見出し画像

#1 インサイドセールスの役割とは

インサイドセールスとCSがリテンションモデルに対応している、と気付き今やこのまとめが楽しみになっていますので早速始めていきます。

参考図書

1.インサイドセールスの3つの役割

①SDR(Sales Development Representative)
・問い合わせやイベントから商談を作る
・マーケティング活動によって獲得した見込顧客の個人情報(名刺など、以後リード)を受取り、電話やメールでアプローチ
・必要な条件とタイミングが揃った時点で商談の日程を打診・調整し営業へ引き継ぐ
必要な情報とは自社製品を検討し得る情報
例)BANT(Budjet:予算、Authority:決裁権、Needs:必要性、Timeframe:導入時期)など
・新規リードが少ないときは、古いリード、失注案件、商談履歴のない企業へのアウトバンドコール
SDRは組織全体の生産性を担う

②BDR(Business Development Representative)
・ターゲット企業を選定し戦略的に商談獲得を狙う
・SDRのカバー範囲を面とするならBDRは点
SDRはマーケティング部門が獲得したリードを中心に商談機会を獲得するリードベースマーケティングに対して、BDRはターゲット企業に同一企業内で複数の商談機会を獲得するアカウントベースマーケティング
SDRは「中小企業やスタートアップがターゲット」BDRは「大手企業をターゲット」とすることが一般的
・近年よく利用される手法が「CxOレター」(詳細後述あり)
・中小企業の場合は決裁者が直接情報収集することが多い、大手企業は一般職から上申することは難易度が高く役職者と商談することが受注への近道となる
BDRはターゲット企業を選定し、該当する役職者や役員に直接アプローチすることが必要

③Online Sales
・非対面で成約まで完結させる
生産性の高さが特徴
・オンライン商談に特化したノウハウは後述

引用:インサイドセールス 訪問に頼らず、売上を伸ばす営業組織の強化ガイド ISBN 978-4 7981-6754-1 P16~21参照

<1の所感>

SDR、BDR、Online Salesの3つが本書のベースになっているみたいです。
CSについて学習しているときもそうでしたが、言われてみれば確かに、と思う営業の分類です。
すなわち決して新しい概念ではないが、これらを分類して体系化していくことも営業効率のアップに繋がるんだと思います。

画像1

なお、参考までにBANTのことを詳細に説明してくれているサイト情報も掲載しておきます。法人営業における営業質問の基本フレームワークです。

2.インサイドセールス3つの配置タイプ

①分業タイプ:商談のパスだけを行う
■ 特徴

SDRとBDRだけを配置する場合にあたる
メーカーなどオンライン商談が不可能な業種や大手企業がターゲットの場合
メリット
・生産性の向上
単一業務に集中することで特化したスキルアップが期待でき、獲得リードの対応漏れや遅れの減少で商談獲得数が向上する
・分業により業務範囲をある程度特定しトレーニングや学習コンテンツに集中することができる
■ デメリット
・一つの業務に集中するためキャリアが描きにくい、スキルアップ機会が少ないとの懸念も多い
・この課題は多くの企業がSDR、BDRを卒業後に営業部門やマーケティング部門へのキャリアパスを用意することで解決している
・分業タイプは商談を提供する営業部門との折衝が生じるため、部門間の連携コストは発生する

②独立タイプ:商談の成約まで完結する
■ 特徴
・SDR、BDRと合わせてOnline Salesをインサイドセールス部門に配置するタイプ
・主に低単価の商材を扱う企業や中小企業をターゲットとする場合に多い
商談期間の短い製品を扱う企業に向いている
■ メリット
・自部門内ですべて完結できること
他部門との連携コストが低くなり、関係部門との予算調整が不要なので、短納期で予算設計から戦略の立案まで完了できる
■ デメリット
・部門内に役割が増える事で教育コストが増大し、採用難易度もOnline Salesが加わることで格段に上がる

③混合タイプ:ターゲット企業の規模や地域で分ける
■ 特徴
・大手企業から中小企業まで幅広い層をターゲットにしている、日本全国の企業を相手に事業展開しているが都市部にしか営業拠点がない、といった企業
大手企業は分業タイプで商談の獲得まで行う
中小企業はOnline Salesで成約まで完結する
・営業拠点のある都市部はSDRやBDRが商談機会を獲得し、営業との連携によって成約を目指し、地方はインサイドセールスチームがオンライン商談で成約を目指すスタイル
・以下のデメリットを鑑みて、いきなりすべて混合タイプでスタートせず、まずは一部地域を分業し、徐々にインサイドセールス部門も増員し営業部門内にOnline Salesを配置していくことが良い
■ メリット
・状況に合わせた最適な商談獲得戦術を実施することができ、獲得率も上がる
■ デメリット
業務や予算策定における設計難易度が圧倒的に高く、連携コストも増大する

引用:インサイドセールス 訪問に頼らず、売上を伸ばす営業組織の強化ガイド ISBN 978-4 7981-6754-1 P22~25参照

<2の所感>
1では役割を3つに分けて説明し、2ではインサイドセールス部門の置き方を3つのタイプに分けて説明してくれています。
一つひとつの説明は簡潔でとても分かりやすい本で素敵です!
分かり易い図も挿入してくれていますので、参考にしてください。

1-2 インサイドセールスの3分類

1-3 インサイドセールスの組織構造

3.自社に合わせたインサイドセールスの選び方

インサイドセールス適合表において、どこに位置するか考える
大手企業の高額製品の場合は分業タイプが最適
・大手企業の場合は複数の担当者と複数回にわたり商談を続ける必要があり、これをオンライン化するのは難しい
売り切りモデルの低単価の製品を中小企業に販売する場合は独立タイプで十分対応可能
・インサイドセールス活用例
1.セールスフォース(混合タイプ)
・対象顧客は創業間もないスタートアップから大企業まで幅広く、日本全国が対象
・営業拠点のある地域では訪問営業、拠点のないエリアはオンライン商談で対応
・官公庁や大手企業の場合も分業タイプで対応
2.ビズリーチ:ビズリーチ事業
・即戦力人材と企業をつなぐ転職サイト事業は、対象顧客は全国の企業であり、スタートアップから大手企業まで幅広い企業が対象
・セールスフォースと同じく混合タイプ
3.ビズリーチ:HRMOS事業
・セールスフォースと同じくサブスクモデルであるが、対象顧客を定めており分業タイプ

引用:インサイドセールス 訪問に頼らず、売上を伸ばす営業組織の強化ガイド ISBN 978-4 7981-6754-1 P25~29参照

<3の所感>

インサイドセールス適合表は分かりやすくて良いですね。
しかし継続モデルをマトリックスに含めており、改めて自分が学んできたマーケティング理論が大きく変換しているな、と痛感します。
ポーター・バーニーの戦略論、コトラーのマーケティング論、は一通り見てきましたが、継続モデルを含めると一から学びなおしです。
とても良い機会なので、どんどんインプットしていきます!

1-4 インサイドセールス適合表

1-5 活用例


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?