古代ハワイから伝わる『成功する人生のあり方』とは？

古代ハワイには「フナ」と呼ばれるものがあった。フナとは、癒し、悟り、自己肯定へのアプローチ方法のひとつと言えるだろう。フナはもともと「ホオマナ」から来ている。ホオは「作る」という意味で、マナは「生命力」を意味し、これらを合わせると「力を与える」という意味になる。

フナは、古代ハワイの人々に、自分の生命のエネルギーに触れる方法、そのエネルギーを扱う方法、環境や他者との個人的な繋がりを理解する方法を教えていた。ポノ（自分を取り巻く世界との調和やバランス、自分自身との調和やバランス）を保つことは、彼らにとって生き方のひとつだった。

フナは、ストレスや抑圧された感情を解放するために、ウニヒピリ（潜在意識）に働きかける方法を教えていた。ネガティブな感情やストレスを感じる時は、それが感情や記憶を再調整して解放するためのサインであることを古代ハワイアンは理解していたのだ。彼らは悪い感情を押し込めてみて見ないふりをしたり、薬によって対処したりはしなかった。彼らは、ホオポノポノのような儀式やプロセスを通して、それらを癒し、この経験から学んだことを得て、感情を解放し、再びポノになれるように行動したのである。

西洋人がハワイに来る前は、ハワイの人々にとって病気はあまり縁のないものだった。おそらくそれは常に精神的、感情的、精神的、肉体的にポノであり続けることに重点を置いていたからなのではないか、と私は考えている。ハワイの人々は、普通の人でさえ、自分自身をポノに戻すためのツールを持っていたと言われている。そもそもベースになる考え方がホリスティックなのである。

とは言え、彼らも人間だ。時には病むこともあり、誰かがヒーリングを必要とした時には、それが肉体的なものであろうと感情的なものであろうと、フナのアプローチは、心、身体、精神を取り込んだホリスティックなものであり、カフナ（その道の専門家）がさまざまな側面で活躍していた。
例えば、ラアウ・ラパアウと呼ばれるカフナは肉体的なヒーリングを専門とし、ラアウ・カヘアは心理的なヒーリングの専門家であり、マナやエネルギーを呼び出す能力を持っていたと言われている。

フナのヒーリングは、それを受ける人の意識がとても大事であり、ヒーリングされるかどうかはその人の意識に依存していると考えられていた。すべて求める変化を起こすことができるのは自分の意識次第、すべては自己責任だと教えていたのだ。その意識のあり方は次の３つのことに集約されている。

第一に、ヒーリングを受ける人はカフナを信頼しなければならなかった。信頼がなければ、何も始まらないのだ。何よりまず大事なのは、信頼関係を築くこと。これはヒーリングに限らず、人生全般に共通するあり方だ。

第二に、ヒーリングを受ける人は、ヒーリングはより高い源から来ていることを認識しなければならなかった。この源は、アウマクア（高次の意識）、高次の自己（ハイヤーセルフ）、神、またはその人の信念体系の中の何か崇高な存在と考えているものである。

第三に、ヒーリングを受ける人は、カフナとは癒しのエネルギーを繋ぐための導管でしかないことを認識しなければならない。カフナはエネルギーの源ではない。カフナはヒーリングを「する」のではなく、ヒーリングのエネルギーを「繋ぐ」役割でしかないのだ。カフナというヒーラーたちは自分たちが神ではないことを知っていて、謙虚であり続けなければならなかったのである。これは現代にも通じる意識だと思う。ヒーラーは単なる導管でしかなく、自分自身に力がある、と勘違いした時点でヒーラー失格というわけだ。

さらにカフナは、ヒーリングが行われる場所が神聖な場所であるかどうかを常に注意を払っていなければならなかった。その場にいた人の中に、ヒーリングが本当に起こると信じていない人や懐疑的な人がいたら、ヒーリングを始めることはなかった。彼らは、ヒーリングのエネルギーは環境や人々の外側にあるのではなく、内側から発生するものであることを知っていたのだ。

私たちが心身の健康をどのように捉えているかを完璧に見直すことはできないかも知れないが、私たちひとりひとりが、体も心も、自分自身や自分を取り巻く世界に対して、ポノであり続けるために必要な意識を持つことは十分にできるはずだ。

古代ギリシャの医師ヒポクラテスは言っている。
「私たちの中にある自然の力こそが、病気を治す真の治癒者である」
ということを忘れないようにしたい。自然の力とは、まさに意識の力だということだ。これは心身の病に限らず、人生を快適に過ごすには、成功するためには、という生きること全般に通じることだ。
日々どのような意識で過ごすのか。それがあなた自身の心や体、取り巻く世界を形作っている。意識をポノにすること。それは古代からハワイに伝わる聖なる叡智なのである。私はそれを伝えていこうと考えている。