのデータドリブンな組織
④ 単純作業になりがちなのでメンバーのフォローが必要

ということが特に大きな学びでした。
「足で稼ぐ営業」「売上・利益の最大化」という従来のビジネスが大きく変化をしていることを改めて痛感しました。

黎明期にはなかなか利益が出ず資金繰りが厳しいが、しっかり想いを持って成し遂げれば、お客様に成功を届けることができるという点ではインサイドセールスのリードの拾いかた工夫することで全体効率を上げる事できると確信しました。

実際の組織のマネジメントはとても大変でしょうが、これからの時代を生き抜くには知っておかなければならない内容でした。

本当に素晴らしい本でした。
茂野さん。直接Twitterでも連絡をいただきありがとうございました。
本当に勉強になりました。


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