見出し画像

#3 インサイドセールスチームの立ち上げ方

前回は「第2章 なぜいまインサイドセールスが必要なのか」を学習しました。
結論は市場が大きく変化しておりインサイドセールスが必然的に活躍できるようになったと思い、タイトルは「市場変化から見るインサイドセールスの必要性」としました。

第3章はインサイドセールスチームの立ち上げを一気に学習していきます!

参考図書

1.インサイドセールスの本質はカスタマーサクセス

カスタマーサクセスの考え方を持つことが大前提
・インサイドセールスは見込客が最初に出会う会社の顔であり、その体験が企業評価に直結する
インサイドセールスこそがカスタマーサクセスを実践すべき部門であり、これがないと単なるテレアポになる

■誤った認識による分業体制がもたらすもの
・カスタマーサクセスを実践すべき意識が薄れる理由はTHE MODELの誤った認識によるもの
THE MODELは連続したKPIの可視化による部門を超えたコミュニケーションによって生産性を最大化するためのものにもかかわらず、単なる分業になってしまっている
単なる分業化によりインサイドセールス部門のゴールが「商談機会の提供」になってしまう
・インサイドセールス担当者の育成は、実務→製品知識→顧客事例の理解→新機能の共有など網羅的な教育プログラムが必要
・商談機会の獲得は短期的な目標に過ぎず、その先には契約があり、さらにその先には顧客の成功という大きな目標があることを覚えておく

引用:インサイドセールス 訪問に頼らず、売上を伸ばす営業組織の強化ガイド ISBN 978-4 7981-6754-1 P50~52参照

<1の所感>

カスタマーサクセスと相性が良い!と発見して喜んでいましたが、そんな気付きは目次見れば答えがありました。ちょっと恥ずかしいですが、インサイドセールスを学ぶ前にカスタマーサクセスを理解しておいてよかったです。

THE MODELの図もカスタマーサクセスのまとめの時に作成したものを再利用しておきます。

3-1 組織営業のベストプラクティス

3-2 リテンションモデル成長方程式

2.完成形は”常に変化できる組織”

市場環境や社内情勢によってインサイドセールスは常に変化が必要
・重要なことは状況を理解し、常に会社全体を見渡し量や質を調整することであり、改善を繰り返しながら最良のアウトプットを出し続けること

■トヨタの仕組みからインサイドセールスを理解する
・トヨタ生産方式の2つの特徴
①自働化
品質保証を自部門間で完結するために常に生産したものを見直し手を止めて改善すること
<インサイドセールスに置き換えると>
常に自分たちの商談をチェックし、商談として不適当なものを見極め手を止めて改善し、業務内容を可視化(ダッシュボードやスプレッドシートで行動や商談数をチェック)しながら業務改善と品質改善を続ける
※オートメーション化を意味する自動化とは異なる

②Just in Time (JIT)
・必要なものを必要なときに必要な分だけ滞りなく生産することを意味する
・例えば、運転席を作る工程が遅れているのに座席をいつも通り作り続けると作業場が座席で埋め尽くされて作業効率が落ちてしまうような事態を発生させない取組み
JITのポイントは「安定供給できる体制・オペレーションの構築と多能化」
・普段から常に異常の発見と改善、生産性の向上を掲げ改善を続けることで急な需要の拡大や縮小に耐えうる生産体制
・様々な要望やトラブルに対処にするために1人が複数工程をこなせるような教育があることがJITを機能させている
<インサイドセールスに置き換えると>
・リード供給や対応、各種ステージ整理と連携部分の問題解決などを常に実施し1人が複数業務をこなせる(リードからイベント対応、セミナー実施やコンテンツ作成など)状態を日々準備しておくことで急な商談数増大や商談条件の変化に対応できる

■まとめ
・トヨタ生産方式の余剰在庫を生産しない=営業部門側の状況を鑑みながら商談の質や数をコントロールすることがインサイドセールスの存在意義
・状況に応じて変化できる状態こそインサイドセールスチームの完成形

引用:インサイドセールス 訪問に頼らず、売上を伸ばす営業組織の強化ガイド ISBN 978-4 7981-6754-1 P53~55参照

<2の所感>

従来から存在し、日本製造業を強くした所以であるTPSとのアナロジーでインサイドセールスのあるべき姿を説明されており深く理解することができました。
メタファーとかアナロジーとか話し方・伝え方の極意として紹介されることが多いですが、初めての概念の場合は効果絶大ですね。

3.インサイドセールスのビジョンを決める

・インサイドセールスの立上げでまず最初に実施することがビジョンを決めること
・ビジョンとは「具体的な役割と存在意義が一言で理解できる抽象的なメッセージ」
インサイドセールスは重要な部門でありながら、成果が分かりにくく、顧客から「ありがとう」と言われる機会も少ない。だからこそ自分たちはどこに向かっているのか、何をなすために存在しているのかを示すことが重要

■ビジョン策定時の注意点
①とりあえず決めることはNG
②メンバー間で意見がまとまらない場合マネージャーが決めるはNG
③現在設定しているKPIだけに集中せず、俯瞰的に組織を捉える
マーケティング部門や営業からの期待に応え、かつ士気の高いチームを維持し、常に改善と挑戦を実現するチームを作る目的を忘れない

■ビジョンの例
・世界最強のチームを支える最高のミッドフィルダー(ピルロ氏)になる
・事業を大きく成長させるジェットエンジンになる
・お客様の成功を作り出すチャンスメーカー
・全体を見渡して最適なパスを供給する司令塔

引用:インサイドセールス 訪問に頼らず、売上を伸ばす営業組織の強化ガイド ISBN 978-4 7981-6754-1 P56~58参照

<3の所感>

「士気の高いチームを維持し、常に改善と挑戦を実現するチームを作る目的を忘れない」
結局これに尽きますね。ビジョンなどワードセンスにこだわりだすと何してるか分からなくなります。
目的を定期的に見直して、そこに齟齬がないかを確認しあうことが重要です。

4.インサイドセールスの立上げで絶対にやってはいけないこと

■成果の出ていない営業をインサイドセールスに異動させる
・成果の出ていない経験の浅い営業でチームを作ると、最適な商談がこないことに営業がいら立ち、営業自身が商談獲得のために電話をし始めることで、インサイドセールスは自信と信頼を失う
・むしろ成果を出してきた営業は「どの企業に、どのタイミングで、どのように商談すると成約につながるのか」を把握している
成果を出してきた営業がインサイドセールス(SDR、BDR)として商談を供給した方が成約につながりやすい企業にベストなタイミングで商談を作ることができる

■管理職未経験者を抜擢する
・インサイドセールスの管理職は難易度の高いマネジメントスキルが求められる
・インサイドセールスのマネージャーが難しい3つの理由
①数字
+マーケティングが取得したリードは数も種類も多く、対応する人も考慮した複雑な計算が必要となる
+数字に強く、数字の羅列から課題を特定するスキルが必要
数字に基づいてオペレーションを合わせて整備していく根気も必要
②部門間連携
・インサイドセールス(SDR、BDR)は特性上、マーケティング、営業の各部門と常に折衝を繰り返す
おすすめなのは営業部門のマネージャー経験者であり、営業部門のニーズをよく理解しており、立上げ期から営業と対等なコミュニケーション、折衝が可能
③人的リソース
・インサイドセールスは特に人の要素が高い
マネジメントの基本はWill、Can、Mustの接続にある
 その人のやりたいこと、やれること、今やらねばならないことを1つに結び付けて新しいチャレンジで成長を促すことが必要
マネージャーはメンバーの声を傾聴し、メンバーのWillとの接続を意識すると良い。一方メンバーは自身のWillを言語しておくと良い

<まとめ>
・インサイドセールスのマネージャーは「数字に強く」「数字の分析から課題を見つけ」「最適なオペレーションを構築し」「事実に基づいて他部門と折衝し」「組織全体の生産性を向上し」「人に寄り添った丁寧なコミュニケーションを通した人材育成」と「強いチームの創生する」ことが求められる

引用:インサイドセールス 訪問に頼らず、売上を伸ばす営業組織の強化ガイド ISBN 978-4 7981-6754-1 P59~63参照

<4の所感>

まとめに記載したマネージャー像・・・これはインサイドセールスに限らず最強ですよね・・・
こんな人いたらどこからの引っ張りだこで、なかなか新規事業に来てくれない!って思ってしまいました。

曲がりなりにも組織を引っ張ってきた経験はありますが、組織は生き物でありほんとに右向くと左に課題があり・・・難しいですよね。

次は人事と組織マネジメントについて勉強しようと今決めました!笑

5.ビズリーチ社ので立上げ事例

・創設時に実績のある営業、マーケティング経験者を集めTHE MODELを取り入れる意思決定をした

■ 事業貢献し始めた時期の課題
1.リード供給過多による生産性の低下
2.商談定義が曖昧で明確な成果を測定できていなかった
3.インサイドセールス経験者が不在


■STEP0:インサイドセールス再立ち上げ時に最初に着手したこと
1.数字の整理
2.商談の定義
3.営業改革
・インサイドセールスが商談をしても受注できなければ意味がない
・受注できなかったとしても、それが価値のある商談だったかを判断しなければインサイドセールスを評価できない

■STEP1:STEP0完了後に実施したこと
①ビジョンを決める
②量に割り切る
・KPIや各種指標を定めにくが、まずは商談獲得数を最も重要な指標とした
・最初から質にこだわっても、基となるデータが少なく、お客様のニーズや行動、商談化の条件などが不明瞭で信じられる数字にならない
③質に転化する
・量に割り切ると、商談としてふさわしくないものが含まれるため生産性が落ちる可能性がある
・しかし量がなければ「どのような条件ならば受注が見込めるか」がデータとして見えてこない
・まずは量⇒質で、商談総数は変わらずとも成約率を上げることができる
④売上に注目する
・営業部門との打ち合わせは必ず売上を中心に議論する
・重要なことは営業部門の重要なパートナーになれること
・営業一人ひとりに注目し、成約率の低下の原因になっていないか、商談保有数がキャパを超えていないか、など健全な議論をする

引用:インサイドセールス 訪問に頼らず、売上を伸ばす営業組織の強化ガイド ISBN 978-4 7981-6754-1 P64~71参照

<5の所感>

本書でもかなり簡単にまとめてくれていますが、これは相当苦労したんだろうな、と思います。
営業部門も矜持を持ってやってますし、分かりあえる信頼関係構築は時間がかかると思います。
だた早めに信頼関係構築をしないとインサイドセールスがいつまでたっても機能しないと思うので非常に重要なステップだと思います。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?