片付けの日の夕ごはん︰ヤムウンセン
冷蔵庫の中で青じそが着実に悪くなりつつあることには、昨日いや、一昨日から気付いていた。大パック12束98円の青じそ。広瀬さんに買い物を頼んだときに買ってきたくれたもの。わたしが青じそが好きだから買ってくれた。それはよく分かっているのだが、なんとなく自分が決めて買ってないものだから、手が伸びない。
自分で買い物するとき、どんなに好物でも大量だと少し怯むし考える。美味しいうちに使い切れるか?何つくる?食材を料ることが義務みたいになると、つくっているときも楽しくないしお仕着せがまじい仕上がりになる気もする。献立にのったとき、主張が過ぎるというのか。そうだ、せっかくだからアレもつくろう、明日はアレにしようとイメージが膨らめば、よし買おうと思える。そのちょっとしたプロセスがないと、大量にあるその食材に対して、美味しく頂ける時期を過ごしつつあると分かっていても、なんとなく自分事にならない。
そんな考察より、青じそです。昨日の晩ごはんの和え物にも多めに使ったけど、覚悟を決めて料理しようと思う。しそ味噌をつくろう。しっかり火を入れる保存食だから安心だし、きっと家族が好んで食べてくれる。しそ味噌なんて年に一度もつくらないので、ネットでレシピを調べて忠実につくる。…いや、青じその枚数は増やした。レシピにあった倍にした。1.2倍(心持ち多め)とか1.5倍とかでなく2倍。昔からこういうところあるある、加減がおかしいと言われたことあったなと思いつつ、青じそたっぷりのしそ味噌ができる。
冷蔵庫の中で存在感を放っていた青じそが少なくなって、ホッとする。ひと束ずつ選り分け掃除した残りも、明日使い切れるように考えよう。ひとまずはこれでよし。
午前中、出掛けるときに娘さんの着られなくなった大量の服を古着回収に出す。先日神戸に住む妹から娘へお下がりの服が届いた(娘にとっていとこになる姉弟のお下がり。妹は趣味がいいし洗濯も丁寧なので、残念な感じはゼロ。すてきなプレゼントでしかない…!)ときに、整理したもの。バラバラあちこち中途半端に、とりあえず置かれていた服を吟味し、収まるべきところに必要な服を(そして新たに加わるワードローブも)整えるプロセスが、古着回収に出したことで完結した。すっきり。
今夜はハンバーグにしようと思っていたけれど、ローズマリーを手に入れたらその香りでぎゅうぎゅう焼きが食べたくなってしまった。冷蔵庫に中途半端に残った野菜を一掃できるメニューでもある。そうだ、新玉ねぎは丸ごと焼いてみよう。
ぎゅうぎゅう焼きは準備が簡単だから、サラダは少し手の込んだものにしたい。そろそろ使い切りたかったパクチーがある。ちょうどリーズナブルだったから買った海老もあるではないですか。ヤムウンセンだ。それも、ひき肉がないから、いつもよりさっぱりした味付けのヤムウンセンだ!と心が決まる。
ヤムウンセンは好きでよくつくるサラダ。具は少なくてもいいのだけれど、つくるとなるとあれもこれも入れたくなって、結果いつも大量にできてしまう。でも残ってもこれまた大好きな生春巻きにできるから全然後悔しない。
今日のヤムウンセンはシンプルバージョンだ。まず鍋にたっぷり水を入れて火にかけ、具を準備する。海老と春雨、パクチーとセロリはマスト。特にセロリの葉が入ってないと、さみしいけれど、大丈夫。今日はたっぷりある。セロリとパクチーは細いところも全部細かく刻んでボウルへ。青じそは(たくさんあるが)あえて入れない。みょうがもあるけど、やめとく。人参はぎゅうぎゅう焼きと按分して、1/4本だけ線切りして加える。あ、新玉ねぎも入れよう。紫玉ねぎでつくると色合いもキレイでいいのだけど、今日はない。その代わり春のみずみずしい風味を頂こう。お湯が沸いたので、下処理した海老を入れて、引き揚げたら茹で汁をとっておくのを忘れずに。同じお湯で春雨を茹でているあいだに、茹で汁にナンプラーとレモン汁、砂糖を合わせて海老を和え、茹で上がった春雨も熱いうちに和える。春雨が吸うので、ドレッシングの水分量は多めに。特にレモンは惜しみなく使い、茹で汁でのばして旨味を足すと味がぼんやりしないように思う。いつもはスイートチリソースづくりからやるのだけど、余らせることが分かっててつくるのがなんとなく嫌だったのだろう。久しぶりにスイートチリソースに頼らないヤムウンセンになった。味見して、刻んだナッツをプラス。シンプルだけどリッチに仕上がる。
スープはグリーンピースとベーコンと新玉ねぎ。冷蔵庫も洋服棚も片付いた。軽やかで心晴れやかな献立。