連載小説《アンフィニ・ブラッド》第8話
《前話のあらすじ》
謎の女・久利生エリは、北影通りで殺人を繰り返していた。そこに、帰宅途中の阿武野ニルが通りかかる。
一方、神戸シオンと統間ジエムは謎の男から逃げていた。
神戸シオンが何者から逃げているのか分からず、痺れを切らした統間ジエムは口を開いた。
「走りながらでいい、話を聞かせろ。お前は何から逃げている?」
「私を追っている男は、ノワール系の魔術師……」
「魔術師?」
「数日前、この四祈市の空から黒い光が漏れてきたでしょ? その時人間界に降り立った、ノワー