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#4 インサイドセールスの組織づくりと採用

第3章で、インサイドセールスとカスタマーサクセスの連携、あるべき姿から具体的な立上げステップを説明しました。

次は採用です。ここ一番難しいですね。
・事業計画からどんな数字を達成するために組織を立ち上げるのか
・何名の組織にするのか
からどんなスキルが必要かまで落とし込むのが難しいので、この章はじっくり読み込んで理解したいと思います。

参考図書

1.採用する人の分類と採用すべき人の優先順位

1-①設計者:経験者の採用が望ましい

・まず最初に採用すべきであり、採用する際の能力の見極めが非常に困難でり、その見極めるポイント
<レベル1:部門の各種数値設計が可能(行動指標、KPI、KGIなど)>
+最低限のスキル
+ある程度の経験があればできること

<レベル2:マーケティング部門、営業部門と合意形成できる>
+インサイドセールスという部門はマーケティング部門、営業部門との状況や予算に応じた連携と交渉が必要不可欠
マーケティング部門の「獲得するリードの量や質」、営業部門の「提供する商談の量と質」について合意形成が必要
+面接時の質問事項としては
例1:対外部門との折衝経験はあるか?
例2:それはどんな頻度でどんな目的で行っていたか?
例3:象徴的なエピソードや交渉のテクニックがあれば教えてください
例4:大きな失敗や苦労したポイントはなんですか?
例5:もし立上げ初日に戻れるとしたらなにを変えますか

<レベル3:発生する不具合に対して計画的に事前対処できる>
・社内外問わず、2社以上の経験、もしくは3年以上インサイドセールス組織に携わったことがないと到達できない
組織の立上げ期は問題が発生したから対処するのではなく、問題が発生しない環境設計が重要

・レベル1~3をすべて実行できる人は限られているが採用できれば立上げ初期は安心して任せることができる

引用:インサイドセールス 訪問に頼らず、売上を伸ばす営業組織の強化ガイド ISBN 978-4 7981-6754-1 P76~82参照

1-②実行者(SDR、BDR):未経験者でも活躍できる

・設計者の次に採用すべき役割
・未経験者でも活躍できるので採用基準を上げすぎないように注意
■ 経験者に求めるスキルや経験
①最低でも1年以上の経験
+オペレーション能力(CRMの利活用スキル、入力速度、各種情報の整理)が重要

②CRMを使ったインサイドセールスの経験
+CRMがないとテレアポに近い
テレアポはフロー型で「架電リストを順に消化(フロー)しているだけで、情報が蓄積されない」
インサイドセールスは「コミュニケーションの履歴を蓄積(ストック)することで、最適なタイミングで最適な情報を届け、信頼関係を構築する」

③MAの利用経験
+必須ではないがあると良い経験
MAを活用し、リードナーチャリング(興味を喚起するためのアクション)をマーケティング部でなく自身で実行することが必要となる
お客様の状態を一番把握しているのは担当のインサイドセールスである

④量を重ねて成果を出した経験
+優秀なインサイドセールスの条件は「量を重ねて成果を出せる人」
+CRMなどの複雑なオペレーションを実行しながら日々リストを整備し、お客様との関係性が切れないような準備とアクションを毎日一定量実行できる人こそがオペレーションが洗練されている
+質にこだわる人が量を増やすことは難しい
+面接でも「量と質のどちらが重要か」を聞くと良い

■ 未経験者に求めるスキルや経験
①高額商材を扱っていた経験

②接客接遇にこだわる業界のビジネス経験
+インサイドセールスに必要なヒアリング能力がある
+高額商材はお客様のニーズに合わせて提案
接客接遇はお客様の感情や言葉の向こう側にある真意を読み取り、今提供すべき価値はなにか、を自問自答できる
+さらに営業スキルが備わった例がブライダル業界。高額、関係者が多い、検討期間が長く、競合も存在する

③圧倒的な量で勝負してきた経験

④論理的思考力
+常に多くのデータを扱いながら最適解を導くため、数字に強く、論理的であることが必要
+抽象的な質問と具体的な質問を交互に繰り返して思考力を見極めることが有効
抽象)売れる営業とはどんな営業か
具体)KPIをクリアする方法は
抽象)素晴らしいマネージャーはどんな人物か
具体)自身が管理職になったらどのようにKPIを設計するか

⑤他責傾向がない

⑥大手担当のBDRは大手企業の経験

引用:インサイドセールス 訪問に頼らず、売上を伸ばす営業組織の強化ガイド ISBN 978-4 7981-6754-1 P82~89参照

1-③管理者(SDR、BDR):組織拡大後に採用すべき

・この役割の採用は最後で良い
立ち上げ期は、任された設計者が管理者も兼務する事が多い
インサイドセールスマネージャーに必要な能力は「人材育成や支援、目標設定やモチベーションマネジメントなどのピープルマネジメント」が重要
・SDRやBDRのインサイドセールスマネージャーは実務実行力はそこまで求められないが、膨大な数字を分析し、課題を発見する能力や精度の高い予算設計など数字への強さが求められる
・インサイドセールスは行動量がそのまま成果につながる可能性が高いため、人の力がダイレクトに成果に結びつく
教育や支援の能力が重要
・インサイドセールスマネージャーには、個人のWILL(目標ややりたいこと)と実務を結び付ける力、成長を言語化して伝える能力が必要
・インサイドセールスマネージャーは
+行動指標(架電数、メール送信数)
+中間指標(商談機会獲得数)
+成果指標(商談化数や成約数)
など日次で管理
し前後の部門間と折衝を繰り返す難しいポジション
・インサイドセールスマネージャーを見極める面接時の質問例
「現在の実務における課題の抽出や特定のプロセスを教えてください」
普段から見ている指標とその目的を教えてください」
「目標設定や給与査定のプロセスを教えてください」
「直近の月次単位の振り返りや四半期戦略について教えてください」

引用:インサイドセールス 訪問に頼らず、売上を伸ばす営業組織の強化ガイド ISBN 978-4 7981-6754-1 P89~92参照

<1の所感>

かなり詳細にスキルと面接の質問まで記載してくれています。ここまで詳細に書いていると言うことは著者自身が相当苦労したのだと思います。

採用は良い人は今の職場で活躍しているし、他にも声がかかっているケースもあるのでピンポイントで釣り上げるのは難しいです。

一貫して量をこなす、スピード感のあるPDCAを回せる人が必要と感じましたので、グジグジ考え込み過ぎずまずやってみる!って気負いの人に任せてみるのが良いかな?と思いました。

4-1合意形成

4-2_実行者に向いている

2.チームの構成バランスを考える

数字だけに固執し、相互の尊敬・称賛がない組織は成功事例の共有もなく危険なチームになる
・危険なチームになると目標達成が難しく退職者も増えるため、カルチャービルダーという役割を意識する
・チームに必要な3つの役割とバランス
①ユニコーン→メンバー割合:10%
リーダーを意味しパフォーマーに比べて成果は劣るがチームを引っ張る存在
・成果を最大化するために必要な環境整備や施策の立案を担う
・リーダーでなくユニコーンと呼ぶ理由
+SDRやBDRは活動履歴を適当に残すことが可能であったり、受注見込みの低い商談を営業に渡す事も可能で、手を抜こうと思えば抜ける
組織に必要なのは「自浄作用」=自らを律し間違った行いを正す必要があるため

②パフォーマー→メンバー割合:80%
・最も人手が必要
・持ち味は圧倒的な成果

③カルチャービルダー→メンバー割合:10%
・成果は他と比べて劣るが、部門内のカルチャーを維持するために
+ルールを守り
+逸脱したメンバーを指摘
+オペレーションの不具合を発見・修正
+イベントにも積極的に協力する
必要不可欠な役割

引用:インサイドセールス 訪問に頼らず、売上を伸ばす営業組織の強化ガイド ISBN 978-4 7981-6754-1 P93~97参照

<2の所感>

カルチャービルダーは初めて知りました。
しかしこの役割はインサイドセールスに限らずどこの組織にもいますね。
ただ評価が成果である部門だと、自分は頑張ってるのになぜ真ん中の評価なのか?と言ってくる人もいるかな?と思います。

実体験ですが、自分が10名を越える部隊の部長くらいになるとカルチャービルダーに向いてる人はほんと頼りになります。
ただプロフィットが評価基準だと部長からの相談量に対して評価が合わない、と思われがちです。
なので

一度高く評価する
そのあとは評価の相談をする

ことで能力の高い人を合わせる事で自分の評価に納得してもらうことがオススメです。

4-3_インサイドセールスマネージャー

3.採用してはいけない人の特徴と見抜き方(SDR、BDR)

■ 他責傾向のある人には不向き
・インサイドセールスの特徴は
「マーケティングとセールスの橋渡し役」
「チームで情報を共有することでPDCAサイクルを早める」
具体的な他責とは
<対マーケティング部門>
リードが少ない、リードの質が悪い、リードが入ってくるタイミングが悪いなど
<対営業部門>
営業が売ってこない、営業の対応が悪いせいでクレームに発展したなど

引用:インサイドセールス 訪問に頼らず、売上を伸ばす営業組織の強化ガイド ISBN 978-4 7981-6754-1 P98~100参照

<3の所感>

次のセクション4が重要なので、次に行きます。

4.面接を有効に進めるためのコンピテンシー面接

コンピテンシー面接とは「自社で活躍する人材の行動特性を面接の中で見極め手法」
・短い面接の中で相手の本来のスキルや行動特性を見極めていく
■ 面接の例
面接官「あなたが実行したチームの改革について教えてください」
候補者「まずチームの状況把握を行い、業務の属人化が課題と特定しました」
面「チームの状況把握においてまずなにから着手しましたか」
候「一人ずつヒアリングしました」
面「どのようにヒアリングしましたか」
候「直接声をかけて5分ほど話しました」
面「5分の話の中で属人化している、と感じたのですか」
→具体的に質問を掘り下げることで、経歴や内容に惑わされず事実と行動を掘り下げる

引用:インサイドセールス 訪問に頼らず、売上を伸ばす営業組織の強化ガイド ISBN 978-4 7981-6754-1 P101~103参照

<4の所感>

コンピテンシー(competency)→資格、能力、職務で一貫して高い業績を出す人の行動特性
という意味みたいです。
これも初めて知りました。コンピテンシー評価についても本書では図で説明してくれているので以下参考ください。

4-4_コンピテンシー面接


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